• "小学校教員"(/)
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  1. 世田谷区議会 2008-03-21
    平成20年  3月 予算特別委員会-03月21日-07号


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    平成20年  3月 予算特別委員会-03月21日-07号平成20年 3月 予算特別委員会 平成二十年予算特別委員会 予算特別委員会会議録第七号 日 時  平成二十年三月二十一日(金曜日) 場 所  大会議室  出席委員(四十九名) 委員長  小畑敏雄 副委員長 平塚敬二 副委員長 中里光夫      石川征男      上島よしもり      川上和彦      宍戸のりお      下山芳男      鈴木昌二      畠山晋一      山口ひろひさ      山内 彰      飯塚和道      板井 斎
         市川康憲      岡本のぶ子      栗林のり子      佐藤弘人      杉田光信      高久則男      高橋昭彦      諸星養一      稲垣まさよし      上杉裕之      風間ゆたか      重政はるゆき      すがややすこ      中塚さちよ      中村公太朗      西村じゅんや      ひうち優子      藤井まな      岸 武志      里吉ゆみ      桜井 稔      中里光夫      村田義則      桜井純子      竹村津絵      山木きょう子      吉田恵子      大庭正明      小泉たま子      田中優子      羽田圭二      唐沢としみ      木下泰之      上川あや      青空こうじ  欠席委員(一名)      あべ力也  出席事務局職員          議事担当係長 渡部弘行  出席説明員   副区長           平谷憲明   政策経営部  財政課長   宮崎健二   教育長           若井田正文   教育委員会事務局          教育次長   若林謙一郎          教育総務課長 霜村 亮          施設課長   工藤健一          学務課長   菅井芳彦          学校健康推進課長                 岡本逹二   教育改革担当部          部長     髙山 博          学校職員課長 岩本 康          教育指導課長 小島 茂          教育相談・特別支援教育課長                 伊佐茂利          副参事    張堂明観          副参事    辻 裕光   生涯学習・地域・学校連携担当部          部長     水戸都紀子          生涯学習・地域・学校連携課長                 古閑 学          スポーツ振興課長                 小松幹治          中央図書館長 畑中 健     ──────────────────── 本日の会議に付した事件  議案第一号 平成二十年度世田谷区一般会計予算  議案第二号 平成二十年度世田谷区国民健康保険事業会計予算  議案第三号 平成二十年度後期高齢者医療会計予算  議案第四号 平成二十年度世田谷区老人保健医療会計予算  議案第五号 平成二十年度世田谷区介護保険事業会計予算  議案第六号 平成二十年度世田谷区中学校給食費会計予算文教委員会所管分に対する質疑)     ────────────────────     午前十時開議 ○小畑敏雄 委員長 ただいまから予算特別委員会を開会いたします。     ──────────────────── ○小畑敏雄 委員長 本日は、文教委員会所管分の予算審査を行います。  なお、本日の欠席並びに遅参及び早退者の届け出がありますので、ご報告いたします。  早退者は青空委員、以上であります。  それでは、質疑に入ります。  せたがや政策会議、どうぞ。 ◆田中優子 委員 おはようございます。本日は文教領域の質問ですが、早速始めさせていただきます。  まず最初に、モンスターペアレンツ対策と小一プロブレム対策に関連する施策についてです。  昨今、教育現場で問題とされているモンスターペアレンツですが、どんなことを要求する親たちなのか。  もう皆さんご存じかと思いますが、例を挙げてみますと、自分の子どもが注意されたことに対して逆上し、職員室にどなり込んでくる。そして、延々とクレームをつける。早朝であろうが深夜であろうが、教職員の自宅に電話をして、これまた長々と文句をつける。子ども同士のけんかに介入し、相手の子どもが悪いといって学校に処罰を求める。また、自分の子どもがリレーの選手に選ばれないのはおかしいといってクレームをつける。卒業アルバムに自分の子どもの写真が一枚しかなかった。アルバム代を返せという親。塾の模擬試験と重なってしまったので運動会の日程を変えてもらいたいと要求する。あるいは、公教育なのだから給食費は払わなくて当然であるというような親など、本当にこんな人たちがいるのと信じられないような状況です。  このようなモンスターペアレンツは世田谷区にもいるのでしょうか。まず、教育委員会が把握している世田谷区の小中学校でのいわゆるモンスターペアレンツの現状について伺います。 ◎小島 教育指導課長 保護者や地域の方々からの区立学校への期待は高く、日々さまざまなご意見やご要望をいただいております。その中には、学校での児童生徒に対する教員の対応の仕方や指導方法、指導内容にかかわるものなどもあります。  このようなご質問やご要望が寄せられた場合は、お話の内容を真摯に受けとめるとともに、必要に応じて学校と区教育委員会とで連絡をとり、連携して指導の意図などについてご説明したり、あるいは学校の指導の改善を図ったりなどしてご理解をいただくようにしております。  まずは、ご意見の内容とその背景にあるお気持ちなどを学校と区教育委員会が真摯に受けとめていくことが大切であるというふうに認識しております。 ◆田中優子 委員 今のご答弁ですと、それほど深刻な状況はないのかなという感じがするんですけれども、保護者がモンスターペアレンツ化してしまうということの背景には、初期対応のまずさというのがまずはあると思うんです。  私も区立の小中学校で子どもがお世話になりまして、一保護者として九年間を過ごさせていただきましたが、ちょっとした行き違いで問題がこじれてしまったというケースを多々見てきています。  初期対応というのは、教育長も常々おっしゃっていることでしたけれども、本当に大事なことなんだなということは実感しております。  しかし、私は、区立の小中学校の校長先生や先生方から言われたというか、訴えられたことがあるんですけれども、今教育問題で議会が取り組むべき一番のことは何だと思いますか、モンスターペアレンツ対策ですよと、このように言われたんですよ。何とかしてくださいという悲鳴にも似たような、そんな気持ちが込められていると感じました。  そのときは、正直言って、そんなこと言われたって、学校現場の対応が悪いということだってあるんじゃないのとか、議会でモンスターペアレンツをどうにかしてくれといったって、何をしろというのという気持ちが内心あったんですけれども、現場ではそれほど困惑している状況があるのかなという気がいたしました。  以来、そのことがずっと私の頭の中から離れずに気になっていたわけですが、先日視察しました新宿区の入学前プログラムというものが、このモンスターペアレンツ対策の一助になるのではないかと結びついたといいますか、ひらめいたんです。  この入学前プログラムというのは、小学校に入学する前に保護者と子どもたちを対象にして行われているものですけれども、まず最初に、三年前にある一つの小学校でやったと。そうしたら非常に評判がよかったので、翌年には九校に広げて実施してみた。そうしましたら本当に効果が認められたということで、今年度、新宿区では全二十九校で実施しているというものです。  一言で言うと、入学前に親同士、子ども同士が知り合いになっておくということが大きな目的であり、効果であるんです。知り合いになるということは、つまり、話せる関係ができているということになるわけです。  内容を簡単にご紹介しますと、そのプログラムは全二回で、一回目は、就学時健診とかあるいは新入生のための準備の保護者会の機会を利用して、まず一回目をやる。そして、二回目はお父さんでも参加できるようにということで、その後の土曜日か日曜日に開催しているというものです。
     子どもと保護者はそれぞれ違ったプログラムを受けるんです。例えば子ども向けプログラムは、これは専門の民間団体に委託してやっているんですけれども、手遊びとか運動などを通して仲間づくりの体験、それから、子どものそれぞれの積極性を引き出すとか、遊びの中からルールを学び取る、こういうことをやっているんです。  汗びっしょりになって大はしゃぎしている場面があったり、それから、しんとして大人の話を聞くということを二時間たっぷり、これまた全くあきさせることなく続けて、そして、二回目には学校探検のようなプログラムがあって、いろいろな学校の施設を回ってみて、その中には自分たちが今度一年生になったときに入る教室もあるわけですね。どこかに、四月に待ってるよというメッセージがあって、それを探したり、本当に楽しいプログラムでした。  こうしているうちに子どもたちはお互い友達同士になって、決まりを守るということも自然に覚えるようになっていくわけです。  教育現場では、モンスターペアレンツのほかにも小一プロブレムと呼ばれていることが実は問題になっているんですけれども、小学校に入学したばかりの子どもたちというのが集団行動がとれないとか、授業中じっとして話を聞いていられない。あるいはそういう状態が長く続いて担任が非常に手を焼くという小一プロブレムですね。この入学前プログラムは、いわゆる小一プロブレムにも効果があるのではないかとすごく思いました。  そして、保護者向けのほうですが、こちらは子育てということをテーマに、これも専門のNPO法人に委託してやられているんですけれども、そういう講師によってワークショップが行われています。  小学生になった子どもとの接し方、つまり、親たちはいつまでも子ども、子どもといって過保護にしているんですけれども、ヘルプじゃなくてサポートに移してくださいというような内容で、親同士がお互いに何人かのグループをつくって話し合いながら、どんなことをしたらいいのか見つけていくような形。そして、自己紹介もしながら進めていくというコーチング形式で参加型のプログラムというものが進められていました。  最初は、その保護者の方々が集まっても初めての人が多いわけで、何かこわばった表情で口数も少ないんですが、終わったころにはみんなにこにこしていて、打ち解けた雰囲気が非常にわかるんです。いい表情になって、子どものことを積極的に話していたり、自己紹介したりと、雰囲気ががらっと変わっているのが私も感じ取れたような状況でした。  実際に受講したお母さん、お父さん方からは、子どもへの接し方を考えさせられましたということとか、このような機会は大変うれしいです。入学後も機会があったらやってほしいという声ですとか、私自身は新宿で育っていないので知り合いの方が余りいない。コミュニケーションをつくる場としてありがたかったという意見。それから、子どもの保育園以外の保護者同士、子ども同士のお知り合い、お友達ができてよかった、こんな意見が寄せられているそうです。  参加した子どもたちも、おもしろかった、学校に行きたい、学校好き、楽しみというような声がたくさん届いているということでした。  実際、このプログラムを始めた学校では、入学後すぐの忘れ物が大変少なくなったり、それから児童の落ちつきがよくなったり、それと、保護者と先生の関係もスムーズになる。もう一つ大きなのは、保護者のPTAの参加率が非常に高くなったという効果があらわれているそうです。  通常、入学式のときに、普通でしたら親たちも子どもたちも初めて顔を合わせるという状況ですよね。でも、この入学前プログラムをやっているおかげで、入学式の日は、ああ、先日はどうもという声かけ、あいさつがお互いにできているんです。子どもたちも、何々ちゃんなんて手を振ったりする。そういう光景があるというのは、その後ずっと物すごく大きな力になるのではないかと私も思った次第です。  大変な問題となっているモンスターペアレンツというのは、つまりコミュニケーション障害というのも原因の一つに大きいのではないかと思いまして、お互いに話せる関係をつくれていたら、幾ら何でもあんなことは言えないだろうという、そういうことはあると思うんですよ。  この入学前プログラムをすればモンスターペアレンツ問題すべてが解消できるとは言いません。そんなことはないんでしょうけれども、少なくとも保護者のモンスターペアレンツ化を防ぐとか、減らすというんでしょうか、そういう役割は果たせると思います。あわせて小一プロブレムの解消にもなれば一石二鳥だと思うんです。  まず、今説明させていただいたんですけれども、世田谷区でもぜひ導入したらいいなと思ってお話しさせていただいたんですが、感想をお願いしたいと思います。 ◎古閑 生涯学習・地域・学校連携課長 今、新宿区の入学前プログラムにつきまして委員のほうから詳しくご説明いただきましたけれども、これは、区立小学校に入学する子どもと保護者が遊びまたは学びを共有することで、子ども同士また親同士が連帯感を高めて、入学前の不安を解消することを目的に実施されているものでございます。  プログラム自体は、就学時健診または学校説明会とその後の土曜、日曜日の二回にわたりまして、NPO法人に内容を委託した保護者向けのプログラムと、それからまた、劇団や研究者に依頼して、遊びを通じて友達づくりを目指す子ども向けのプログラムから構成されております。  また、学習に集中するために、幼児向けの託児も併設されているということでございます。  十八年度九校、それから十九年度からは新宿区内のすべての小学校二十九校で既に実施されているというふうにお聞きしております。  このプログラムに関しましては、家庭教育の支援という側面からも、保護者同士が知り合い、また学び合う興味深い内容が含まれておりますので、今後さらに詳しく研究した上で検討してまいりたいというふうに考えております。 ◆田中優子 委員 そうですね。今聞いてすぐ、じゃ、導入しますというお答えにはならないのはわかるんですけれども、ぜひとも詳しく研究していただいて、その効果なども新宿区ではもう検証されているわけですから、実施に向けて検討していただきたいと思います。  指導課長、感想を一言お願いしたいんですけれども、こんなプログラムはいかがなものでしょうかね。 ◎小島 教育指導課長 大変興味深い内容ですので、生涯学習・地域・学校連携課とも連携しながら研究を進めたいというふうに思いました。 ◆田中優子 委員 そうなんです。本当に興味深いものなので、しかも実質を伴っているなと私も感じましたので、教育委員会のほうでぜひ研究していただきたいと、よろしくお願いいたします。  それから、次に、子どもの体力向上について何点か伺いたいと思います。  私どもの会派では、平成十八年第四回定例会の代表質問におきまして、子どもの体力が衰えているということ、それから、健康面で生活習慣病の心配が非常にふえているということですね。生活習慣病の危険因子と言われている肥満、高脂血症、高血圧、高血糖の子どもがふえているというのは実際に数値で挙がっています。  早く対策をとるように質問しているわけですけれども、そのときには、子どもの背筋力指数というものを一つデータとして取り扱って説明させていただきました。  ちょっと復習になりますが、背筋力指数というものは、一・〇で自分の体の体重を支えられるというものをあらわします。ですから、二・〇あると自分の体重と同じ重さを支えることができる、そういう力を持っているということです。  これは十四歳男子で言いますと、一九六〇年代は平均して二・五近くあったそうです。それが、九〇年代の後半には二・〇ぐらいに顕著に下がっている。十七歳女子のデータで言いますと、一・七を上回っていたものが一・五を切るところまで落ち込んでいるという結果が出ています。  そして、この背筋力のテストは、一九九八年以降、とうとう調査の対象から外されました。というのは、子どもが腰を痛める危険があるからということで、つまり、もうテストすらできなくなっているというのが今の子どもたちの現状なわけですね。もう一体どうなってしまうのと、非常に危機感を抱くわけです。  昨年あたりは、子どもの体力下げどまりというような記事も出て目にしましたが、これは決して下げどまり、とまったからいいんだということではなくて、もう落ちるところまで落ちたと、これ以上は下がらないというところまで来てしまったのではないかと心配するぐらいです。  そこで、私どもせたがや政策会議では、会派視察で、体力づくり日本一という公立中学校、東広島市立豊栄中学校というところに先月行ってまいりました。この豊栄中学校は、二年連続で毎日カップ全国体力つくりコンテストというもので日本一に輝きまして、文部科学大臣賞というのを受賞しています。  こちらですけれども、これがその賞を受賞したことを記念する石碑です。学校の入り口にこれが立てられているんですが、「祝連続日本一」と書いてあります。そして、文部科学大臣賞というのが刻まれているわけです。これが学校の入り口に置いてあるわけです。  校内には、あちこちに「目指せ!日本一!」とか「やればできる!」という言葉が掲げられているんです。体育館の中にも掲げられていました。一体どんなことをすれば生徒たちの体力が確実にここまで伸びていくのだろうと、私たちは興味津々だったわけです。  その中学校は、東広島市といっても町なかではなくてかなり山の上のほうにある学校で、私なんかは、視察に対応してくださった学校長とか、それから教育委員会の方に、この学校に通っていれば、学校に来るだけで体力がついちゃいますよねという話をしたんです。そうしましたら、いや、意外にもそうではないんですよと。  というのは、そのあたりは過疎化が進んでしまってというか、少子化で、六つあった小学校が全部一つの学校に統廃合されてしまったそうです。そうすると、一番遠い子どもというのは九キロも離れている。そんな遠くから小学校に歩いて通えるはずありませんよね。  統廃合の条件として、スクールバスをつけるということだったそうです。ですから、小学生たちは歩くことなく毎日六年間スクールバスに拾われて登下校しているという状況で、がくんと体力が下がってしまったということなわけです、意外にも。  それで、中学校では、これは大変だということで非常に危機感を持って、何とか体力づくりをしなくてはと、何をしたらいいんだろうと取り組みを開始したということです。  じゃ、一体それで何をしたのかというお話を聞いてきたんですけれども、こちらがその一例です。これは体育館で壁を使って全員が一斉に倒立をしているんです。壁倒立。こんな状況です。  この学校では、朝礼の時間に週二回、月曜日が校庭、火曜日がこのように体育館と、週二回の朝会を運動朝会と名づけてやっているそうです。月曜日は校庭ですから、トラックを何週か走ったり、それから走り幅跳びですとか、外でできる運動をするそうです。鉄棒もあるのかな。  体育館のほうでは、校庭も体育館もそうですけれども、まずラジオ体操をやって、それから、めざまし体操という独自の体操をつくっていまして、それをみんなでやって、準備運動をした後に、体育館では腹筋、背筋、腕立て伏せ、それからこの倒立もそうですけれども、二人組みになって馬跳びです。これは生徒同士のスキンシップにもすごくいいんじゃないかなという感じがしたんです。  あともう一つは、昔皆さんやった経験があるかと思うんですが、今の子はほとんどやらないのかな。二人組で、一人が座って足を伸ばして、開いたり閉じたり、開いたり閉じたりしているわけです。一人は立っていて、その足を踏まないように、閉じたり開いたりしながらジャンプをするという、タイミングと敏捷性と、お互いの信頼関係がないとできないという体操ですね。それを、一、二、一、二と二十回ぐらいやる。  そんなことをした後に、最後は一斉に並んで、全力を挙げてというんですか、ばあっとぞうきんがけをするということを繰り返して、毎週毎週二回やっているそうです。  私たちが視察に行ったときは、午後三時に全校生徒が集まってくれて、体育館での運動朝会というのを生徒さんたちが再現してくれたんです。先生方もほぼ全員が出てきて生徒たちを見守っているんですよね。壁倒立なんかは難しくてできない子も最初はいたらしいんですけれども、一分間ですからかなり長いです。それを、頑張れ、あと何秒と声をかけて、何かすごく感動的な朝会でした。  るる体力づくり日本一の中学校について説明させていただいたんですけれども、この取り組みの感想をまた一言聞かせていただけたらと思いますが。 ◎小島 教育指導課長 委員ご指摘の中学校につきましては、体育の授業ですとか、あるいは集会活動、地域と連携した諸活動など、大変特色のある取り組みであるというふうに感じました。 ◆田中優子 委員 世田谷区も、朝の時間というのは読書とか自由勉強とかいろいろなことをやっていると思うんですよ。それで、もちろん学力向上のための取り組みも大事だと思うんですけれども、でも、もう少し体力づくりとか健康を考えて、運動ということにも着目したほうがいいんじゃないかなと、率直に言って私は感じました。  というのは、体力というのは、子どもたちにとってこれから先の長い人生において、健康で生きていく上の基本中の基本ですから、この学校は子どもの未来に対してすばらしい宝物をプレゼントしていると、そういうふうに感じたんです。だから、ぜひともこういう視点も取り組んでいただけたらと思うんです。  ここでまた質問したいんですが、世田谷区の学校では、子どもたちの体力向上に向けては今どんな取り組みをしているか、お答えいただけますか。 ◎小島 教育指導課長 子どもの体力向上を図るためには、子どもたちに運動することの楽しさや喜びを十分に味あわせ、進んで運動に取り組もうとする資質や態度を育成することは大変重要だと考えております。  世田谷区内の各学校では、体育の授業に関する実技研修会を通して運動に関する専門性を高め、指導法の改善を図るなど、教員の資質や能力の向上に努めております。  また、体育の授業に関しましては、子どもの今持っている力で十分運動を楽しめるような場やルールの工夫、子どもが自分の課題を設定し、課題の解決を図っていくような学習を展開するなど、子どもができる喜びを味わえるよう、体育の授業の充実を図っております。  また、体育の授業以外でも、朝の時間や昼休みなど、子どもの遊べる時間を設定したり、体力向上に向けた年間活動計画のもとで、マラソン週間とか縄跳び集会などを実施して、子どもたちの運動する機会を工夫しております。 ◆田中優子 委員 ぼちぼちと工夫はされているんだと思うんですけれども、積極的に運動に力を入れているなとはとても思えないんです。  私、個人的なことを申し上げますと、中学校の保健体育科の教員だった経験がありまして、それで、そのときに感じたのは、小学校のときにちゃんと体育の先生がいて基本的なことを教えてくれていれば、こんなに体育嫌いとか運動が苦手だと思っちゃう子どもは出ないはずだと、それが実感としてすごくあったわけです。  中学校に来たときには、もう運動嫌いとか、体育できないとか、そうなっている子どもたちを、私はその専門だから、それを克服させるのが仕事でしたから、一生懸命指導して、何人もできるようになったという喜びを味あわせてきた経験がありますけれども、小学校のうちにやってくれていれば、体は軽いし、運動技術を習得する才能も小学校のときのほうが力が大きいと思いますから、もっといいのにな、すごくもったいないなというふうに思ってきたわけです。  それで、できれば、本当だったら体育専科の教員が小学校にいるべきだと思うんですが、配置せよというのは恐らく難しいと思うので、例えば体育が得意な担任の先生がいたら、その先生がほかのクラスも見て、教科の交換とか、何かしら工夫はできないのかなとすごく思うんですけれども、その辺はいかがでしょうか。 ◎小島 教育指導課長 小学校におきましては、教員が全科の授業をしておりますけれども、区立の小学校では、体育の授業を複数の学級で合同で行うなどの指導体制を工夫しながら体育の授業の充実に努めております。  また、世小研の体育部等も、その辺の体育が得意でない人でも十分できるような指導資料をつくったり、工夫を重ねておりますので、それを充実させていきたいというふうに考えてございます。 ◆田中優子 委員 合同体育みたいな授業をやっているということは、ちょっと希望が持てるかなと思ったんですが、ぜひたくさんある小学校にできることを広げていっていただいて、子どもの体力づくりにもうちょっと世田谷区でも着目して進めていただきたいと思います。よろしくお願いします。  以上でせたがや政策会議の質問を終わります。 ○小畑敏雄 委員長 以上でせたがや政策会議の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○小畑敏雄 委員長 引き続き、社会民主党、どうぞ。 ◆唐沢としみ 委員 早速質問に入ります。  改正された教育基本法では、新たに教育の目標が示されたり、学校教育法ではこれまで小学校と中学校の教育目標が別々に定められていたものが、小中学校の教育目標について、義務制普通教育の段階として一本化した義務教育の目標が定められたりしております。  中央教育審議会において審議、答申された新しい学習指導要領でも、今までの生きる力をはぐくむという理念は引き継がれ、その理念を実現するために、基礎的、基本的な知識、技能の習得や確かな学力を確立するために必要な授業時数の確保などが改訂のポイントとして示されております。これらの法令の改正や学習指導要領の改訂は、今後の我が国の学校教育と教育行政にとって大変大きな意味を持つものであると考えております。  しかしながら、教育は人なりという言葉があるように、学校における教育は、日々子どもたちに接している学校の教師によって行われるものであります。たとえ法令や学習指導要領にどんなにすばらしい教育の理念が述べられても、これらを学校において教師が日々子どもと接することを通して教育を行っていかなければ、その理念を実現することも難しいのではないかと私は考えます。  そこで、早速、学校において教師が子どもに直接対応できる時間を十分に確保すべきであるという観点からお尋ねいたします。  ある公立中学校の教師がこんなことを言っております。今の学校は余りにも忙し過ぎる。本当に必要なのかどうか、そのことが疑問に思えるような事務の仕事がますます多くなっている。事務に忙殺され、そして教師と生徒との間に対話がなくなれば、現場は必ず荒れていく。  私はこれは大きな問題だと思います。現に文部科学省が平成十八年に行った教員の勤務実態調査でも、先生が大変忙しいという結果が報告されております。  そこで、まず、区はこの問題をどのように認識しているのか、お伺いいたします。 ◎小島 教育指導課長 平成十八年度に文部科学省が義務教育段階における教員の給与体系のあり方を検討するに当たり、給与水準及び諸調整額の見直しのための検討材料として、教員の残業時間や持ち帰り時間を中心とした労働時間及び勤務実態を明らかにすることを目的として、小中学校教員の勤務実態調査が実施されました。  報告書の中では、小中学校では平均でおおむね二時間前後の残業をしていること、残業時間については、成績処理や授業準備などを行っていることなどが指摘されておりますが、国において、給与体系のあり方等の検討材料とされているものというふうに認識しております。 ◆唐沢としみ 委員 教師が忙しいのにはいろいろな原因があると思います。簡単な解決策があるわけではないと思いますが、しかし、問題を放置して教育ビジョンの実現がおぼつかないということも事実です。  教師がもっと子どもと向かい合える時間を確保するためには、積極的に学校を支援していく必要があると思いますが、何かお考えはあるでしょうか。 ◎小島 教育指導課長 日々の教育活動の中で教員が子どもたちと時間を共有し、共感的な心で子どもたちに寄り添い、子どもたちと温かな人間関係を深めていくことは、すべての教育活動の基盤であります。教員は、授業だけではなくて、休み時間や放課後、給食や清掃の時間など、子どもたちが登校してから下校するまで、できる限り子どもたちとともに過ごすようにしております。  このため、区教育委員会では、放課後の補習のための講師や部活動の外部指導員を配置するなど、教員を支援する仕組みを整えております。  また、区立の小中学校の教員に一人一台の校務用パソコンを配置する計画を進め、校務の効率化を図るなど、教員が一人一人の子どもたちとより向き合う時間を確保するために積極的に取り組んでまいります。 ◆唐沢としみ 委員 ぜひとも現場の意見をよく聞いて、実情を把握し、工夫を凝らして、教師が子どもと接する時間を十分確保できるようにしてほしいと思います。  次に、教育ビジョン第二期行動計画に関して伺います。  教育の情報化の推進についてでありますが、現代社会はまさに情報社会でありまして、私たちがなれ親しんだいわゆるラジオ・テレビ社会から、情報技術の進歩とともに、インターネットや携帯電話などの情報通信機器が身近になり、だれもが利用できる環境へと進展しております。その一方で、それがゆえに、情報機器を悪用した事件や事故が多発していることも事実です。  したがって、このような情報社会の中にあって、これからの情報社会に巣立っていく子どもたちにとって、情報の見きわめや活用の仕方など、情報に関する教育が不可欠になってきているという指摘が多くあるわけであります。  そこでお伺いいたします。教育ビジョンの第二期行動計画にも、教育の情報化の推進として、校務のICT化の推進、教室のICT環境の整備、情報教育とICTを活用した授業の推進の三つの年次別行動計画が掲げられているわけですが、具体的にどのような手順で進めようとしているのか伺っておきたいと思います。 ◎霜村 教育総務課長 今お話しのとおり、ビジョンの第二期行動計画の中に、三つの行動計画として、教育の情報化の推進というものを掲げさせていただいております。このビジョンの計画を具体的に、計画的、効率的、効果的に進めるために、ただいま詳細な教育の情報化推進計画といったものの策定を進めておるところでございます。  こういう情報化というものを効果的に進めていくためには、やはりパソコンや校内LANなどの機器の整備と、それから、それを教育活動に活用できる教職員の人材育成あるいはその教育内容の充実と、この二つの両面が欠かせないということでございます。  そこで、推進計画では、機器の配置とあわせまして、教員研修あるいは教材開発、研究校の設置、さらには各校での校内の推進体制の整備など総合的な視点に立ちまして、ハード、ソフトを一体的にいたしまして、学校の情報化を進めたいというふうに考えております。  一方、今お話しの中にもありましたけれども、例えば個人情報の保護であったり、セキュリティー対策などにも万全を期さないといけないということであったり、情報モラル教育なども重要な課題ですので、こちらも同時に充実してまいります。  最新の機器を順次整備していくとともに、新しい機器やそういった学校の情報環境を教職員が効率的かつ安全に活用することで教育の質を高めてまいりたいと考えております。 ◆唐沢としみ 委員 財政的な負担の問題もあろうかと思いますが、子どもの成長過程には不可欠な取り組みだと思いますので、ぜひとも着実に推進していただきたいと思います。  そこで、校務処理環境の改善というお話があったわけです。学校現場の声として、校務に追われて、なかなか子どもと向かい合う時間がないということをよく耳にするわけでありますが、私は、学校生活や学校での学習の基本は、教師は子どもの個性を理解し、そして、子どもからの信頼を受けながら授業や学校活動を行うことであると考えております。そのためにも、校務処理を効率的に行い、ゆとりを持って子どもと向き合う環境を整えることが大切になってきております。  職場環境や子どもの教育環境の改善の視点からしても、ぜひとも計画どおりに進めていただきたいと思いますが、校務のICT化の推進についてお考えをお伺いします。 ◎霜村 教育総務課長 委員ご指摘の観点に立ちまして校務の情報化にはこれまでも努力をしてまいりました。  平成九年度に、まず、校務用のパソコンといったものを小学校に一台、中学校に二台導入したことに始まりまして、順次拡充を行いまして、現在は、平成十六年度からですけれども、教員二人に一台体制というふうになっております。  さらに、今年度からは一人一台化に取り組みまして、十九年度に中学校、そして二十年度には小学校に導入するための予算を計上させていただいております。  お話しのとおり、教職員が事務作業などに手間をとられ過ぎることなく、子どもと向き合う時間をより確保していく必要性が指摘されておりますので、こうしたICT、情報機器などを活用して校務を効率化することも課題解決の一つにつながるということで努力してまいりたいと考えております。  先ほども触れましたけれども、一方ではセキュリティー対策といったものも重要な課題と考えております。校務の情報化の上からも、改めまして、こういう安全な環境というものを構築してまいります。今後とも、現場の知恵や工夫を生かしながら、効率的で安全安心な情報化を計画的に進めてまいります。 ◆唐沢としみ 委員 次に、子どもの自然体験活動について伺いますが、科学技術の進歩に伴って、いわゆる物質的な豊かさが蔓延する中で、次代を担う子どもたちが自然に触れ、さまざまな自然体験をし、自然と人間との共存の重要性を理解していくための教育が強く求められております。  昨年改正された学校教育法では、その教育目標の中で、自然体験活動を促進して命や自然を尊重する精神、環境保全に寄与する態度などを養うということの大切さがうたわれております。私は、こうした教育目標は時代を反映したものと受けとめておりますが、いずれにしても、子どもたちが大自然の中に身を置いて、自然の雄大さに触れて、そして畏敬の念を持つことや生命のとうとさを体感することもとても大事であります。  そういう中から学ぶ機会をつくる必要があるわけですが、環境破壊への歯どめが全世界の責務として要求されている中で、子どもたちの自然体験活動は、自然が生きていることや自然を大事にする心などを体感することはもちろん、自然環境を守り育てていくことの大切さを学ぶ絶好の機会であると思います。  そこで伺いますが、区の教育ビジョンの第二期行動計画の中に自然体験学習の推進ということを挙げて区の取り組みの姿勢が示されておりますが、学校教育において、子どもの自然体験学習の現状と、どのように取り組もうとしているのか、お伺いいたします。
    ◎菅井 学務課長 世田谷区では、現在、小学校五年生が群馬県の川場村で、また、中学校二年生が山梨県の富士河口湖町において、それぞれ二泊三日の移動教室を実施しております。  移動教室では、それぞれの自然環境の中での活動を通して自然に対する理解と関心を高めることや、豊かな感性や知的好奇心、探究心をはぐくむこと、また、宿泊をともにした活動を通して、社会性や協調性、連帯感を身につけることなどを目的に実施しているところであります。  特に川場移動教室につきましては、児童にとって宿泊を伴う初めての学校行事となりますけれども、都会での生活では体験できない登山や農作業体験、村めぐりなどの昼間活動のほかに、飯ごう炊さん、キャンプファイア、懐中電灯を頼りに歩くナイトハイクといった夜間活動なども、自然体験の中で友達と過ごす集団活動、集団生活は貴重な体験の場というふうになってございます。  一部改正された学校教育法等におきましても、小学校における自然体験活動の充実が求められておりますので、児童にとってより心に残る自然体験学習となるよう取り組みを進めていきたいというふうに考えております。 ◆唐沢としみ 委員 小学校と中学校の川場と河口湖ですか、そういう経験は、子どもたちにとっては自然に触れる貴重な場であり、また、思い出の一つになると思います。大変いい機会だと思いますが、これが六年と三年の中で一回、一回と、非常に短いような感じがするけれども、そうした機会をできるだけ区の中でできればいいなというふうに思います。  区でも身近なところで自然を活用した自然体験遊び場事業などもしており、その辺は評価できますが、さらに加えて、多摩川の近くにも、緑豊かな国分寺崖線の中に青年の家もあるわけであります。  こうしたところで、今までの学習体験を深めていくということも考えられますので、その辺の利用なんかについてお伺いいたします。 ◎古閑 生涯学習・地域・学校連携課長 お話にありました青年の家でございますけれども、利用状況を申し上げますと、七、八月の夏休みなどの学校の長期休業期間は予約でいっぱいになっております。  ただ、長期休業以外の期間の平日はあきがあるなど、ちょっと繁忙期と閑散期とがあるような状況でございます。 ◆唐沢としみ 委員 非常に利用されているということでありますので、ぜひともこういった制度を都会の中で大いに利用するような形で学べる環境づくりを広めていただきたいと思います。  そのためのPRや、また、子どもの自然体験の施設と位置づけて、ぜひとも公共施設整備計画の中でも重点的に論議していただきたいことを強く要望して、以上で質問を終わります。 ○小畑敏雄 委員長 以上で社会民主党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○小畑敏雄 委員長 引き続き、無党派市民、どうぞ。 ◆木下泰之 委員 きょうは、小中学校の耐震調査秘匿の問題についてお尋ねします。  平成十七年度と十八年度に世田谷区内の小中学校の耐震調査が済んでいたわけですけれども、これに対して、私もこの議会で何度か、それはオープンにすべきだと、Is値についてもオープンにすべきだということを申し上げてきましたが、かたくなに区はそれを拒んでまいりました。  そして、平成十八年十月と平成十九年六月には、共産党さんのほうから情報開示請求も出ていたはずです。ところが、それについても一切拒んできた。  そして、混乱を生じさせるから開示できないと、そういうことでしたが、昨年十二月に行革一一〇番の後藤さんが、これはマスコミに言われたので開示がどうなっているのか問い合わせたところ、開示をしていないと。驚いて、後藤さんは平成二年十一月に開示請求をして、裁判まで起こした。それで開示されたと。そういう追及を受けて初めて十九年十二月に開示をしたということです。  これは事実としてはいかがですか。 ◎工藤 施設課長 これまでの経過につきまして、個別の学校の耐震データの公表については控えてまいりました。昨年末にIs値公表をして説明してきたという経緯がございます。それが事実でございます。  現在のところ、各学校の教職員、保護者とも、こうしたことにつきまして正確にご理解をいただいていると思っております。 ◆木下泰之 委員 だから、平成二年十一月に裁判にまでなっていて、これは裁判のときに答弁書を出して、区のほうが開示してしまった。だから裁判は取り下げられて、それで済んだわけですね。  ということは、つまり、情報開示請求によって情報開示をされたわけですよ。にもかかわらず、ほかの二件の請求について拒否をした。議会でも何度も開示せよと言っているのに、それを拒否した。そのことについて教育長は責任を感じておりませんか。いかがですか。 ◎工藤 施設課長 これまで、区教育委員会では耐震化を進めてきました。特に安全安心を最優先に掲げる熊本区長になってからは、これまで、子どもたちが大切な時間を過ごす場所だけでなく、避難所ということを全庁挙げて取り組んでいます。  これまで控えてきた理由につきましては、一つに、状況に応じて耐震化計画を策定している途中では、学校や関係機関との調整が最優先であったということ、そして、耐震化計画が定まっていないことから、それを述べることは不安を持たれるという懸念があるためでございます。 ◆木下泰之 委員 いいですか、これはただ単に情報開示の問題だけじゃない。つまり、平成十八年一月二十五日に法律が改正されていますよね。それで、法律が改正された後に、建築物の耐震診断及び耐震改修の促進を図るための基本的な方針というのが国土交通省から出ていて、その中で情報開示することを要求しているんですよ。  つまり、建築物の耐震改修の促進に関する法律第四条に、「国土交通大臣は、建築物の耐震診断及び耐震改修の促進を図るための基本的な方針を定めなければならない。」となっていて、それに基づいて定めた指針があるわけですね。  その指針の中で、「具体的には、国及び地方公共団体は、各施設の耐震診断を速やかに行い、耐震性に係るリストを作成及び公表するとともに、整備目標及び整備プログラムの策定等を行い、計画的かつ重点的な耐震化の促進に積極的に取り組むべきである。」と、そういう指針が出ているんですよ。これに違反していますよね。いかがですか。教育長に聞いているんですよ。責任者に。 ◎工藤 施設課長 これにつきましては、先ほど申しましたけれども、個別の具体の耐震化計画を策定している途中では調整が最優先であったということ、そして、耐震化計画が定まっていないところで個別の情報が出ると不安を持たれるということから、このたび十九年度末に公表いたしました。  その理由としましては、十九年度で順調に進んでいること、それから、二十一年までのめどが見えてきたこと、そして、耐震化計画につきましてはスケジュールを組んでいること、こうしたことから発表いたしました。 ◎若林 教育次長 学校の耐震診断の個別結果について、今ご指摘のように、公開、それから一定期間の非公開、それで今回公開という経緯があったということについてはおっしゃるとおりだと思います。  平成十六年の議会で、新しい診断調査による現状として、九十五校中四十五校は耐震化が確保できているけれども、こういう計画はまだ今後取り組みたいという答弁を申し上げたと思います。  その後、一連の計画を策定してまいりました。九十五校中四十五校がそうでございました。(「そんなこと聞いているんじゃないですよ、法律に違反しているでしょうと聞いているんだよ」と呼ぶ者あり) ○小畑敏雄 委員長 続けてどうぞ。 ◎若林 教育次長 こういう経緯の中で、私どもの内部で、課長も含めていろいろ相談をして、学校ともいろいろ相談する中で、今後とにかくこれをもう公表していこうと、一連の中で学校にもご心配をおかけしたことについては、いろいろ説明をさせていただいてまいりました。 ◆木下泰之 委員 いいですか、平成二年十一月の開示について、十九年十二月に後藤さんから言われるまで、この情報については知っていましたか。いかがですか。 ◎若林 教育次長 平成二年の開示のことについては、事務引き継ぎの中で承知をしておりました。 ◆木下泰之 委員 つまり、既に開示されたものについて非開示にした、これは非常に不誠実だ。それから、法律にも違反している。そういったことについては、教育長がやはり責任をちゃんと語るべきですよ。  ほかの特定建築物については、区はそれについて改善命令もしなければいけない。  それで、これをオープンにして、地域住民と一緒にきちっと議論していかなければいけないとまで指針の中で言っているんですよ。そういう中で、それを秘匿にしてきたことの責任は重いですよ。  梅中なんかはIs値が〇・二ですよ。うちのすぐ近くだよ。ひどいところでは〇・一二だ。これは防災問題についてだって、非常に命にかかわってくるわけですよ。そういったことについてずっと秘匿してきた。それから、行政上も非常に不誠実な態度をとってきた。そのことについては責任問題です。 ○小畑敏雄 委員長 以上で無党派市民の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○小畑敏雄 委員長 引き続き、レインボー世田谷、どうぞ。 ◆上川あや 委員 初めに、学校給食の食品安全について取り上げたいと思います。  昨年十月十二日の決算質疑で、私からは、大型回遊魚など、含まれている有機水銀のレベルが国際的な安全基準から見て高い食品があるにもかかわらず、学校給食で意に介さず使われているといった問題を取り上げました。  教育委員会のご答弁では、魚種によってメチル水銀を含む量に差があるとした上で、保健所等と連絡をとりながら広く情報収集を図り、栄養職員等に対して、水銀の危険性も含めた情報提供をしていきたいといった前向きなご答弁でありました。  子どもの食の安全は大人の責任でもありますので、きょうはまず、その後の進展について確認をしたいと思いました。前回の質疑から半年近くが経過しましたが、その後の状況はいかがでしょうか。ご報告をお願いいたします。 ◎岡本 学校健康推進課長 委員お話しのメチル水銀対策ということで、昨年の決算特別委員会でご質問いただきました。  その終了後に実施いたしました栄養職員を対象とした学校栄養職員連絡協議会担当者会及び調理職員を対象とした学校調理職員連絡会において、ご質問いただいた内容の趣旨であるとか答弁の内容について周知してまいったところです。  その中では、注意喚起を図るとともに、保健所等からの情報収集に努め、今後もさらに情報提供していくことを伝えてまいったところです。 ◆上川あや 委員 ご答弁を伺った限りでは一通りのご説明をいただいたようには聞こえるんですけれども、せんだって、直接所管に確認させていただいたところ、その内容はまだまだ心もとないなというのが私の正直な感想でした。  そもそも有機水銀の神経毒性がどの年代にどれだけ危険であるのかといった肝心な情報が伝えられておりませんでしたし、食物連鎖の上位にある魚により多くの水銀が蓄積するといった基本のメカニズムも伝えられてはいないようです。加えて、危険が指摘されている具体的な魚種というものも伝えていませんで、海外でどれだけ厳しい安全基準があるのかといったことも情報としてはなかったんですね。  これでは、何をどう判断するべきであるのか、また、区としてその危険性を回避する要請を行っているのかどうかすら怪しいんじゃないかという気がどうしてもしてしまうんです。議会で指摘されたので注意をしていきましょうというだけでは、もしものときの言いわけには確かに使えても、実効性があるとは思えないんですね。  私も、魚全体の食というものを否定するつもりは毛頭ありません。非常に良質なたんぱく源ですし、むしろ多くの魚は積極的にとってもいいくらいだと思うんです。ただ、魚介類にメチル水銀が含まれているということは事実ですし、また、一部の魚で神経毒であるメチル水銀が高い濃度で検出されているということも科学的には事実です。  ですので、国際的に見て非常に規制の緩い日本ですら、厚生労働省が妊婦に対してその危険リスクを注意喚起しているのですから、保護者が注意喚起の対象層として、身近にいる学校現場で正確な知識がないようでは困ると思うんです。  有機水銀の問題は、食育の一つとしても重要な問題の一つだと私は思うんですけれども、この辺はいかがでしょうか。 ◎岡本 学校健康推進課長 先ほどの連絡会等で説明をした内容でございますが、その中では、メカジキやキンメダイ、それから鯨などの大型で捕食性の高い魚につきましては、比較的メチル水銀を多く含んでいるというようなことであるとか、摂取した場合においても、すべて体内に蓄積されるわけではない。一定程度の量が排出されるといった面もあわせて、大型の魚類の使用頻度について注意喚起をしてまいったところです。 ◆上川あや 委員 せんだってお伺いしたときに課長がお答えになったのは、魚種の指定などはしていないということをはっきりおっしゃっていたので、今答弁が突然変わっているのが私にはよくわからないんですけれども、いずれにしても、情報提供はしっかりとしていただかないと困るんですね。  予防原則に立って対処していただきたいというのが私の質問の趣旨でありました。そういった意味では、栄養士それぞれの判断に任せるというのではなくて、区として一定の方針なりお考えをいただくということがしかるべき対応ではないのかなということを思っていたんですが、この点について一言お願いいたします。 ◎岡本 学校健康推進課長 事前の説明が十分でなかったことをおわび申し上げます。  委員今おっしゃいましたことにつきまして、我が国を初めとした諸外国の対応状況について、魚種やその摂取量、摂取する間隔など、それぞれ差異があることにつきましては認識しております。  その中で、現在、学校給食で魚を使う間隔や量というものは、我が国の、先ほどお話しいただきました妊婦への魚介類の摂食と水銀に関する注意事項、これは厚生労働省が作成したものでございますが、それに示されている摂取の目安よりも低いものではありますが、こういった情報も踏まえて、連絡会であるとか、今後採用される栄養職員などについても情報提供しながら注意喚起をしてまいりたいと思っております。 ◆上川あや 委員 いたずらに恐れる必要は確かにないんですけれども、諸外国で、その国によっては大人も含めて食べちゃいけないと言っているものを子どもに提供しているんですから、ぜひ注意をしっかり払ってお願いいたします。  話は変わりまして、図書館について一つ伺いたいと思っています。  現在、区立図書館で利用者の方が自身のパソコンを持ち込める席というのが、中央図書館に十二席、その他の地域図書館に合わせて二十七席、中央と地域を合わせて三十九席あるんだそうです。しかし、現状でその利便性はまだまだ低いんじゃないかと私は思っているんですね。  図書館の資料を用いて調査や研究をして文章などを書こうと思えば、今やパソコンというものは必須でありまして、なおかつインターネット環境にあるということは、一般的にはもう常識に近いんじゃないかと私は考えます。  平成十四年に都が行った公共施設における無線LAN、これはホットスポットとも言われますけれども、そのインターネット接続サービス実験の結果でも、図書館に対して非常にニーズが高くて、評価が高かったんですね。  今では、都立の三図書館にあわせて、荒川区、江戸川区、品川区、台東区、中野区、そして最近ですと千代田区でも無線LANというものが設置されているそうですので、世田谷区としても、こういったこともしっかり取り組んでいただきたいなと要望するんですが、いかがでしょうか。 ◎畑中 中央図書館長 委員のお話にございました図書館への無線LANスポットの敷設でございますけれども、こちらにつきましては、図書館におけるICT環境の整備といたしまして、電子政府世田谷推進計画の中でも位置づけをもちまして、平成二十年度以降、整備の検討、計画づくりを進めていく予定としているところでございます。 ◆上川あや 委員 ネット環境をつくっていただくのとあわせて、電源の整備もぜひお願いしたいんですね。昨年六月までの調査によると、二十三区中十八区でもう電源は備わっているんです。電源が切れたらそのままおしまいみたいな、サービスを限定するのではなくて、しっかり利用者の立場に立ったサービスの向上をお願いいたします。  以上、終わります。 ○小畑敏雄 委員長 以上でレインボー世田谷の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○小畑敏雄 委員長 引き続き、無所属、どうぞ。 ◆青空こうじ 委員 きょうは、学校での研究発表など、先生方がふだんから工夫を重ね、わかりやすい授業を、子どもたちの目が輝くような授業をという思いで取り組んでいることについて質問します。  私自身のことでちょっと恐縮ですが、企総で電子政府世田谷のことを話したように、ICTについては、まことに化石のような人間なので、昨年度のICT授業マイスターの研究発表を玉川中学校のふれあいホールで聞くまでは、ICTが授業にどう活用されているのか、とんと合点がいかなかったのです。  でも、一度その取り組みを見聞きすると、一気に納得度が高まりました。なるほど、日ごろの教え方が、パソコンを道具として使うとこんな感じになるんだということで、アナログ人間で、どうもパソコンは苦手でという人でも意外といけるものだと心強く思ったのですが、そのように現場で見聞きするということが一番だと思います。  私としては、今後とも学校にはどんどん行こうと思っています。どうぞよろしくお願いします。せっかくですから、皆さんも学校へは、式典だけではなく、日ごろから目を向けていただきたいなと思います。  舞台の仕事をしていると、目線が勝負になります。でも、これは舞台だけではなく、何事も同じだと思います。人は自分に向かっていろいろな目線が集まると、よりよい仕事をしようと思うのです。学校の先生も同じだと思います。私たちの目線をもっと学校に向けてあげようではありませんか。  きのうも、若林中学校の体育館で、若林中学校の卒業生のプロドラマーの堀越彰さんのジャズと和の出会いというすばらしいコンサートを見せていただきました。  教育委員会ではいろいろ発行していますが、教育のあらましを見ますと、研究開発校、研究指定校、研究奨励校、パイロット校など何種類もあります。この名称の微妙な違いは、役割が微妙に違うからだと思うのです。こうやって名前が載っている学校がどういう役割を持っているのか、教育のあらましを読んだだけでは、はっきりわかりません。  そこで、最初に伺いますが、教育委員会としては、全体としてどういう方針で指定しているのか教えてください。 ◎小島 教育指導課長 区教育委員会では、教育ビジョンに掲げた施策を推進することや当面する教育課題を研究し、教育活動の改善、充実、教員の資質向上などを図っていくことを目的として研究校やモデル校を指定しております。  教育ビジョン推進研究開発校や指定校は、教育ビジョンに掲げた施策を学校での教育活動において具現化することについて研究し、その取り組みの成果を区立小中学校の教育活動に反映させていくことをねらいとして設置しています。  また、研究奨励校は、教科や教育課題について自校で具体的な研究内容を決め、教育活動の改善、教員の資質向上、能力の向上を目的として研究実践を進めております。  こうした研究校、指定校は、区教育委員会から区立学校に研究主題や設置の趣旨を周知して募集を行い、申し込みのあった学校から指定しております。 ◆青空こうじ 委員 学校ではいろいろなことをやっていて、とにかく先生は忙しいと言われています。その上、研究などを行えば、学校の先生の負担も相当なものになると思うのです。  そこで、研究授業をやろうという前向きな気持ちに持っていくためには、具体的な効果などを示さなくてはなりません。予算も人もついて、学校全体が、よし、やってみようという心にならなくてはならないと思います。  私は、先生の世界のことはよくわかりませんが、多分、研究授業を担当することで先生自身の力量も高まるでしょうし、それを教えることで、周りの先生や学校の力量にも反映するかもしれません。でも学校、結局は子どもたちの教育に反映するということで、目に見えない価値をつくらせていくと思うのです。  そこで、次に伺いますが、さまざまな研究の成果は、例えばどう生かされているのか、もし事例がありましたら教えてください。 ◎小島 教育指導課長 例えば、平成十九年度、研究奨励校として環境教育に取り組んだ東玉川小学校では、研究実践を通して子どもたちが環境への興味や関心を広げ、自分たちが身近にできることについて自然な形で取り組んでいくことができるようになったという事実がございます。  また、情操教育の研究を行った烏山中学校や代田小学校では、合唱を中心とした活動の充実を進めたり、子どもたちが歌声を響かせ合うことで、みんなで歌っていくことの意味や価値を実感することができました。このように、研究校や指定校での研究の成果は、まず、子どもたちの姿にあらわれるものと考えております。  研究に取り組む教員は、よりよい教育実践を目指して切磋琢磨し、指導力の向上に努めておりますが、こうした子どもたちの姿にあらわれる成果をとらえることなどによって、さらに充実した研究活動、教育活動を目指していくことにつながっていくと考えております。 ◆青空こうじ 委員 たとえそういう先生が世田谷区から異動しても、それを区にとって損失とは思わないで、むしろ世田谷区の教育の広報マンになってほしいと思うのです。  ところで、このような研究の成果を具体的にどうやって広げていくのか。これまでの経験から、思ったとおりにいかなかった例、そして、うまくいった例がありましたら教えてください。 ◎小島 教育指導課長 広げた例でございますが、例えば平成十七、十八年度、キャリア教育を研究した砧中学校と九品仏小学校では、平成十八年度に研究内容をまとめて研究発表会を行うと同時に、リーフレットを配布し、その成果を広く周知しました。  また、区教育委員会が主催する研修会において研究内容やその成果を紹介したり、昨年八月に開催した教育フォーラムにおいて中学生も参加して発表したり、このような取り組みが区立小中学校のキャリア教育の充実につながっているというふうに考えております。  区教育委員会といたしましては、研究校の発表はもとより、研修会や教育フォーラム、ホームページを通した情報発信など、あらゆる方法を効果的に活用しながら、研究校や推進校などの取り組みを取り上げ、区内の学校の活動の質の向上につなげていきたいというふうに考えてございます。 ◆青空こうじ 委員 たくさんの学校がいろいろな役割分担をして、世田谷区の学校教育を引っ張っていこうとしていることがわかりましたが、それぞれの成果をもっと積極的にPRしてもいいのではないでしょうか。
     区内の小中学校の中で、この学校の、自分の学区域の中ではこういうことをやっているよという、新入生たちにもそういうことをどんどんアピールしてもいいと思うんですが、そういうことをやる考えはあるのかないのか、ちょっと教えてください。 ◎小島 教育指導課長 ビジョンの第二期行動計画にも学校PR活動の推進を位置づけております。積極的にPRしていきたいというふうに考えております。 ◆青空こうじ 委員 世田谷区は小学校六十四校、中学校では三十一校に減るということは、やっぱりもっとPRをやってもいいと思うので、ぜひその点頑張ってください。よろしくお願いします。  以上で質問を終わります。 ○小畑敏雄 委員長 以上で無所属の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○小畑敏雄 委員長 引き続き、自由民主党、どうぞ。 ◆菅沼つとむ 委員 自民党の質疑をさせていただきます。  まず最初に、十一月二十九日の定例会の区の答弁で、世田谷の城跡の文化財保護、保全に取り組んでいくとありました。どのように取り組んでいくのか、お聞かせいただきます。 ◎古閑 生涯学習・地域・学校連携課長 世田谷城跡につきましては、周辺地における建てかえ等の動きを注意深く見守りながら、必要に応じて発掘調査などを実施することにより、保護、保存の対象の範囲をまず確定させるよう取り組んでいきたいというふうに考えております。 ◆菅沼つとむ 委員 もっと積極的にお願いしたいというふうに思います。  それからまた、世田谷の城跡の観光資源と結びつけられないのか、お聞きします。 ◎古閑 生涯学習・地域・学校連携課長 世田谷城址公園周辺でございますけれども、ここには国の指定史跡となる予定の豪徳寺の彦根藩主井伊家墓所、また、国の重要文化財の大場代官屋敷を初めとしまして、松陰神社、世田谷八幡宮、吉良氏ゆかりの勝光院など、数多くの世田谷の歴史を刻む文化財が存在しております。  教育委員会では、世田谷の歴史や文化財を子どもたちが郷土を学ぶ教材として活用することも重要と考えておりますので、関係所管と連携し、散策ルートを設定するなど、さまざまな形で生かしていくよう努めてまいりたいと考えております。 ◆菅沼つとむ 委員 また、産業政策部の工業係が世田谷の観光の取りまとめと聞いております。連携していくのかお聞きします。 ◎古閑 生涯学習・地域・学校連携課長 関係する所管ともしっかり連携してまいりたいというふうに考えております。 ◆菅沼つとむ 委員 よろしくお願いします。  また、世田谷の城跡の案内等について担うボランティアの育成を取り組んでいくというふうにご答弁していますけれども、どういうふうに取り組んでいくのか、お聞かせ願います。 ◎古閑 生涯学習・地域・学校連携課長 世田谷城跡に関しましては、世田谷城跡保存会という区民の有志によるボランティアのグループも活動されていらっしゃいます。  教育委員会では、このような既存の文化財の保護活動ボランティア団体への支援のほかに、独自に文化財区民ボランティアの養成を来年度から始めることについて検討しております。 ◆菅沼つとむ 委員 検討はいいんですけれども、もうちょっと早目にできないか、課長、いかがですか。 ◎古閑 生涯学習・地域・学校連携課長 来年度の中でそういう取り組みを具体的にどうしていくか、そういう形の検討の俎上にも上げてあります。 ◆菅沼つとむ 委員 来年度からやるということでよろしいですね。  また、世田谷区で文化財として保全をしなくちゃいけないのは、駒沢の給水塔があります。駒沢給水塔の文化財としての価値を区はどのように考えているのか、お聞きします。 ◎古閑 生涯学習・地域・学校連携課長 今お話にありました駒沢の給水塔でございますけれども、これは大正十二年、一九二三年に、多摩川から現在の渋谷区まで飲料水を供給するために建造されました日本初の本格的な給水塔と聞いております。  その特徴的な外観とともに、国内の近代建築遺産として非常に貴重な歴史文化遺産と考えております。 ◆菅沼つとむ 委員 駒沢の給水塔が風景遺産に選定されたが、文化財の指定に向けて働くべきというふうに思いますけれども、その辺のご意見をいただきます。 ◎古閑 生涯学習・地域・学校連携課長 文化財の保護条例の改正によりまして、本年四月から、地域における人々の生活や生業及び地域の風土により形成された景観で人々の生活または生業の理解に欠くことのできないものが新たに文化的景観として文化財の対象になっております。  しかしながら、その指定等に関しましては、その景観を形成する建築物等のすべての所有者の同意または協力が前提となっております。  教育委員会といたしましては、このような世田谷区の貴重な歴史景観を後世に向けて保護、保存するために、既存の区民保存団体とも連携しながら、給水塔を所有する東京都に対しまして理解や協力を求めてまいりたいというふうに考えております。 ◆菅沼つとむ 委員 粘り強く協力するようにお願いしておきます。  次に、先ほど、学校をなるべく見に行ったほうがいいという他党派からの意見もありましたので、私も中里小学校を見に行きました。  なぜ見に行ったかというと、私は初めてなんですけれども、その校庭にラバーを敷いてあるということで見に行きました。お忙しいところ、校長先生がいらっしゃいまして、学校を案内していただきました。  お話を聞きますと、中里小学校も建てかえを検討しているというふうなお話を聞きまして、その中で見た私の感じだと、この校庭でよく運動会ができるなと。円をとるのが大変難しいというか、私から言わせると、中庭のちょっと大きいような校庭だというふうに感じました。  その中でラバーを敷いてあるということで、確かに土よりやわらかくて清潔感があったというふうに思っております。  当然、区のほうもラバーを張っているということで、私は初めてなので、施設課でどのように評価しているのか、お聞かせ願います。 ◎工藤 施設課長 今お話にありました中里小学校につきましては、ゴムチップによる舗装を行っているところでございます。  基本的には、お話にもありましたように、やわらかくて子どもたちのけがが少ない。雨の後すぐ使える。また、出入りの関係が上履きのままでできるということ。それから、ラインが引かれているので、体育の授業なんかの準備が早いとか、あと、雪の後すぐ使いやすいとか、そういったようなことを学校の現場のほうから聞いております。 ◆菅沼つとむ 委員 私も校長先生にラバーのお話を聞きました。確かに、転んでもラバーがありますからけがが少ないと。それから、学校関係者の方々の努力だと思うんですけれども、校庭が廊下と同じようにきれいなんですよ。だから、今の室内履きというのは運動靴みたくなっていますから、そのまま、休み時間が少なくても、少しの時間でもすぐ校庭で遊べるということを言っていましたね。  それで、この間、二月にたしか雪が降りましたけれども、そのときにすぐ雪合戦や雪だるまをつくって遊んだと。実際には、その次の日はもうふだんどおり使えていたと。普通の土の学校ですと、雪が降りますと、そこで遊びますと、どうしてもぐしゃぐしゃになって、後でメンテナンスが大変になるんですよ。その辺もうちの学校だからできたのかなというお話を聞いてきました。  また、いいことばっかりで心配なことはないですかと言ったら、やっぱりちょっと小雨が降ると、ラバーですから少し滑りやすいというようなお話をしていました。実際に先生のお話を聞きますと、これよりやわらかくて滑らないやつが一番いいんですけれどもねというお話でした。  建てかえのときには、当然地域の皆さん、学校関係者、それから父兄、PTA、さまざまな意見を聞きながら判断するというふうに思いますけれども、そういうことでよろしいんですよね、課長。 ◎工藤 施設課長 校庭の整備につきましては、お話にありました改築等に伴って、外構整備とあわせてやってまいります。  改修に当たっては、多様にかつ有効に利用できるように、学校や保護者、地域の方からさまざまなご意見をお伺いして、利用実態に合わせ、管理方法も念頭に置き、整備を進めてまいります。  今後、一部改築の設計に当たりましては、学校や保護者、地域の方々からご意見を伺いながら進めているところでございますけれども、学校の校庭のあり方について、学校の皆様方のご意見を伺いながら検討を進めてまいります。 ◆菅沼つとむ 委員 一番いいのは、もうちょっと校庭が広くなると一番いいんですけれども、こればっかりはなかなかできないかなというふうに思います。  次に行かせていただきます。  二月二十七日に、一般質問で給食の食べ残しについてお聞きしました。区立小中学校の全校で給食の食べ残しの量を継続的に測定するべきとご質問いたしました。区の答弁では、食べ残しの量を調査することは重要だとの考えをお聞きしました。  いつから行うのか、お聞かせ願います。 ◎若林 教育次長 そのときの答弁は少し足りないところがありましたので、補足をさせていただきたいと思います。  給食を行った際に、当然のことですけれども、調理に伴い、いろいろなごみというか残菜、くずも出ます。それから、いわゆる食べ残しというものも出てくる。これらを総量的に見ていくことは可能ではあるけれども、それになると廃棄物になってしまうだろうと。  今求められているのはそういうことではなくて、おいしい給食、残さない給食ということからいくと、こういう献立に対してどういうものが残るんだろうか、それを工夫するために調査をするというふうに申し上げて、これについては、当然食べた後でどういうものを食べたとかを具体的に見ていく必要がありますから、そういう手順を考えると、幾つかのモデル校のところでやらせていただきたい、こういう趣旨でご答弁を申し上げました。 ◆菅沼つとむ 委員 当然、子どもたちのためにも、残菜になっては何にもなりません。給食というのは大変楽しくて、栄養になっておいしいものです。いかに食べていただくかというのが基本だろうというふうに思います。  その中で、調理をしている人は、どこでもそうですけれども、つくったものがいかに食べられているか、それからまた、どんなものが残ってくるか。結局この料理がだめだったのか、何がだめだったか。残ってくるということは、要するに、残りものを見て、次にそれを改良して食べていただくようにするのが一つだと。  だから、今次長が言ったように食べていただくというのが基本ですけれども、それが本当にどのくらい残っているのかというものがなければ、全部食べて、給食の食べ残りがなければいいんですから、それが実際には今のところやっていないという感じが私はあります。  それから、小中学校の食べ残しの量を調査すると今次長からご答弁いただきましたけれども、具体的に量の調査はやるんですか。 ◎岡本 学校健康推進課長 残菜調査の目的は、委員おっしゃっているように、残菜の少ないおいしい給食づくりに役立てていくことというふうに考えております。そのために、残菜の総量だけでなく、季節や献立、調理方法、さまざまな面から調査することが、おいしい給食づくりに役立つものと考えてございます。  そういった意味で、残菜調査として牛乳の残量も含め、調査を進めていくというふうに考えております。 ◆菅沼つとむ 委員 食べ残しの量を調査するというお答えでしたけれども、これはどのぐらいの学校でやるの。全校でやるの。 ◎岡本 学校健康推進課長 先ほど次長が申し上げましたように、全校というよりも、その中でどういった傾向があるかということを把握していくということで、学校の規模であるとか、そういったものの中でサンプリングというような形でまずは調査を始めてみたいというふうに考えております。 ◆菅沼つとむ 委員 例えば小学校六十四校ありますよね。そして八ブロックに分かれていますよね。それをどのくらいサンプリングする予定ですか。 ◎岡本 学校健康推進課長 学校規模であるとか地域性ということもございます。その調査の具体的な学校とか、それから地域というものについては、今、学校と調整をしているところでございます。 ◆菅沼つとむ 委員 同じ食べ残しで前回ご質問したんですけれども、給食の牛乳の飲み残しが大変多いということで、調べますかというご質問をしたんですよね。そのときに、飲み残しも調べていくと。  さっきご答弁があったように調べるんですけれども、牛乳の飲み残しというのは、今、牛乳の瓶でやっているわけです。クラスごとに持っていってやりますから、実際に本数を数えれば簡単に数字が出るんですよね。別々にしなくたって、同じ食材ですけれども、牛乳とそうじゃないやつは簡単に出ると思うんですけれども、牛乳の飲み残しも同じようにいつごろから調べるのか。 ◎岡本 学校健康推進課長 先ほど申し上げましたように、残菜、残乳というものは、それぞれ料理との関係もある、季節との関係もあるというふうに考えてございますので、同じ時期に始めたいと思っています。  時期的には、来年度の早い時期ということで今考えております。 ◆菅沼つとむ 委員 例えばクラスの子どもたちに数えさせるとか、あれはもう、なくなっているか、半分残っているか、全部残っているか、三分の一残っているか、簡単にできるんですよ。一番簡単にできる理由というのは、要するに予算が要らないわけですよね。調べるだけですから。だから、その辺もしっかりやっていただきたいというふうに思います。  実際にちょこっと調べに行ったときに、大小あるんですけれども、大体四分の一強ぐらいが牛乳の飲み残しをしているというふうなお話を聞きました。大体四分の一強は残しているというのは調べたことはありますか。 ◎岡本 学校健康推進課長 具体的な割合とかそういうことについては、まだ調査はこれからということでご理解いただきたいんですが、現在各学校でどんな状況かということを伺ったところ、やはり季節によりかなり違いがあると。例えば、夏場にはのどがよく乾くので飲む。それから、冬場については、やはり冷たいということもあって残乳が多いというふうなお話は聞いております。  ただ、残乳の量につきましては、先ほど申し上げましたように、今後行う残菜調査の中で把握してまいりたいと考えております。 ◆菅沼つとむ 委員 定例会のほうでご質問したときに、牛乳を下水道に流して、それを発酵しないように大量の水で流しているというお話をするところで、答弁のほうでは、これからはなるべく水を流しているから大丈夫だよというお話があるんですけれども、実際に子どもたちに牛乳を飲んでいただきたい。結局、ほかの食材は食材として、今の小学校、中学校は大概牛乳がついているわけですよ。その中でいかに飲んでいただきたいか。  それから、逆に言うと、朝御飯を何らかの理由で食べてきていないお子さんもいるというお話を聞きました。その中で、やっぱりきちんと食べていただく。発育盛りですから、それでやっていく。  それには、きちんとした栄養士さんがいらっしゃいますから、その中で当然残菜が残らないようなことをするには、きちんとした量と本数を調べるべきだというふう思っております。  それから、その中の質問で、区の教育ビジョンの学校給食で、区立学校において地域の農家や商店から食材の購入を心がけていくということをお聞きしまして、拡大を図っていくというご答弁がありました。具体的にどうしていくのか、お聞きします。 ◎岡本 学校健康推進課長 地域のいろんな地産地消というところでは、農産物であるとか、地域商店の活用というところでお話があったと思います。  この点につきましては、今現在改訂作業を進めております学校給食の実務書であります学校給食ハンドブックの改訂にあわせまして、生産者との連携であるとか給食用物資の発注というところに、例えば地場産物については可能な限り使用するようにというような点であるとか、地域の協力を得て地域産業者を活用するなど考慮する、こういった形で実務書の中に記載して活用を目指しているところです。 ◆菅沼つとむ 委員 今お話を聞きました。それで、ちなみに、自校方式の学校というのは何校ぐらいあるのか。わからないならわからなくても別に結構ですけれども、多分、小学校六十四校、中学校が三十一校ありますから、昔よりふえて七十校を超えているというふうに思います。その辺だというふうに思っています。  それで、学校健康推進課で、自校方式の給食のメニュー、毎月こういうものが今月のメニューですよというものを各学校で配られていますよね。そういうのは毎月郵送されているんですか。 ◎岡本 学校健康推進課長 お話にありました献立につきましても、太子堂調理場で調理されている献立だけではなく、自校調理方式の小中学校からも献立表の提出を受けているところです。  提出された献立表につきましては、各校の給食実施日数を把握し、保護者の負担になじまない保存検食及びサンプル食に要する経費を各学校に食材費として予算分割するために活用しております。 ◆菅沼つとむ 委員 また、同じように、小中学校の自校給食の材料だとか、どこから買っている、値段、量だとか、そういうものも給食担当のほうには毎月来るんでしょうか。 ◎岡本 学校健康推進課長 自校方式の学校につきましては、給食費の徴収であるとか支払いにつきまして、各学校で経理処理をしております。そういった形でやっておりますので、その中身については、私どものほうでは把握してございません。 ◆菅沼つとむ 委員 今ご答弁を聞きましたら、献立表は来ると。しかし、各自校方式、小学校も含めて、何をどこから買っているか、値段も、そういうものは担当課には来ていない、そういうことですね。 ◎岡本 学校健康推進課長 そういった形では把握してございません。 ◆菅沼つとむ 委員 そうしますと、地域で地域産業の育成を含めて、農家から、商店から材料購入を拡大するということで、ハンドブックだけで拡大するのか。  実際には、自校方式の三分の二以上が何を買っているか担当課で押さえていないわけでしょう。どうやって拡大していくのか、お聞きします。 ◎岡本 学校健康推進課長 このようなハンドブックのほかに、毎年各学校に向けて、こういった地場産物、それから地元の業者さんの活用ということでは各学校に依頼しているところです。  それからまた、学校給食のそういった食材の納入につきましては、先ほど申し上げましたように、給食費をそれぞれの学校で徴収し、その中で工夫をしながら食材を仕入れていくということでおりますので、そういった中で、各学校での自主的な活用ということにお願いしているところです。 ◆菅沼つとむ 委員 基本的なことをお聞きしますが、今まで例えば給食の問題や何かが出ていたけれども、センター方式の事例でご答弁していたんですか。自校方式のほうは中身を知らないから、答弁できるわけがないですよね。その辺はどうなんですか。 ◎岡本 学校健康推進課長 センター方式、太子堂調理場につきましては、そこで使われている食材からどんな献立が出ているか、そういったものについて把握しております。また、給食費の経理につきましても、特別会計ということで、そういう状況については逐一把握しているところです。  お話にありました自校調理方式の学校につきましては、委員お話しのあった形でそれぞれの学校で自主的に経理処理をしたり、食材の仕入れ、検収ということを行っておるところです。  区教育委員会といたしましては、各学校に対して、先ほど申し上げました学校給食のハンドブックであるとか、それから各学校に対する毎年の指導、そういったことの中で、安全でおいしい給食の実施をお願いしているところです。 ◆菅沼つとむ 委員 実際に何を買ったか、幾らで買ったか、どのくらいの量が残ったかわからないで、ハンドブックでおいしい料理ができるのか。  ただ学校の栄養士に全部丸投げしておいて、実際には担当は全然チェックしていなかったんでしょう。だから、どれだけ量が残っているというのもつかんでいないわけでしょう。違うの。 ◎岡本 学校健康推進課長 おいしい給食づくりということでは、毎日の給食時間に栄養士が各クラスを巡回し、児童生徒の声を聞きながら喫食状況の確認をしたり、その中ではどんなものが残っているか、こういったことを確認しております。これは、それぞれの栄養士がその職務の中で取り組んでいることでございます。  総体的に区としてどれだけの残菜量があるか、牛乳の残量があるか、そういったことは、先ほど申し上げましたように今後調査をしていく中でその辺を把握していきたい。  また、区全体として、そういったおいしい献立づくりというところでは、栄養職員であるとか調理職員が集まって新しいメニューをつくってみるとか、そういうことに取り組んでおりますので、そういった中で、引き続き区教育委員会としても、区全体の食の安全、それからおいしい給食の実施ということに向けて取り組んでいきたいと思っております。 ◆菅沼つとむ 委員 ハンドブックだとか、その程度でやるんなら残菜なんか残らないんですよ。食べ残しは残らないんです。料理というのは、愛情を持って、子どもたちに何とか食べていただこうということでつくらない限りは、やっぱりだめなんですよ。  実際に担当の学校健康推進課が、自校方式の献立表は来ているというけれども、どのくらい買って、どのくらいの値段で、どこから買ったというのは当然つかんでおかなくちゃおかしいし、当然栄養士がいるわけだし、それから、学校にはそのお金を払っている会計もいるわけだから、区のほうはそんなに手間も何もかからないんですよ。  自校方式の学校にそれだけきちんと目を届かせる。食べ残しの量もきちんと調べなさいよと。食べ残しの量といったって、普通のバケツみたいな大きなやつは、既成のやつは大体目盛りがあるんですよ。ばっと入れれば一目でわかるようになっているんだ。
     だから、基本的にはその辺を担当課としてきちんとつかんでおくべきだと思いますが、いかがでしょうか。 ◎若林 教育次長 おいしい学校給食づくりというご指摘についてはおっしゃるとおりだと思います。ご指摘いただいた中で、やはりもっと教育委員会事務局が自校方式を含めた給食のあり方についてかかわるべきと、こういうご指摘だと思います。  その中で、経費等の権限的なことについての説明は課長が申し上げましたけれども、やはり具体の給食の中身については、学校給食の横断的な組織もありますし、栄養士のつながりもありますから、こういうことを通じて、あるいは学校健康推進課を通して、さまざまな仕組みですとか、会議体ですとか、やり方を通して、いろいろ学校や栄養士には働きかけをさせていただきたいと思います。 ◆菅沼つとむ 委員 次長からご答弁をいただいた。本当に子どもたちにいかにおいしいものをつくっていただくか、この一点なんですよ。  今までは栄養士に全部お願いしてやっていて、それで、調べればわかると思うけれども、これだけ給食の食べ残しが残っているということですから、きちんとそれをやれば、一生懸命子どもたちのためにやっているところは残らないし、つくればいいと思っているところは残るし、その辺をきちんとチェックしていただきたいというふうに思います。  いつからやるか、またお聞きします。  最後に、私の問題で簡単に。  今、世田谷みどり33について、本定例会でも多く発言されました。その中で、太陽光の発電もありましたし、世田谷区の建物に全部ソーラーシステムをつけたほうがいいんじゃないかという意見もありました。  区では一番新しいのは駒沢小学校だというふうに思いますけれども、駒沢小学校のソーラーは幾らぐらいかかっているのか、お聞きします。 ◎工藤 施設課長 設置費用としましては、約四千万円でございます。 ◆菅沼つとむ 委員 それで、駒沢小学校で電気を使う部屋数というのは幾つぐらいありますか。 ◎工藤 施設課長 電気を使う部屋というのはすべてでございますので、居室としては五十三ほどございます。 ◆菅沼つとむ 委員 駒沢小学校のソーラーは電気の何%ぐらいに当たるの。それとも何部屋ぐらいに当たるの。どちらでも結構です。 ◎工藤 施設課長 七%ぐらいというふうにデータはなっております。 ◆菅沼つとむ 委員 駒沢小学校もこの間見にいきました。屋上に大変すばらしいソーラーパネルがたくさん敷いてありました。この割には七%ということで、余り大したことないなというふうに思います。  もちろん環境問題は大事だというふうに思います。だけれども、実際には税金でございます。その費用対効果も考えてつくっていただきたいというふうに思います。  課長、いかがでしょうか。 ◎工藤 施設課長 さまざまなご意見を伺いながら進めてまいりたいと思います。 ◆菅沼つとむ 委員 私は終わります。 ◆山内彰 委員 指導要領の改訂についてお聞きいたします。  文科省が学習指導要領の改訂を公表いたしました。現行の指導要領は一般にゆとり教育と言われ、毎土曜日を休日とし、学習内容も大幅に削減するとともに、生きる力の育成を目指し、知識詰め込み型から一線を画したものとなっております。新指導要領は、ゆとり教育の反省から学習内容をふやす一方で、生きる力も視野に入れた二面的な構造を持つと言われております。  そこで、現行の指導要領と大きく変わった点はどこにあるのでしょうか、お聞きいたします。 ◎小島 教育指導課長 教育基本法の改正において義務教育の目標が定められ、その例を踏まえて、今回の学習指導要領の改訂案については、基礎的、基本的な知識、技能の習得や、知識、技能を活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力等、そして学習意欲と、この学力の三要素として新たに明示された部分がございます。  そして、委員ご指摘のように、新しい学習指導要領におきましても、生きる力というのは現行の指導要領の理念を継承しますが、それを支える確かな学力、豊かな心、健やかな体の調和のとれた育成を進めていくという基本方針が新たに明示されました。  教育内容の変更点のもう少し具体的な内容に入りますが、小中学校での授業時間数を週一時間から二時間増加し、教育内容の増加に対応するだけでなく、体験を重視する観察、実験などの学習活動の充実を図ることが挙げられております。  また、各教科の学習においても、説明、論述などの学習活動を通して言語活動の充実を図ることや、理数教育の充実、伝統や文化に関する教育などの充実という点も挙げられております。そのような点が変更点というふうに考えてございます。 ◆山内彰 委員 現行の指導要領では、この指導要領を最低基準として、これだけは教えるという大まかな基準を設けて、あとは現場にお任せする。そして、生徒の状況などを見てやっているようでしたが、世田谷では現実にそれがうまくいっていたのかどうか、お尋ねいたします。 ◎小島 教育指導課長 教育委員会としましては、学習指導要領に示された内容が最低基準であることについて、当初より各学校に指導を徹底してまいりました。  各学校におきましては、児童生徒に確実に身につけさせるとともに、児童生徒一人一人に合わせて十分に力を伸ばすために授業改善計画を立て、児童生徒の実態や学校の状況に応じた学習指導の充実に努力をしてきたところでございます。  習熟度別指導とか児童生徒一人一人に応じた指導の一層の充実のために、区独自に講師を配置して少人数教育を推進するとともに、発展的な学習や補充的な学習などを取り入れて、授業の充実を図るよう、今後も各学校に対して働きかけてまいります。 ◆山内彰 委員 今度の指導要領の改訂の中で国語というところで、「実生活で生きてはたらき、各教科等の学習の基本ともなる国語の能力を身に付けるため、言葉を通して的確に理解し、理論的に思考し表現する能力や、互いの立場や考えを尊重して言葉で伝え合う能力を育成する」「古典や近代以降の作品をはじめとした我が国の言語文化に触れて感性や情緒をはぐくみ、言語文化を享受し継承・発展させる態度を育てる」「漢字、敬語、言葉のきまりなどの指導の充実・改善を図る」となっております。  世田谷区としても、日本語特区、教科「日本語」ということでいろいろやってきて、これは本当にこの指導要領を変えさせる一助になってきたんだと思いますが、今までの方向がみんなにどう理解され、進んできたかということをお尋ねいたします。 ◎小島 教育指導課長 新しい学習指導要領の改善事項に示されています委員今ご指摘の言語活動の充実につきましては、既に区立小中学校では、美しい日本語を世田谷の学校からの取り組みとして、すべての教育活動を通して、言葉を重視する活動の充実を図ってきているところです。  また、伝統や文化に関する教育につきましては、教科「日本語」の中で、日本の文化や伝統を理解し、大切にする児童生徒の育成のねらいを位置づけ、体験も含めて学ぶことができるような学習活動を進めております。  さらに、授業時数の増加につきましては、中学校長会の要望のもとに、夏季休業日――夏休みを短くして授業日数をふやしてまいりました。  今回の学習指導要領の改訂の趣旨は世田谷区の方向と一致しており、自信を持って教育ビジョン第二期行動計画において区立学校の教育活動の一層の充実に取り組んでいきたいというふうに考えております。 ◆山内彰 委員 本当に大変力強いお言葉、ありがとうございます。  しかし、主要授業がかなりふえます。そして、土曜日休みということは変わらないんですが、これに対応していくのは大変だと思うんですけれども、その辺はどうお考えでしょうか。 ◎小島 教育指導課長 委員ご指摘のように、今回の改訂案では、小中学校での授業時数を週一時間から二時間増加するというふうになっております。このことにより、教員一人当たりの授業時数もふえるものというふうに考えられます。  区教育委員会といたしましては、児童生徒の実態や学校の状況などを踏まえて、区立小中学校における教育課程の基本的な枠組みについても検討し、各学校の校内体制づくりなど、さまざまな方策をもって対応し、新学習指導要領への移行を円滑に進めていくように考えてまいりたいとしているところでございます。 ◆山内彰 委員 授業ももちろん大切なんですが、やはり学校の生活の中で授業以外のことも、例えば朝の読書活動とか、そういうものに多分影響が出てくると思うんですが、現状を考えて、今後どう対応していくか教えてください。 ◎小島 教育指導課長 現在、区立の中学校では全校で、また、多くの区立小学校において朝の読書活動を実施しております。学校からは、朝の読書活動を通して一日の生活のリズムをつくることができた、あるいは、集中して物事に取り組む姿勢が見られるようになったなど、読書習慣を培うことにつながっているという成果が上がっているという声が寄せられております。  言語活動の充実、学習指導要領に示されている改善事項の重点でもありますが、これも各学校の実態なども踏まえて、朝読書のよさを大切にしながら、区立小中学校の新しい教育課程の枠組みにつきましても検討を進めていきたいというふうに考えております。 ◆山内彰 委員 政府は、学校や図書館などで児童生徒の読書環境を整える子どもの読書活動の推進に関する基本計画の改定を閣議決定したと。基本計画は〇一年度末の子ども読書活動推進法施行を受け、〇二年八月に初めて策定、おおむね五年とした、計画期間の経過を受けて今回見直しをしたと。  基本計画のこれまでの成果として、全都道府県で読書推進計画が定められ、全校一斉の読書活動を実施する小中学校が〇二年からの四年間で七四%から八四%にふえた。しかし、依然として地域間の取り組みの差が顕著になっているので、このために、改正基本計画では、市町村推進計画の策定のほか、司書教諭を配置する義務のない十一学級以下の学校にも置くということになっていると聞いています。  先ほどの読書活動のことを考えると、何か国の中で整合性に疑問を感じてきているんですけれども、その辺はどうお考えでしょうか。 ◎小島 教育指導課長 世田谷区におきましては、現在ほとんどの学校に図書館司書教諭を配置しております。十二学級以上が義務になっているんですけれども、十二学級に満たない学校もできるだけということで、まだ全校には達していないんですが、配置を努力しているところです。  委員ご指摘のように、図書館の司書教諭は、年間指導計画をもとに調べる活動を支えることができるよう準備し、児童生徒の興味関心や発達段階に応じた読書活動の充実を図るなどの役割があります。  今回の学習指導要領ではこの読書も大切にしておりまして、時数増と、それから読書を大切にするということを、どちらも大切にしながら教育活動ができるように検討を重ねていきたいというふうに考えてございます。 ◆山内彰 委員 図書館、そして読書ということは、やはり基本となりますので、これからも力強く推し進めていっていただきたいと思います。  次に、子どもの手習いについてお伺いいたします。  小さいときからいろいろ体で覚えるということは、そのことを忘れない、身につくということをよく言われています。例えば手話なんかを小学校のころ、このころ多分歌に合わせて手話をやっているのもあると思いますし、また、英語なんかも、早いうちから取りかかるということがより効果があると伺っていますが、その点ではどうお考えでしょうか。 ◎小島 教育指導課長 子どものときから動作を交えて学んでいくことは、大変意味があることというふうに考えております。体育や音楽などの実技教科はもとより、算数の授業などにおきましても、具体物を用いて活動によって感覚を豊かにしていくというようなことも、その後の学習に効果的というふうに考えております。  こうした活動につきましては、子どもたちの発達段階や学習のねらい、内容などに応じて効果的に取り入れていくことが大切ではないかというふうに考えております。 ◆山内彰 委員 次に、ALTについてお尋ねいたします。  昨年、駅前留学のNOVAと本区が契約して、講師の派遣を依頼していたようですが、破産などにより、ほかのところに変えて継続していると聞いております。今後どのように活用してくか、お聞かせください。 ◎小島 教育指導課長 小学校の英語活動におきましては、英語を用いてコミュニケーションを図る楽しさを体験することや英語の音声やリズムなどになれ親しみ、日本語との違いを知り、言葉のおもしろさや豊かさに気づくことを大切にしております。  また、日本と外国との生活、習慣、行事などの違いを知り、多様な物の見方や考え方があることに気づくことも指導内容に取り上げられております。  こうしたねらいを達成するために、区教育委員会では、区立小中学校にALT、アシスタント・ランゲージ・ティーチャーを派遣し、表現活動や会話、ゲームなどの活動を行っております。  区教育委員会といたしましては、新しい学習指導要領において、小学校高学年に英語活動が取り入れられることが確実視されているところから、ALTの派遣を含めた各学校への支援を今後も充実していきたいというふうに考えております。 ◆山内彰 委員 語学についても、先ほどの手話ではないですが、早い時期から取り組むことが必要ですし、この新指導要領でも、先ほど答えたとおり、小学校五年生から外国語を一こま、三十五時間ずつ取り入れていくということがありますが、それを想定してALTとどう整合させていくか、その辺のことについてお聞きいたします。 ◎小島 教育指導課長 委員ご指摘のように、新しい学習指導要領では、小学校五年生、六年生に週一時間、外国語の活動、英語活動が入れられるというように報道されており、確実視されているところです。  これは、内容としては、英語を用いてのコミュニケーションを図ることの楽しさや体験など、異なる文化を持つ人々との交流を考えているわけですけれども、どのように指導体制を組んでいくかということは、ALTの活用も含めまして、今後区立小中学校九年間を見通したカリキュラムや教材の検討を行っていく中で、この英語活動についても具体的な内容について検討を進めていきたいというふうに考えております。 ◆山内彰 委員 小学校の教員の半数以上は外国語活動に不安を感じているということが報道されていました。  小学校の教科については、先ほども他会派の方からお話があったとおり、技術教科であったら、やはりその担当、専門が当たるということが一番いいんではないかと私は考えておりますし、仙台市では、昨年度から十一の小学校で教科担任制を導入しているということをお聞きしました。  そうすると、五、六年生が非常勤の講師とか、自分の担任もそうかもしれませんけれども、教科によって人がかわる。そうなると、中学校に入ってからの中一ギャップというのがありますけれども、そういうものも解消してくるんだと思うんですよね。  先ほどの外国語の英語なんていうのも、小学校の教員が苦しんでいるということなので、その辺のことはどう考えているでしょうか。 ◎小島 教育指導課長 まず、英語活動への教員の不安という側面から申し上げますが、国では、小学校での英語活動の導入に当たって、児童や教員を対象としたテキストを開発し、配布、それから、指導者養成のための研修を行う予定になっています。東京都においても、小学校教員に英語に係る教員研修の実施が予定されております。  こうした研修に区立小学校の教員を参加させることに加えて、区教育委員会としましては、英語活動の具体的な内容の検討とあわせて、教員の研修を初めとする英語活動の円滑な導入と効果的な実施に向けた方策を検討してまいりたいと思います。 ◆山内彰 委員 次に、エコ学校教育についてお尋ねいたします。  環境省の推奨する学校エコ改修への関心が高まっている。学校の施設を環境に配慮して改修しながら地域ぐるみで環境教育を進める試みで、二〇〇五年度に事業が始まってから全国で十六の学校がモデル校として選ばれており、来年度は新たに十九校の予算を要求しているとのことです。  世田谷区でも、学校耐震改修、改築の際に太陽光発電、屋上緑化などに努めていますが、このような学校エコ改修の事業のことについては考えていなかったんでしょうか。 ◎工藤 施設課長 学校エコ事業につきましては、環境省で進める事業で、地球温暖化を防ぐためのハード事業と、こうした整備を利用して、学校や地域とが協力して、環境教育や環境建築技術の地域への普及といったソフト事業を一体的に進めようとするものでございます。  区は、これまで、同じ環境省の事業であるエコスクールのパイロットモデル事業の認定を受け、全面改築を行った八幡山小学校や駒沢小学校で、学校の特色に合わせた環境に配慮した整備を行ってまいりました。  また、これらの学校では、環境委員の児童が屋上緑化、雨水利用、リサイクル、太陽光発電を調査し、学校委員会で報告するなどの活動をしております。  今後は、一部改築校や改修工事の中でも、条件が整えば、学校や地域とも相談しながら、学校エコ改修事業を進めてまいりたいと思っております。 ◆山内彰 委員 このことは、学校だけでなく地域も巻き込んでいくことが非常に大事だということは、校庭の芝生化についてもそうだと思うんですけれども、その辺のことをきちっと進めていくことが必要じゃないかなと私は思っています。  そして、去年ですが、ビックサイトで環境展をちょっと見学したんですが、その際に、中古の太陽光パネルを再利用して、またそれを生かしていくということで、二〇一一年には五千件の太陽光発電パネルの中古が発生するということです。  パネルの寿命は四十年、五十年と言われていますし、そのパネルをつくること自体に大量の電気が使われるということなども聞いていますので、これを学校の教育現場で生かすことができないかと考えているんですけれども、いかがでしょうか。 ◎工藤 施設課長 太陽光パネルを学校の屋上に設置する取り組みは、今年度末の状況で、駒沢小学校で三十キロワット、赤堤小学校で十キロワット規模のパネルを二校で導入したところでございます。  太陽光パネルにつきましては、平成十八年度より設置したばかりでございますが、標準設計指針・標準仕様書でも採用するということにしておりますので、これから本格的に導入を図っていきたいと考えております。  中古の太陽光パネルを扱う事業者も市場参入してきているという状況の中で、有効活用を図れないかとのご質問でございます。  私どもとしましては、詳細をわかっていない点もありますので、実績等につきまして、関係者に問い合わせをしてまいりたいというふうに考えております。 ◆山内彰 委員 中古のパネルなんですけれども、それとチャージコントローラーとインバーターを利用することによって、直流の十二ボルトを使っての学習もできるし、また、犬小屋とか飼育小屋の上にパネルを置いて、その電気を利用するということもできますし、理科の実験というのもその一つじゃないかなと思います。ぜひ検討してみていただいて、そんなに値段は高くないということなので、ちょっと考える価値があるんじゃないかなと私は思っていますので、よろしくお願いします。  次に、グランという雑誌があって、江戸しぐさということがここに書かれていたので、ちょっと最後の時間に読ませていただきます。  江戸の道に歩道はなく、歩行者、駕籠、荷車が行き来していました。道路の七割は公道として、自分たちが歩くのは道の端三割と了解していた「七三歩き」。どんなに狭くても、真ん中は急ぎの人や荷を運ぶ車のための通り道というわけです。雨や雪が降れば、往来ですれ違うときに、相手も自分も傘を人のいない外側に傾ける「傘かしげ」。雨なぞ降っていなくても、人とすれ違いの際には、右肩や右腕を後ろに引き互いにぶつからないように配慮する「肩引き」。渡し舟では、後から乗ってきた客のために、こぶし分だけ腰を浮かせて席をつめる「こぶし腰浮かせ」と、現在でも大いに学ぶべき公衆マナーが「往来しぐさ」として伝わっているのです。  しかし、この「往来しぐさ」は「稚児しぐさ」。つまり、江戸の町なら子どものときに身につけておくべきマナーです。  江戸の商家の養育法は、「三つ心、六つ躾、九つ言葉、文十二、理十五で末きまる」といわれました。三つまでには心を育て、六つまでには、しつけの中で我慢を覚える。これは親をはじめ周囲の大人が自分たちの日々の言葉や行動から、子どもに見取り見習わせたものです。九つまでには、どんな人にも失礼のない言葉使いができるようになり、十二の頃には注文書や請求書のひと通りも書けるようにせよ、十五までには世の中の仕組みを理解できるよう鍛えよということ。武士の元服も十五歳あたりなので、もう大人の仲間入りです。  江戸の社会は、一言で言えば大人の社会です。平和な日々は自分たちで守っていくという危機感を持ち、それを実現するルールとして「江戸しぐさ」を実践していたのが江戸っ子です。こんな一文があります。  「江戸っ子とは、進歩的な人間主義者で、和をもって良しとなし、誰とでもつき合い、新人をいびらず、権力にこびず、人の非を突くときは、下を責めず上を突き、外を飾らず中身を濃く、という思想を持った人である」 とされています。  このことを見まして、私自身どこまでできるかわかりませんが、初等教育といいますか、教育の中には、この江戸しぐさの根本がやはり必要じゃないかなと感じました。  以上で終わります。 ○小畑敏雄 委員長 議事の都合により、ここでしばらく休憩し、再開後、自由民主党の質疑を続行させていただきますので、ご了承願います。  それでは、休憩いたします。     午後零時二分休憩    ――――――――――――――――――     午後零時五十六分開議 ○小畑敏雄 委員長 休憩前に引き続き、自由民主党の質疑を再開いたします。  自由民主党、どうぞ。
    ◆鈴木昌二 委員 午前中に引き続き、自民党の質問を続けます。  私は、世田谷のスポーツ関連について何点かお尋ねしてまいります。  まず、来年度の組織改正ですが、基本的な考え方として、一つには、国の法改正等に対応するためにスポーツ部門が区長部局に移されるわけですが、目的とねらいをまずお伺いいたします。 ◎小松 スポーツ振興課長 組織改正の目的でございますが、地方教育行政の組織及び運営に関する法律が改正されまして、教育委員会の所管であったスポーツに関する事務事業を区長部局に移管することが可能となったこと。それから、区民が身近な地域で気軽に生涯にわたってスポーツやレクリエーション活動に親しめる環境づくりをより一層進めることであります。  さらに、スポーツにおける区民ニーズの多様化にこたえるために、スポーツ振興を総合的、一体的にとらえまして、区全体でスポーツ施策に取り組んでいくことでございます。 ◆鈴木昌二 委員 そうしますと、教育委員会におけるスポーツの位置づけ、何が残るか。義務教育の中のスポーツが残るとは思うんですが、いかがですか。 ◎小松 スポーツ振興課長 基本的には、スポーツの事務事業全体が移管されることになりますが、小学校のスポーツ教室や中学校の部活動など、学校の教育活動に密接にかかわる事務につきましては教育委員会所管となります。 ◆鈴木昌二 委員 スポーツ振興を進める上で大切なことは、学校、スポーツ団体や地域との連携であります。今までは、ある部分、教育委員会が主体となって行い、逆に区長部局が足らないところを補ってきたと思います。  これまでも、スポーツ事業を進める上で、学校と地域やさまざまなスポーツ団体との関係をつくりながら取り組まれてきました。今回の組織改正によって役割分担が変わり、窓口がばらばらになるのではないかと危惧しておりますが、いかがでしょうか。 ◎小松 スポーツ振興課長 学校や地域などとの連携につきましては、スポーツ振興担当部スポーツ振興課が窓口になりまして、スポーツ関連事業を持つ庁内関係所管連絡会議の設置を初め、スポーツ振興課長教育委員会事務局副参事を兼務し、教育委員会や学校等との密接な連絡調整を図りながら、横断的に取り組ませていただきたいと思います。 ◆鈴木昌二 委員 ぜひ十分な連携のもとに進めていっていただきたいと思います。  次に、オリンピックの招致活動ですが、区としてのお考えをまずお伺いいたします。 ◎小松 スポーツ振興課長 現在策定中の世田谷区スポーツ振興計画第二期年次計画におきまして、競技力の向上を目指し、ジュニア層まで視野に入れた競技団体と連携した事業を充実していくこととしております。  今後、東京オリンピック招致活動を視野に入れた区民のスポーツへの機運をますます高めていくよう、地域スポーツの普及とスポーツ振興に取り組んでいきたいというふうに考えております。 ◆鈴木昌二 委員 来年の選定を期待したいと思います。  次に、平成二十五年開催予定の第六十八回東京国体、多摩国体についてお伺いいたします。  まず、改めて国体の概要といいますか、内容についてお聞きいたします。 ◎小松 スポーツ振興課長 国民体育大会は、スポーツ振興法に基づきまして、広く国民にスポーツを普及し、スポーツ精神を高揚して、国民の健康増進と体力の向上を図り、あわせまして、地方のスポーツの振興と地方文化の発展に寄与することを目的に、各都道府県を代表する選手の方々によりまして繰り広げられる国内最大のスポーツの祭典でございます。  東京開催におきましては、昭和二十四年開催の第四回大会、昭和三十四年開催の第十四回大会に続きまして、平成二十五年開催で第三回目となります。 ◆鈴木昌二 委員 世田谷で行われる競技種目は、テニスとソフトテニスの二競技を実施することで大体内定していると聞いているんですが、今後の日程についてお伺いしたいと思います。 ◎小松 スポーツ振興課長 現在開催中の都議会におきまして、東京都における開催が決議される予定でございます。来年度以降、準備計画の策定等を進める運びとなっております。  さらに、平成二十四年度には本大会と同じ規模のリハーサル大会を予定し、平成二十五年、東京国体開催の日程となっております。 ◆鈴木昌二 委員 その国体に当たり、また再度お聞きしますが、教育委員会としてはどのように対応していかれるのか、お聞きいたします。 ◎小松 スポーツ振興課長 世田谷区は硬式テニスとソフトテニスの二競技を担当する予定です。開催に係る準備計画の策定から施設整備、当日の運営までのすべての業務を行うことになります。  東京で開催するという機会をとらえまして、スポーツ活動に取り組む機運を高めていき、区民の方々が世代を越えてスポーツに親しみ、感動を共有できる魅力あふれるスポーツ振興を展開してまいりたいと考えております。 ◆鈴木昌二 委員 ぜひ国体機運を盛り上げていただき、子どもたちに希望を与えるような大会運営を望んでおります。  引き続きまして、午前中に他会派の委員からも質問がありました子どもの体力についてお伺いいたします。  最近の子どもたちの様子を見ていると、大変心配なことがあります。ここ数十年間の社会環境の急激な変化、特にインターネットの普及による高度情報化によって生活が大変便利になりました。  便利になるということは大変よいことであり、例えば、インターネットで注文すれば、身近な生活用品でさえ自宅に届けてくれるようになりました。買い物に行くのに不自由な方や大変忙しい方などにはとても好評であると聞いております。  その一方で、家のお手伝いで近所のお店に買い物に出かける子どもの姿を見かけなくなりましたし、また、放課後、地域の公園で遊んでいる子どもたちの姿も余り見かけなくなりました。  走る、投げる、跳ぶなどといった基礎的な運動感覚が身についておらず、運動を楽しむことができない子どもたちもふえてきていると聞いております。買い物に出かければ、歩いたり走ったりもしますし、場合によっては重い荷物を持つこともあります。また、外で友達と元気よく遊ぶことができれば、子どもたちは楽しみながら自然に体力を身につけることができます。  体力は、人間が活動する上ですべての源であるとともに、意欲や気力、根気などにも深く関係しており、人間の発達や成長を支える基盤でもあると言えます。  そこでまず、世田谷の子どもたちの体力の現状についてお伺いいたします。 ◎小島 教育指導課長 東京都の体力テストの調査結果を見ますと、反復横跳びなど一部の調査項目で向上傾向が見られるものの、全国より低い傾向にあり、また、全年齢で、日常的に運動、スポーツを行っている人と行っていない人の体力テストの結果に差が見られるなどの傾向が指摘されています。  世田谷区におきましても、長期的に見ますと、国や東京都と同様に低下傾向にあり、子どもの体力を向上させることは、引き続き重要な課題であると認識しております。 ◆鈴木昌二 委員 子どもの体力の向上を考えますと、学校教育の中で体育の授業が果たすべき役割は大変重要であると言えます。体育の時間はすべての子どもたちにひとしく運動する機会を与え、子どもたちの体力づくりに直接大きな影響を与えていると考えますが、いかがでしょうか。  例えば、新しい学校指導要領の授業時数は現行のものより大幅にふえており、体育の授業についても国語や算数と同様に増加しています。また、小学校の一年生から体力を高めるための運動が新たに導入されるとも聞いております。  私は、単に体育の授業がふえたからといって、子どもの体力が急激に向上するとは思いません。重要なことは、体育の授業の内容を充実させることであり、増加する授業時間を含めて、毎時間、子どもが夢中になって運動に取り組めるような授業を展開するなど、質の高い授業を各学校で実現させることであると考えるわけであります。  そこで、区教育委員会として、新しい学習指導要領の趣旨を踏まえ、子どもの体力の向上にどのように取り組むのかを再度お伺いいたします。 ◎小島 教育指導課長 新しい学習指導要領の体育の時間につきましては、小学校一年生から四年生まで、各十五時間程度の増加が予定されております。学校におきましては、これらの増加する時間を含めた一時間一時間の授業を充実させることが、まず大切であると考えます。  区教育委員会では、健康教育・体力づくりを教育ビジョンに位置づけ、研究校を指定するとともに、区立学校のすぐれた実践をもとに、体育指導資料集、別名授業お助けブックと呼んでおりますが、これを作成し、すべての小学校の担任の教師に配付したり、実技研修会を実施したりするなどして、体育の授業の質の向上を図っております。  また、新しい学習指導要領では、体力を高めることをねらいとする体つくり運動が小学校一年生から新たに導入されます。区教育委員会では、その趣旨や内容の周知に努め、体つくり運動が効果的に実施されるように取り組んでまいります。  さらに、総合型地域スポーツクラブの展開や家庭への啓発なども進め、子どもの体力向上に向けた取り組みの充実を図っていきたいというふうに考えております。 ◆鈴木昌二 委員 次に、関連いたしまして、小学校のスポーツ教室についてお伺いいたします。  区立小学校のスポーツ教室は、スポーツセンター校として昭和四十三年から実施されている長い歴史を持っております。全校規模で実施されたのは、たしか昭和六十年ごろと記憶しております。現在も、各小学校がそれぞれに何らかの形でスポーツ教室を実施されていると思います。  まず、区立小学校においてスポーツ教室を実施するに至った経緯と目的、現状をお知らせ願いたいと思います。 ◎小松 スポーツ振興課長 委員のお話しのとおり、昭和四十三年度に区立小学校十八校をスポーツセンター校に指定したのが始まりでございます。その後、昭和六十年度から、四年生以上の児童を対象に小学校スポーツ教室を開設することになりました。  スポーツ教室の目的でございますが、基本的には三つございまして、一つは、学校授業の課外でのスポーツ活動を奨励して心身の健康な児童の育成を図ること、二つ目は、スポーツ活動においてリーダーとしての役割を担う児童を育成すること、三つ目としまして、好きなスポーツにできるだけ親しむ機会をたくさんつくりまして、生涯学習の基礎としていくことでございます。  このスポーツ教室の種目といたしましては、サッカー、バレーボール、バスケットボールなどで、スポーツ活動を通しまして、児童の体力向上と忍耐力を養うとともに、児童の健全育成を図ることとして始められたものでございます。 ◆鈴木昌二 委員 私も小学校のスポーツ教室を開設するに当たっていろいろな意見や提案を申し上げた記憶があります。今なお、お話のような形で存続しているということは、大変意義深いことと感じております。また、子どもたちの体力づくりに大いに貢献しているものと思います。  また、スポーツ教室を実施するに当たって、その当時、指導書といいますか、手引をつくった記憶があります。その内容について、いま一度お知らせ願いたいと思います。 ◎小松 スポーツ振興課長 小学校スポーツ教室指導の手引は、児童がスポーツ競技ごとの基礎的な技能を培い、体力の向上を図り、相互に協力して練習やゲームを行うとともに、健康や安全に留意して運動を行う態度、習慣を養うことをねらいとした内容となっております。 ◆鈴木昌二 委員 おのおのの小学校で行っているスポーツ教室は、学校と児童の保護者や地域のボランティアによって運営されていると聞いております。子どもたちが安全にスポーツに親しみ、楽しくスポーツ活動が展開され、心身の健全な発達を望んでおりますが、指導するに当たって、安心安全の視点からも、この手引書が重要な役割を持っていると思います。  今後どのように活用されますか。 ◎小松 スポーツ振興課長 スポーツ教室にかかわる活動は、スポーツを通しての喜びや楽しさを体験するとともに、仲間との連帯や友情を育て、協調性や創造性などをはぐくみ、地域社会を築いていく上でも貴重な場であると認識しております。  各学校におきましては、子どもたちの発達段階や実態に即した指導計画を作成するなど、スポーツ教室指導の手引を十分に活用してスポーツ活動を展開しております。今後とも、安全安心に留意して、より充実したスポーツ活動を推進してまいりたいと考えております。 ◆鈴木昌二 委員 ぜひスポーツ教室が、子どもたちの健全育成に取り組むとともに、安全な環境のもとに続けていただきたいと思います。  また、その当時、その指導書は社会教育のスポーツ登録団体にも配ったと記憶しております。ぜひ再発行して、子どもの育成に十分役立てていただきたいと思います。  次に、スポーツ活動における安全対策についてお伺いいたします。  区長は、日ごろから、元気な世田谷、スポーツの世田谷を区内外に発信しております。また、区では、世田谷区スポーツ振興計画の第二期年次計画を取りまとめており、現在、計画を確定する段階と聞いております。  計画の中で、先ほどお伺いいたしました子どもの体力向上のほか、成人の週一回以上のスポーツ実施率の向上や区内五地域に総合型地域スポーツクラブを設立するという三つの目標を引き続き掲げております。そうした取り組みを進めることにより、区民が生涯を通じて身近な地域で気軽にスポーツレクリエーションに親しみ、楽しむことができる生涯スポーツ社会を実現しようとするものです。  しかしながら、その一方で、拡大するスポーツレクリエーション活動に対するリスクの問題が心配されます。つまり、スポーツレクリエーション活動につきものであるけがや事故といった問題です。  昨年九月の本会議における我が党からの総合型地域スポーツクラブにおける事故と保険の関係についての質問に対しまして、区からは、万一の事故に備え、それぞれのクラブの判断で、賠償責任に加え、けがなども補償されるスポーツ安全保険に加入しているとの答弁がありました。  それでは、一個人の保険加入は別といたしまして、一般のスポーツレクリエーション活動団体はどうなのでしょうか。また、スポーツ振興財団が行う各種教室や事業はどうなのでしょうか。お尋ねいたします。 ◎小松 スポーツ振興課長 一般のスポーツレクリエーション活動団体についても、総合型地域スポーツクラブと同様に、個別の判断によりまして、スポーツ安全保険などにご加入いただくべきものと考えておりますが、団体として加入している例もございます。  スポーツ振興課には、毎年、財団法人スポーツ安全協会よりスポーツ安全保険の案内が届いております。窓口や電話などでご案内しておりまして、スポーツ安全保険のパンフレットや申込書などを渡しております。  また、スポーツ振興財団が行う各種教室や事業につきましては、基本的にはその教室や事業全体で傷害保険等に加入しております。今後とも、事故防止や安全対策に取り組んでいただき、スポーツ活動を推進してまいりたいと思います。 ◆鈴木昌二 委員 この賠償責任の問題は、私がちょうど社会教育――三十年ぐらい前になりますが、津の事件というのがありまして、お母様がボランティアで子どもたちを川に連れていって、流してしまった。それが刑事事件になった。刑事事件になると、ボランティアでやっていたのが、一つの生活もできなくなる。そうしているうちに、五十年代に東久留米市で、ボランティア団体に市が肩がわりした賠償責任というのがありました。  そして、世田谷区はいち早く、社会教育の登録団体だったら、区が肩がわりした賠償責任というのを少なくとも二、三年前まで加入していたと思うんですね。この二、三年前から、区が賠償責任を補償するというんじゃなくて、財団法人スポーツ安全協会よりのスポーツ安全保険の案内を配るとか、個々の責任においてしてくれと、こういうのがあります。  それはそれでいいんですが、いろいろなスポーツ団体に聞きますと、そのPRが実に足らないような気がします。もう少しPRして安全策を考えたらいかがなものかと思いますが、どうでしょうか。 ◎小松 スポーツ振興課長 安心してスポーツ活動ができるように、引き続き事故防止安全対策に取り組んでいただくよう促していきたいと思っております。  また、さまざまな機会をとらえまして、PRに努めてまいりたいというふうに考えております。 ◆鈴木昌二 委員 ぜひよろしくお願いいたします。  安全対策の保険という話をしてきましたけれども、あくまでもけがや事故の補償という部分でありまして、その前段階の課題といいますか、事故が起きた直後の処置が大切なわけであります。  私も消防団員でありますし、救命の感覚であります。最近では、AEDにつきましては大分一般的になってきておりますので、細かい説明はいたしませんが、平成十六年七月から一般の人も使用できるようになり、区の施設におきましても、第一庁舎や第二庁舎を初め、各出張所や地区会館、小中学校、児童館など二百二十カ所に設置されております。  先ほどお話ししたようにといいますか、心臓がとまって五分以内に処置をしないと亡くなるということもありますし、救急車は平均で大体六分と聞いております。事故が起きたときに、心臓がとまったときにいち早く動かなければ、その生命が戻ってきません。  そこでお伺いしたいのが、同じスポーツ施設である二子玉川緑地運動場でございます。そこの管理事務所にAEDは設置されているんですが、この緑地運動場は横に長いわけですね。上流の球技場、ラグビー場に至ると、管理事務所から九百メートルから一キロ近く離れているわけです。  そうした場合、事故発生直後五、六分が勝負というときに、そのAEDをどのようなことですぐ処置ができるかということを物すごく危惧しております。いかがでしょうか。 ◎小松 スポーツ振興課長 二子玉川緑地運動場でございますが、委員のお話しのとおり、多摩川に沿いまして全長約一・三キロほどの施設となっております。運動場内の移動につきましては、日常的にはミニバイクを使用し、安全対策、それから施設維持管理面から日々定期的に巡回しております。  また、管理事務所にAEDを設置しておりまして、緊急の場合は、いつでもミニバイクで管理事務所から駆けつけられる体制をとっております。 ◆鈴木昌二 委員 今のお答えですと、ミニバイクですぐ駆けつけるというんですが、一キロとかそういう遠いところに、また、用意してすぐ行くならば、ぎりぎり間に合うような気がしますが、連絡が来て、またそのバイクで飛んでいって、効果はどうかな。それでしたら、もう少し近いところに設置したほうが有効だと考えます。  例えば、駐車場の入り口に小屋が設置してありますが、その小屋は平日は無人ですが、土日祭日は人がおります。その間だけでもAEDを設置することができれば、近くの野球、サッカー、そのときに有効にすぐ使えると思うんですが、いかがですか。 ◎小松 スポーツ振興課長 二子玉川緑地運動場管理事務所に設置しておりますAEDは、運動場施設だけではなく、近隣にお住まいの方々にもご利用いただけるよう周知しております。  しかし、AEDの多摩川の河川敷への設置につきましては、管理方法などの課題がございます。委員お話しのことにつきましても、今後の課題とさせていただきたいというふうに思います。 ◆鈴木昌二 委員 ぜひ前向きに検討していただければと思います。  また、要望ですが、二子玉川緑地運動場は余り日陰がないところですから、夏なんかは熱中症にかからないかとすごく心配するわけです。そういうようなテントなど、何か対応を図っていってもらいたいと思っております。  今後とも、子どもたちから高齢者まで、もちろん障害者の方も含めて、区として生涯スポーツに力を入れていただき、区民の健康維持、体力の向上に力強く進めていただくことを強く要望させていただき、自民党の質問を終わらせていただきます。 ○小畑敏雄 委員長 以上で自由民主党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○小畑敏雄 委員長 引き続き、公明党、どうぞ。 ◆岡本のぶ子 委員 ただいまから公明党の予算質疑に入らせていただきます。  ノーベル物理学賞を受賞したアルベルト・アインシュタインの言葉に、教育とは、学校で習ったすべてのことを忘れてしまった後に自分の中に残るものをいう。そして、その力を社会が直面する諸問題の解決に役立たせるべく、みずから考え、行動できる人間をつくること、それが教育の目的と言えようとあります。  急激な少子高齢化社会を迎えている日本社会において、国民一人一人がお互いに支え合いながら運用してきた医療保険制度や年金制度にさまざまな課題が浮上し、ここ数年陰りが見えてきております。  国では、この制度の存続に向けてさまざまな模索が進められております。ただ、一方で、今の子どもたちが成長したときに、社会保障の必要性への認識がないと、その制度の重要性よりも、義務感や負担感が募り、麗しい地域社会の形成ができなくなってくるのではないかという懸念があります。  そこで、子どもの教育という視点に立ち、社会保障に関する教育の必要性について区がどのように認識されているのか、お考えをお伺いします。 ◎小島 教育指導課長 医療保険制度や年金制度などの社会保障制度は、すべての国民がその趣旨について理解することが必要だと考えます。  そのためには、学校においても、発達段階に応じて、社会保障制度を子どもたちが自分自身の問題であるととらえることができるように指導していくことが大切と考えております。 ◆岡本のぶ子 委員 今、小学校、中学校の教育現場では、どのように社会保障に関して授業を進めているのでしょうか。具体的に何の科目で何時間くらいされているか、また、指導要領ではどのように取り組むことになっているか、お伺いします。 ◎小島 教育指導課長 小学校では、第六学年の社会科において国民生活に関することについて学習し、その中で、すべての人が安心して暮らせる社会や制度ということについて学習しております。  中学校では、三年生の社会科公民的分野におきまして、国民生活と福祉の向上を図るために国や地方公共団体が果たしている役割について考えさせ、その中で社会保障の充実について取り上げることとなっています。
     中学校の場合、世田谷区で使用している教科書では、社会保障制度がすべての国民に一定の生活水準を保障しようとするものであることや、社会保険、公的扶助、社会福祉、公衆衛生・医療の四つの柱があることなど、社会保障に関する基本的な内容について、一時間から二時間程度の授業を行っております。 ◆岡本のぶ子 委員 二日ほど前のニュースで、日本の高校生が日本の地理を余り覚えていないという実態調査の結果が報道されておりました。その中で、宮崎県の認知度が低いということを取り上げながら、そこで東国原知事が、これは宮崎県の認知度が低い問題というよりも、学力の問題だとおっしゃっていたんです。  これは卑近な例ではありますけれども、私も、小学生のころ、社会科の授業が余り好きではありませんでした。年間降水量や河川の数、綿花や農産物の収穫量など、数値を覚えることに重点が置かれていた授業の影響からか、日本の地図を開いても興味が引かれず、なかなか日本地図を覚えることができませんでした。  ところが、高校に進学し、海外生活をされた世界史の先生から臨場感たっぷりの海外での体験を通した授業を受けたことがきっかけで、世界史もさることながら、日本よりも広い世界地図のほうを先に覚えることができました。  子どもというのは、ちょっとしたきっかけで興味をそそられ、夢を創造し、ぱあっと学ぶ意欲に目覚めることができるのではないでしょうか。  先ほど、社会保障に関する教育の必要性の答弁をいただきましたが、教科書を開くだけの授業では、真に伝えるべきことがきちんと伝わるのか不安を感じます。  先日、ゲストティーチャーとして、社会保障に関するさまざまな知識や専門的な経験を有する方が小学校を訪れ、臨場感たっぷりに授業をしたところ、小学生の子どもたちが、社会で支え合う仕組みの大切さとその心を学べたという率直な感想を書いてくれ、その反応のよさに感動したとのことでした。  このように、社会保障に関するさまざまな知識や専門的な経験を有する方をゲストティーチャーとして招いた場合の教育上の効果に関して、区の見解をお伺いします。 ◎小島 教育指導課長 例えば、キャリア教育における中学校の職場体験など、学校ではさまざまな機会を通じて、地域の方々などのご協力をいただいた学習活動を推進しております。委員ご指摘のように、特に専門的な内容については、実際に専門家の方に授業に参画していただくことによって、それが子どもにとって有効であるというような事実をこちらも認識しております。  各学校では、児童生徒の実態や指導計画に基づきまして、指導する内容に即して専門的な知識や豊富なご経験のある方をゲストティーチャーとしてお招きするなど、体験的な学習活動の実施についてさまざま工夫しており、区教育委員会といたしましても、今後ともより一層充実について各学校に働きかけてまいりたいと、そのように考えております。 ◆岡本のぶ子 委員 現在、世田谷区では、外部人材を活用した教育活動支援プログラムがあると聞いています。このシステムの中に、社会保障にかかわる授業のプログラムを入れてはどうかと思いますが、いかがでしょうか。 ◎古閑 生涯学習・地域・学校連携課長 今委員のお話にありました教育活動支援プログラムは、さまざまな分野の専門的な知識や経験を有する地域または企業の方がゲストティーチャーとして授業を行う等の学習支援の実績を、インターネットを通じて区立の小中学校へ情報提供するとともに、また、授業等での活用を希望する学校との連絡調整等も担うシステムでございます。  現在、プログラムには、例えばユニバーサルデザインとは何かとか、または情報化社会を生きる、または緑の事業など、福祉、情報、環境、健康、スポーツ等、多様な分野のプログラムが約三十件ほど蓄積されております。社会保障制度にかかわる学習プログラムにつきましても、今後充実していくべき重要な分野と考えております。  学校における実際の取り組み等を踏まえまして、プログラムを充実していきたいと考えております。 ◆岡本のぶ子 委員 私も二十三年間サラリーマンをしてまいりまして、ただお給料から天引きで厚生年金ですとか医療保険等が引かれてきたという中で、余り社会を支えているんだという意識よりも、何か引かれていく寂しさのほうだけが募っていたという経験がございますので、ぜひ、幼い心に支え合う心の大切さを教えていけるような教育を進めていただければと思います。  次に、第一回定例会において、生きる力を受け取ることができる図書館改革を提案させていただきましたが、その際のご答弁に、今後二年間の図書館のあり方検討に、鳥取県の取り組みを参考に勉強していくとございました。本日は、さらなる参考材料を鳥取県の取り組みから取り上げ、本区として、今後の区立図書館が目指す姿について質問させていただきます。  二月に私は鳥取県立図書館を視察し、館長を初め、職員の方々が生き生きと図書館の使命を果たすためにさまざまな取り組みをされている姿に感動しました。  また、図書館長と懇談した際、館長より、まさか指定管理者制度を世田谷区さんは導入していないですよね、図書館にはなじみませんよと言われました。不勉強だった私には、その言葉の意味がのみ込めませんでした。  その後、知の地域づくり、知的立国という政策目標を掲げて公共図書館の振興に尽力された片山元鳥取県知事の図書館問題研究会第五十三回全国大会の基調講演を読み進めるうちに、その言葉の意味を理解することができました。  まず、指定管理者制度の導入に関して、これまでも議会で行政改革の方策として何度か取り上げられておりますが、片山元県知事の基調講演では、鳥取県が図書館運営には指定管理者制度がなじまないという点に関して、次のように述べられておりますので、まず、ご紹介させていただきます。  単に本があって、それを利用者に貸し出す、返してもらうということだったら多分なじむかもしれませんが、そうではない。深い知識とある程度の経験を持ったスタッフがいて、そこで資料相談、いわゆるレファレンスという知的サービスを提供する。それには蓄積が必要で、三年に一回ずつスタッフがころころかわる可能性があるということでは、知的サービスをきちんと提供するには難しい。  また、いろいろな当面する今日的な課題を提示しての取り組みをしてほしいと契約のオーナーである知事が思っても、決められた経費で決められたやり方でアウトソースしてしまったら、それは契約範疇外だから契約変更しなくてはならないことになり、指定管理していく意味が余りないということです。  私は、実際に鳥取県立図書館に足を運び、図書館が利用者の側に立ったタイムリーなサービスを展開するたゆまぬ取り組みを目の当たりにし、また、この基調講演を読み、なるほどと思わずにいられませんでした。  もちろん、この発言は、鳥取県として確かなビジョンを持ち、徹底的に図書館改革に取り組んできたからこその発言かとは思います。  今後、区立図書館のあり方を検討する中でさまざまな意見も出てくると思いますが、公共図書館というものにアウトソースがなじまないというこの考えに関して、現時点での区の見解をお伺いします。 ◎畑中 中央図書館長 今のご指摘の指定管理者制度を初めとしまして、図書館業務の民間活力の導入につきましては、特別区におきましても、既に数区が導入を図っておるところでございます。区におきましても、経堂図書館において一部業務の委託を既に実施しております。  今後二年間に、地域の学習拠点といたしましての図書館はどのようであるべきかを検討してまいることとしておりますけれども、その中では、図書館の機能を効果的に発揮する運営方法につきましても、先進的な事例も参考にしながら検討してまいりたいと考えております。 ◆岡本のぶ子 委員 実は、鳥取県では指定管理者制度を否定しているわけではなく、他の分野でなじむものには取り入れているとのことでした。  また、図書館に指定管理者制度を導入しないからといって行政改革を進めないわけではなく、鳥取県では行政改革の一環として、まず、図書館を本庁化していました。従来は教育委員会のある課の出先機関だったそうですが、教育委員会事務局の中で教育長に直結する組織にしたそうです。  予算要求から何から全部図書館長と職員たちで説明責任を果たすようにし、要らないものは要らないとスリム化し、できるだけ安く調達するなど、行政改革に取り組んできたそうです。  今後の図書館の行政改革の取り組みとして、鳥取県のような図書館の本庁化に関する本区の見解をお伺いします。 ◎畑中 中央図書館長 世田谷区立の図書館につきましても、組織的には、私、中央図書館長教育委員会事務局の管理職でございますので、鳥取県と同様に予算の要求や計画の策定などの権限を与えられております。今後ビジョンを策定していくに当たりましても、その責任を果たすように努めてまいりたいと考えております。 ◆岡本のぶ子 委員 ただいまの答弁で、予算策定の権限を世田谷の図書館も早くも既に獲得されていたとのことです。あとは住民サービスをどこまで進めるのかというやる気の問題かとも思いますので、ぜひ改革へ向けた積極的な取り組みをお願いいたします。  次に、鳥取県立図書館では、図書館のミッション、使命を、利用者や潜在的利用者、市民の皆さんの自立支援と決め、館長から職員に至るまで、そのミッションに従った取り組みをしています。  ここで、ちょっと字が小さいので申しわけないんですけれども、私が感動したんですが、ここに書いてあるものは鳥取県の取り組みとしての姿勢です。  図書館って何のため。趣味、娯楽だけ、暇つぶしにいいところ、無料の貸し本屋――違います。図書館は、暮らし、仕事に役立つところです。打って出る図書館、このように掲げられていまして、打って出る図書館。今までの図書館ではなくて、お客様を待ってはいません。積極的に出て、さまざまな団体と連携して、さまざまな事業に取り組んでいます。すべての取り組みのバックボーン、それが県立図書館のミッション、使命です。  そのように書かれながら、知の地域づくりのための人材育成、人づくりに貢献せよ。図書館は個人の自立、地域の自立、産業の自立を支援します。図書館は知の拠点です、このように書かれておりました。  私も、この打って出るという表現がすごいなと思ったわけですけれども、この打って出る図書館という姿勢に関してどのような感想を持たれたか、率直なご意見、区としての見解をお伺いいたします。 ◎畑中 中央図書館長 委員ご指摘の打って出る図書館についてでございます。  図書館に所蔵されている資料を必要とされる区民の皆様にご利用いたくための積極的な情報発信、こちらは極めて重要であるというふうに認識しております。  お話しの鳥取県立図書館、あるいは近くは都立の図書館などで、生きる上でのさまざまな問題解決の糸口を求めて来館されるお客様のために、トラブルや悩みの解決の参考になりそうな図書のコーナーを設けたり、あるいはブックリストを配布したりして、図書館利用の促進に効果が上がっていると聞いております。  区立図書館におきましても、こういった試みを取り入れるために、環境学習展などの開催に合わせた環境保護やリサイクル活動に関するブックリストの配布、あるいは新入職員向けのビジネスマナー関連のブックリストを作成し、配布したりしております。  二十年度におきましても、こうした取り組みをより一層進めるために、関連の展示本コーナーの拡充、あるいはテーマ別ブックリストの作成など、情報を発信する機会をふやしまして、こうした取り組みを充実させていきたいというふうに考えております。 ◆岡本のぶ子 委員 今の打って出る図書館という姿勢が、実はホームページでも、世田谷区の区立図書館のホームページと鳥取県立図書館のホームページを見比べますと、すごく顕著にあらわれておりました。  鳥取県のホームページを見ますと、本が生き生きと踊っているように見えるようなホームページでして、本の絵はどこにもかいていないんですけれども、(「本の絵はかいてない」と呼ぶ者あり)本の絵はかいてないんですけれども、本当に本を読んでくださいというような、すべてがNEW、NEW、NEW、三月何日更新というような。  世田谷区のホームページを見ますと、どこのページもすべて同じ画面で、何も踊っていないというか、心引かれるものがなかった。  活字文化をこれから本当にさらに発展させなきゃいけないというこのときに、やはり文字で訴えるホームページですので、もうちょっと生き生きとしたホームページの工夫をお願いできればと思います。  次に、先ほど館長のほうからもお話がありましたが、自立支援ということで、鳥取県が法情報サービスの取り組みをしておりました。  その一つで、その仕組みを、これはまたちょっと小さいので申しわけないんですけれども、ほとんど見えないかもしれない。こちらにあるんですが、法情報サービス。  これはインターネットにそのまま載っていまして、どういったことをやっているかといいますと、日常生活におけるさまざまなトラブルの対応、判例や法令を調べたいとき、司法制度に関する疑問など、法に関するあらゆる情報を提供します、このようにうたわれていまして、日常生活でのお困り事、生活、仕事、相続問題、土地問題、消費トラブルなどに関する資料をそろえています、このようにうたわれているんです。  それで、ホームページの中を見ますと、そこには十三項目にわたるトラブル解消のためのマップがついております。  これは私が現地でいただいてきたんですけれども、そのマップの中に、これは多重債務というマップで、この多重債務のところを見ていきますと、ここには、多重債務・ヤミ金融対応マニュアルは、この図書館の何番のところに行けばとれますよとか、また、インターネットのサイトでいうと、改正貸金業法・多重債務者対策、金融庁のはインターネットでやればここで見られますよですとか、さまざま出ておりまして、どんどん見ていくと、新聞でこの関連情報、いろいろな記事が載っていますとか、判例があります。最後には、県内での相談機関は消費生活センターがありますよと、そこまで丁寧に案内されておりまして、それで、ここに図書館の全体の中で番号が振られて、この番号のところに行けばあなたが欲しい資料は手にとれますと。  ただ、それでもわからなかったら、レファレンスサービスがありますから、そこにいらしてくださいということがうたわれていまして、本当にドメスティックバイオレンスで悩んでいる方だとか、そういった一つ一つが十三項目挙げられていたんです。  また、それだけじゃなくて、今週は十二月何日かが人権週間――そのときの展示なんですが、人権週間に合わせて人権にかかわる本を並べるコーナーをつくっていたりとか、裁判員制度が始まりますよということで、親子の模擬裁判のセミナーをやっていたりとか、そういったことの各連携を、図書館がやっているというよりは、やっているセクションとの連携で、すごく充実した図書館運営をされているということを見てまいりました。  世田谷区では、中央図書館と経堂図書館には立派な資料相談、レファレンス専用窓口があります。私も先日、中央図書館のレファレンスを受けてまいりました。本当に中央図書館の職員の方々も皆さんすごく親切で、私がわけのわからない質問をしたことに対して一生懸命調べてくださって、また、隣では小学生の男の子がレファレンスを受けているというその姿を見まして、それで父兄の方が大丈夫かと言いながら一生懸命その男の子が聞かれている様子があったんですけれども、本当にこの調べ学習をもっともっと区民の方が利用できたらすばらしいなと思いました。  また、職員の方々の受付での対応等、本当に親切、丁寧で、利用者としては非常に気持ちよく利用させていただいたんですけれども、ただ、先ほど申し上げた打って出る――待って、そこで親切に、丁寧にではなくて、どこまで打って出るという思いをこのレファレンスにも込めていけるかということも重要ではないかと思います。  今後約二年間であり方検討を進めるということになっておりますけれども、この鳥取県立図書館のようなレファレンスの打って出る対応ができないものか、区としての見解をお伺いします。 ◎畑中 中央図書館長 鳥取県立図書館におきます非常に斬新な取り組みをご紹介いただきました。  区立図書館におけるレファレンスでございますけれども、お話しのとおり、専用の窓口につきましては、中央図書館と経堂図書館のみの設置となっておりますけれども、ほかの地域図書館におきましても、随時の相談に対応できるような体制はとらせていただいております。  区立図書館全体のレファレンスの状況でございますけれども、十八年度の件数で申しますと、中央図書館が一万三千七百五十一件、これは大体一日四十件ほど。それから、地域館全体で四万八千九百八十四件、これは大体一館一日十件ほどのご案内がございました。  内容につきましては、インターネットの普及がございました関係もありまして、あらかじめいろいろお調べになってから来られる方がふえておりまして、内容はどんどん難しくなっているというのが現状でございます。  そういう中でも、区立図書館としては、まず、レファレンスの能力をアップさせるために、職員の研修や、あるいは全館の協力体制に努めて充実を図っているところでございますけれども、その上で、さらにサービスをお気軽にご利用いただけるように、お話しの点も参考にして、レファレンスに至る動機づけとなるようなご案内なども工夫してまいりたいというふうに考えております。 ◆岡本のぶ子 委員 ぜひ今後の大いなる議論に期待を寄せていきたいと思っているんですけれども、またもう一つ、これは一つの例で、今、全国的に自殺に歯どめがかからないというか、かなり多く発生しておりますけれども、その自殺に関してもさまざま、何とか予防できないものかと、そういった声もあります。  そういった中での図書館の役割といいますか、たまたまきのう見たのは、この三月に更新された鳥取県立図書館のブックリストで、自殺予防に関する本のリストというのがあったんですね。そこには三十二冊の本が紹介されておりました。  ブックリストというものが一体どういうふうにつくられているのかということもさることながら、世田谷区のホームページでどうなっているのかしらと思いまして、一応蔵書の検索はできるので、自殺予防ということで入れてみたところ、ヒットしたのは十二冊だったんですね。  鳥取県のこの自殺予防に関する本のリストは、自殺予防というタイトルは書いていないんですけれども、自殺予防に効果があると思われる本が全部ブックリストとして掲載されているという意味では、今、地域の方に、この世田谷区民にどれだけのものを情報として――これもある意味でのレファレンスだと思うんですけれども――提供できるかという姿勢がここにもあらわれているのかなとも思いましたので、所蔵しているものを単に検索できるシステムはありますよというだけの対応ではなくて、何らかのそういう有効なものを発信できる対応も重要ではないかと思いました。  重複してしまうかもしれませんけれども、今、これからの二年間の検討をする過程の中で、すぐにでもできることに関しては、やはり間髪を入れず改善していただきたいと思うんですけれども、その点に関して区の見解をお伺いします。 ◎畑中 中央図書館長 お話しいただいた部分の中で現状においても対応可能な部分につきましては改善に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆岡本のぶ子 委員 あり方検討で約二年ぐらいはかかってしまうんですよね。今後の取り組みに期待しまして、また、すばらしい改革の姿を区民の皆さんが感じられるように、ぜひよろしくお願いいたします。  以上で私の質問を終わりまして、高橋委員にかわります。 ◆高橋昭彦 委員 それでは、私のほうから質問させていただきます。  まず、杉並区が教育基本条例というのをつくると、よく新聞でも大きな話題になっています。杉並区は何でこういうのをつくるのかというところを新聞なんかで見てみますと、教育立区を地域ぐるみで進めるためのよりどころとして条例化をするんだというんですね。杉並区は学校選択制をとっている。地域ぐるみで子どもを育てて、地域本部をつくってとか、いろいろな話がその中で出てくるわけですけれども、大分矛盾した話かなというような感じもするんですけれども、ただ、条例化することによって、区の目指す教育というものが区民にきちっと周知ができるという利点もあるのかなと思います。目的に対して足腰がしっかりするということはあるのかもしれないと。  世田谷区はどうなのかとなりますと、世田谷区には教育ビジョン、向こう十年間を見据えて世田谷区の教育はこうあるべきというビジョンがあるわけですけれども、このビジョン、学校関係者、教育関係者はよく知っているわけですけれども、これが区民全般に知れ渡っているかというと、なかなか難しいものがあるなと思うんですね。  ただ、世田谷区は、もともと地域行政というのがずっと進められてきました。この地域行政によって、地域と地区というものがしっかり基盤ができ上がっている。この地域行政というものが脈々とずっと続いてきている。その中で世田谷区は、だからこそ指定校という制度をとっているということもあると思いますが、条例にわざわざ縛らなくても、地域全体で子どもを育てるんだという風土は、世田谷区にはもともとあるんだということ。だからこそと逆に考えると、杉並区は条例化しなければそれが達成できなかったのかもしれないなという実感もするんです。  大事なのは、この教育ビジョンのねらいをこの教育関係者だけでなく、この世田谷区民すべてがそうだと実感することだと思うんですね。  この世田谷区の教育ビジョンは、教育長がかわれば教育ビジョンもかわるということではないわけですから、そういう意味では、この世田谷区のねらいの教育というものがしっかりと区民に浸透するということが非常に大事だと思うんですね。  見解を伺いたいんですが、きょうは教育長はまだお口を開いていないものですから、ぜひお聞きしたいと思うんですが。 ◎若井田 教育長 委員からお話がありましたように、平成十七年三月に今後十年間の教育の方向性を示すということで教育ビジョンを策定いたしました。教育ビジョンでは、世田谷区がすべての原点は教育にあるとして、長年にわたって地域と一体となって、地域とともに子どもを育てる教育を実践してきたということを踏まえまして施策を構成してございます。  第一期行動計画が平成十七年度から今年度で終了いたしますが、三年間鋭意その実現に取り組んでまいりましたが、二年目から教育フォーラムというものを開催いたしました。  昨年は夏に二日間、一日半ですけれども、地域の方、保護者の方も大変多くご参加いただきまして、延べ約二千人の方にご参加いただきました。こういう教育フォーラムを通しての発信だけではなく、それぞれの学校が教育ビジョンについて十分理解いただいて、各保護者に発信していく、また、私たち教育委員会の幹部職員も学校や地域に出向いて教育ビジョンについてお話しするというようなことを通して、その周知を図ってきたところでございます。  また、この間、教育基本法等の改正がございましたので、こうした国の動向を踏まえるとともに、第二期行動計画におきましても、これからの時代を生きる子どもたちにとって何が大切なのかということを考えながら、大切なものを変えない勇気と、大切なことを大胆に提言する勇気を持って、区民そして保護者、また教職員に積極的に発信していきたいと思っております。 ◆高橋昭彦 委員 世田谷区の、世田谷区に合った、世田谷区ならではの独自の教育というのがあるわけですから、九年教育にしてもそうでしょうし、また、日本語教育特区にしてもそうだと思うんですけれども、こだわりというものをぜひ区民の中に根づかせるというような努力が必要だと僕は思うんですね。ぜひお願いしたいと思います。  今の世田谷区の教育現状ということを考えると、特に中学受験、特に私立に行くという生徒が非常に多いと、これはずっと続いているわけですけれども、では、世田谷区の公教育、公立校というのはどうなのかということを、この教育ビジョンをしっかり周知することも一つの力になっていくんだろうとは思います。  朝日新聞の三月十三日付に――ずっとシリーズで朝日新聞でやっていたんですね。「どこで学ぶ」という題名で、これは最後の番外編というような記事だったんですけれども、学校のあるべき姿ということで、三人の方がコメントをしているんですね。  その中で、非常にそうだなと実感をしたところがあったんですが、日本私立中学高等学校連合会会長という方がこんな話をしているんですね。私立中学の側の人ですけれども、公立高校で足りないものとは何だろうかと。この人が言うには、学校は船頭がいる船みたいなものだ。安心感があればそれに人は乗るだろうと言うんです。だが、公立にはどんな子どもに育てたいという方向性がないんじゃないかと言うんです。そうかなと思うんですけれども、親は安心して子どもを乗せられないんだと。方向性を打ち出すためには校長の力が大きいんじゃないかと言われて、厳しい言い方だなとは思うんですが、また、よいことができたとしても、公立の教員は異動があるから長く続かないんじゃないかと。地域性ということもあるけれども、全国同じであるということが安心という地域もあるだろうし、そうではないというところもあるだろうと。地域の希望を生かした公立学校ができればよいのではないだろうかと言われるんですね。  どんな学校が選ばれるのかということに対しては、公立、私立にかかわらず、この学校ではこういうことをしますよというメッセージがはっきしている学校がこれからは選ばれるんじゃないかというような話をしていました。  世田谷の中学は、選ぶというよりも、私立に行くのか公立に行くのかということで選ぶんでしょうけれども、この公立中学は安心だという状況にならなければいけないなと思うんです。以前から文教所管の決特、予特ではいろいろ話をさせていただいてきていますけれども、やっぱり安心感なんだろうと思います。保護者の安心感だと思うんですね。保護者にとって、本当にこの学校に子どもを任せていいんだろうかと思うところが、そこに安心感をどこまで与えられるかということは、やっぱり前も小規模校の話をしたときに話をさせていただきましたけれども、私に任せてくださいと、私の学校におたくのお子さんを任せてくださいというふうに校長先生が幼稚園や保育園に出向いていったらどうでしょうというような話を僕は一度したことがあります。安心して任してください、私が責任を持ちますという校長が大事なんじゃないでしょうかねという話をしましたけれども、だんだん校長先生の中にはそういうようなことを言ってくださる校長、副校長は出てきたなと思って非常に喜んでいるんです。  実は、松沢中学校、私も宍戸さんも田中さんも地元なんですけれども、いつも会うんですけれども、松沢中学校、二ついい取り組みを校長先生がやり始めたんです。すごいなと僕は感動しました。  一つは、松沢中学校というのは赤堤小学校と松沢小学校の二校から来るわけです。大体平均して、赤堤小学校も松沢小学校も半分の児童が松沢中学校へ行く、半分いなくなっちゃうという状況なわけですね。その中で、公立中学の復権のためにといって、この松沢中学校の校長先生は、松沢小学校と赤堤小学校のPTAの会に行って話をするわけです。公立と私立の違いはこういうところですよ、お母さん方、というふうに話をするわけです。どういう話をするにしろ、こういう行動が大事だと僕は思いました。  そのときに、いろんな文献を持ってその校長は話をしながら、でも、選ばれた子どもたちが集まるのが私立かもしれないけれども、公立中学校というのは、やっぱりだれでも平等にみんなを受け入れると、要はいろんな子どもたちがたくさんいるんだと、これが社会なんじゃないだろうかと。そういう中で育てられるということが、本当は大人になって強い力ある人に育てられるんじゃないでしょうかというような話をするわけですね。こういう行動を見せながら、私の中学へぜひお子さんたちをというふうにしたわけです。いや、もう感動しましたね。  もう一つ、明日、三月二十二日の土曜日に松沢中学校でイベントを行うんです。何のイベントかといいますと、小中交流イベント「松中へ行こう!」というイベントをやるんですね。これはどこがやるのかといいますと、実行委員会を組んでいまして、学校と青少年地区委員会と校庭開放委員会とPTAとおやじの会とがやりまして――僕も松中のおやじの会なんですけれども。この中で、この小学校二校、小学校三年生以上の児童みんなに連絡をして、ぜひこの日は中学校を見に来てくださいね、そして、地域の人たちがいろんな催し物もやりますから、どうぞ見に来てねというふうに誘っているんです。あした何人来るかなと楽しみなわけですけれども、こういう発想をして、こういうやり方をして、校長みずからがリーダーシップをとってやっている。僕は本当に大事な話だと思いました。  公立の復権、公教育の復権といっても、やはり教育長がよく言われる、校長がかわればすべてが変わる、学校は変わるんですよという話は、まさにそのものだなと実感をしていますけれども、その地域の中で校長の思いをやはりどんどん生かしていかなければいけないと思いますし、そういった公立校の復権に対するアピールの仕方をこの校長に学んだ気がするんですけれども、これからの公立へいかに引っ張っていくかという策があればお答えいただければと思うんですが。 ◎小島 教育指導課長 委員今ご指摘のように、魅力ある中学校をつくっていくためには、学校を改善していこうとする校長の意欲や決意、高い経営力のもとに、校長を中心として職員が一体となって教育の質を高める努力というのが大切だと考えております。  区教育委員会では、学校経営における幅広い見識や経営能力を高めるために、管理職研修をしたり、学識経験者や経済界の一線で働いている方などを講師に招いて、経営者としての視点や手法を学ぶ学校経営塾を実施したりとかして、校長の学校経営の力を高めているところです。  また、すべての区立学校で学校外部評価を実施し、外部評価の結果を学校経営方針に生かし、校長が責任を持って学校経営をするなど、魅力ある学校づくりを推進しております。  今ご指摘のように、校長が、中学校の校長であれば、近隣の小学校のPTAや保護者会に直接出向くとか、あるいは授業を実際にするとか、小学校の校長であれば、近隣の幼稚園や保育園に実際に出向くというような校長もふえてきております。  区教育委員会といたしましては、管理職研修の充実や学校外部評価の改善を図るなど、学校長のリーダーシップのもと、保護者や地域の方々の強い期待にこたえられる魅力ある学校づくりが一層推進されるよう働きかけ、また応援していきたいと考えております。 ◆高橋昭彦 委員 いい校長がどんどん育っていくということは非常に大事だと思います。ただ、それにおいては、やはり議会でもずっと話があります人事権、その人事権が、いい校長が育ってきたな、いい管理職も育ってきたな、いい教員が育ってきたなといっても、やはり異動によってまた違う地域、わからないところでまた一からと。ある一定程度そこには必要なのかもしれませんが、やはり世田谷区で育てて、その人事権というもの、これはきちっとまた働きかけていくというような世田谷区の教育委員会の話もありましたけれども、その後、教育長会とかでも話をされているんだろうと思いますし、また、都や国にも働きかけをしているんだろうと思うんですが、状況があれば教えてください。 ◎小島 教育指導課長 教員の人事権移譲につきましては、残念ながら現在のところ国の動きに大きな進展はないと聞いております。  委員ご案内のとおり、平成十八年六月に東京都教育委員会は特別区教育長会の意見などを受け、教職員の人事権はすべて市区町村に対して給与の負担とあわせて移譲すべきであるとした見解を国に回答しております。その後、平成十九年八月には特別区長会が平成二十年度国の施策及び予算に関する要望の中で、区立小中学校教職員の人事権を特別区に移譲すべきことを引き続き求めたところでございます。
     今後とも、区教育委員会といたしましては、国や都に対して、さまざまな機会をとらえて区市町村への教職員人事権の移譲を強く求めてまいる所存でございます。 ◆高橋昭彦 委員 次に、中学校の部活動についてお聞きしたいと思います。  部活動は教育の一環であると決めて世田谷区はスタートしていただいて、管理顧問制度というのをつくっていただいて、部活動がどんどん活性化できるように。特に中学校なんかは、この部活というのは学校の魅力だと思うんですね。あそこにはあの部活があるから、あの部活があそこは強いから、僕はぜひあそこへ行きたいんだというような状況になってくると思うんです。あそこに行っても僕のやりたいものがないからというふうなところが選ぶ選択肢の一つになっちゃっているというのもあるんですね。  ご努力していただいた結果だと思うんですが、中学校の部活動数、平成十七年は三百五十九の部活だったわけですけれども、十九年度には、二年間たって三百九十一にふえたとお聞きしまして、本当に制度を含めて努力をしていただいているという実感をいたしております。  ただ、外部指導員の数とかも見てみますと、私もずっと言わせていただいた大学生、区内大学との連携もちょっと伸び悩んでいるかなという感じがするんですね。もう少し大学側に働きかけをしていただいて、学生が中学校の部活動に入りやすいようなインセンティブを何とか工夫をしていただきたいなとは思うんです。  この部活動、学校に聞きますと、昔は若手教員はすべて部活の顧問についていた、これは当たり前だったんだと。経験のない競技であっても、学びながらやっていたものだと。それで生徒たちと一緒になってやっていたものですけれども、今は時間的にその余裕もないし、やっぱり生徒数が少なくなっていくと同時に、教員の数も少なくなってきて、部活の指導員を自前でつくるというのは非常に限界があるんじゃないかなという話を学校側はされていましたね。やっぱり、自前でこの指導者をつくるというのも、人数の面からいっても非常に難しいんだと。  そういう意味で、外部指導員制度というのをつくっていただいて、外から、地域から求めるということになったわけですけれども、やっぱり部活というのは技術力だけではないと思うんですね。その競技の技術があればいいということではなくて、やはり子どもたちを育てるという指導力、そして、いろんなことがあっても乗り越えられる、部活によって人間を育てるという意味ですから、やっぱり指導力がないとなかなかできない。部活の指導員になるというのは結構ハードルが高いという状況があるような気がします。  そういう中で、今回スポーツ財団が世田谷区のスポーツ・レクリエーション指導者制度というのを今年度からやっていただいて、部活動の指導者づくりに乗り出したと言われるわけですけれども、今大量の団塊の世代の退職者が地元へとなってきている。この段階であって、また非常にこの制度が部活動の指導者の充実につながればいいなと思っているんですけれども、この目標をお聞かせいただきたいと思うんですが。 ◎小松 スポーツ振興課長 中学校部活動は、生徒にとりましては、さまざまな触れ合いを通して協調性や社会性をはぐくむなど、人間形成の貴重な場であると認識しております。また、学習指導要領改定案におきましても、配慮すべき事項として位置づけられたところでございます。  部活動における外部からの指導者数は、十六年度が二百二名、十七年度が二百六十二名でございましたが、部活動支援員制度を見直した十八年度には三百二十三名、十九年度は三月現在で三百十七名の支援員を確保してまいりました。  部活動を活性化していくためには、より多くの部活動支援員の確保が重要であります。今年度、世田谷区スポーツ振興財団のスポーツ・レクリエーション指導者制度が立ち上げられまして、現在、部活動指導者として四十五名の方々が登録されております。  今後、あらゆる機会をとらえまして制度のPRを行い、登録者数の増加を図ってまいりたいと考えております。 ◆高橋昭彦 委員 いろいろ聞きたかったんですけれども、しゃべり過ぎて時間がなくなってきちゃいましたので、次に行きます。  教育の情報化というのが先ほどから出ていますけれども、二十年度から二十三年度の四年間で進める教育の情報化推進計画の概要案というのを見させていただきましたけれども、やはり急速な情報化社会、これに乗りおくれることなく進んでいくことが、取り組んでいくことが必要だと思うんですけれども、このことは我が党でも再三申し上げてまいりましたけれども、ようやく動くことになったなと期待をしているところであります。  まず、この教育の情報化四年間のねらいについて簡潔に教えていただけますか。 ◎若井田 教育長 情報化のねらいにつきまして四点お話し申し上げたいと思います。  まず一点目は、ICTを活用した授業など教育活動の充実を通しまして、児童生徒の学力や情報活用能力の向上を図りたいというのが一点目でございます。  次に、教員が児童生徒と向き合う時間をなるべくふやそうということで、校務を効率化させ、安全で質の高い学校運営を実現するというのが二点目でございます。  三点目に、学校が地域へ情報発信すると、それにもICTを活用いたしまして、学校広報の充実、また学校関係者評価の改善などに取り組んで、一層信頼される学校づくり、そして家庭教育への支援を目指したいというのが三点目でございます。  最後に、安全安心なセキュリティーを向上させて、セキュリティー対策に万全を期したいということでございまして、国内トップレベルの水準を目指して頑張りたいと思っております。 ◆高橋昭彦 委員 トップレベル、ぜひよろしくお願いしたいと思います。そういう言葉に弱いものですから。  その中で、ICTマイスターというのは、やはり機材が整備されても、それを使いこなせるという力が必要なわけですね。ICTマイスター制度というのを今年度もされていましたけれども、やはり使いこなしてわかる授業、意欲を引き出す授業というのをどんどんやれるようになっていくということが大事で、昔のようにというか、黒板とチョークだけですべてを表現するというのは難しいだろうなという感じがするんですね。それだけでずっと教えてこられた今までの教員というのはすごいなと逆に思うわけですけれども。でも、このICT化が進んでいる現状では、教える側が上に行かなければいけない。子どもたちのほうが進んじゃっているのではしようがないわけですよね。そういう意味では、このICTマイスター、活用し切れる教員をいかに育成するかという状況だと思うんですけれども、その計画を教えていただきたいと思いますし、せっかくマイスターをつくっても、先ほど言ったように、人事で動いてしまうと、この学校にはマイスターがいなくなっちゃうという状況もありますから、そこら辺をどういうふうにお考えなのか教えていただけますか。 ◎小島 教育指導課長 教師がパソコンやプロジェクターあるいは実物投影機など、ICTを授業で活用して、わかる授業、意欲を引き出す授業を実現することが大変重要であると考えて進めているところです。  現在、世田谷区教育の情報化推進計画の策定を進めておりまして、その中でICT活用授業推進校の設置を通して、ICTを効果的に活用した授業を推進するリーダーとしてICTマイスターの配置を進めております。  区教育委員会としましては、平成二十二年度までにすべての区立学校にICTマイスターを配置して、ICTを活用した授業の工夫改善の取り組みを各学校に定着させたいと考えております。  そして、委員おっしゃるように、異動でいなくなったらというようなこともございますけれども、教員の人材育成を、ICTマイスターを中心として研修会を開くと同時に、各学校内の研修と、それから各グループごと、ブロック単位等の検証を組み合わせて、全校にICTマイスターがいるような状況を進めていきたいという人材育成の計画もあわせて持っております。 ◆高橋昭彦 委員 その人材を育成していきながら、校内LANも始めると。ずっとうちの諸星幹事長が校内LANにこだわっていたわけですけれども、なかなか進まなくて、やっと動き出したという状況がありますけれども、校内LANを整備するとなっても、このビジョンを見てみますと、四年間で七十七校ですか。九十五校全部にはなかなか行き届かないのかなという感じがするんですけれども、やはりどんどんこのハードの面も整備していかなければいけないんじゃないかなという感じがするんですけれども、いかがですか。 ◎霜村 教育総務課長 今、教育指導課長からもご答弁させていただきましたとおり、今回の情報の計画は、機器のような環境といいますか、ハードな面と、それを活用できる人材育成や教材開発などソフトの面を両面から進める、これを両輪にして進めるという基本的なコンセプトで計画化をしております。  こうした中で、これまでの取り組み状況などを総合的に考えた結果、今お話しのような数値をこのたびは提案させていただいている状況ではございます。  しかし、やはり情報化というのは大変変化の早い世界でございますので、スピードというものも必要かなとは認識をしております。それで、電子政府世田谷推進計画も同様なんですけれども、この教育の情報化推進計画も、前期二年経過後に見直しを行うという計画とさせていただいております。  機器類や校内LANにつきましても、まずは平成二十年度、二十一年度の前期二カ年間ですぐれた実績を上げていきたいと。こうした実績があって初めて、委員ご指摘のように、例えば後期の計画の前倒しのような可能性といいますか、条件が整ってくるということにつながっていくんだろうと考えております。  児童生徒の学習環境の整備に向けまして全力で取り組んでまいりますので、ご理解、ご支援をお願いいたします。 ◆高橋昭彦 委員 スピードを上げてよろしくお願いしたいと思うんですね。  中学校の技術科の教科書、私の息子のものをちょっと借りてきたんですけれども、大分昔と違いますね。何が違うかというと、コンピューターについてというのが一〇〇ページにわたってずっと続いているんです。昔の技術の教科書は、私たちのころというのは、やっぱりかんなの削り方とか、そういうことが多かったかなと。これだけコンピューターのことばかり中学時代に勉強する、これはもう本当に教える側がもっともっと勉強して先に行っていないと、情報化の流れの中に子どもたちがわあっともう入り込んじゃっているという状況があると思うんですね。  その中で一番大事なことは、僕も以前、小畑委員長と一緒にカナダに行かせていただきましたけれども、情報リテラシー、メディアリテラシーという――二人だけじゃないですよ。情報リテラシー、やっぱりそのリテラシーの考え方、メディアというもの、また情報というものをどう表現をし、どう取捨選択していくのか、その裏表はどうなのかということをやっぱりわかっていかなければいけない。そういったことの中で、この中学校の技術科の教科書の中にも、情報社会と自己責任というようなことが述べられているんですね。情報社会に生きる私たちの責任とは何かというところまで踏み込んでいる。非常に大事なわけですけれども、この情報リテラシーに関して、世田谷区は独自のやり方もしているとお聞かせいただいているわけですけれども、教えていただきたいと思うんです。 ◎小島 教育指導課長 世田谷区教育委員会では、すべての小中学校に情報教育主任を置いて、情報モラルを含めた情報教育の充実に係る研修を実施するとともに、例えば弦巻小学校の情報化推進モデル校の研究を区内の各校に広める等、研究を通して成果を広げてきたところです。  内容としましては、その弦巻小学校の例で言いますと、携帯電話の便利なところとそうでないところについて話し合い、適切な使い方について考える学習をしたりとか、あるいは中学校の技術家庭では、今お話がありましたように、さまざまな処理した情報を適切な方法で表現したり、発信したりするといった、コンピューターの利用も含めたマルチメディアの活用について学習をしています。  教科「日本語」の学習の中では、一つのニュースを選んで、幾つかの新聞記事を比べることを通して、情報を吟味して生活して、生活の中で活用することの大切さを学ぶというようなさまざまな取り組みをしておりますけれども、現在策定を進めている教育の情報化推進計画の中では、このICT活用の際に課題となる情報化社会のルールやマナー、セキュリティーの重要性について教育を充実させることを位置づけ、引き続き児童生徒の情報リテラシーの向上を図ってまいりたいと考えてございます。 ◆高橋昭彦 委員 時間がなくなってしまったんですが、本当は一般質問でもやりました食育に関しても話をしようと思ったんですけれども、先ほど菅沼さんが話をしていて、栄養士と教育委員会とのきちっとしたやりとりがあまりなされていないんだということを教えていただきましたけれども、やっぱり学校の中での給食は、子どもたちの健康を考えたら一番大事な教育なわけですね。その中で、米飯給食にしてもそうですけれども、また地産地消、食料自給率をどう上げていくのかと、給食が一番大事なことだと僕は思っているんですけれども、やはりどういうところでどういうものを買って、それがどういうものなのかを教育委員会の担当の課として押さえておくということは大事ですよね。やはり、連携をもっと強くやっていただきたい。  一つだけ提案させていただきたいと思うんですけれども、小学校五年生で子どもたちは川場へ行きます。川場というのは、一生の中でも最初の移動教室で、非常に思い出深いところなんですね。だから、そういう意味では、国内自給率というか、食料自給率を上げるためにも、そういった川場の食材というのをうまく使いながら――あるところでは、宮城米給食の日ということをやったりとか、いろんな給食のメニューをつくったりしている。世田谷区でも、いろんなセレクト給食だとかリクエスト給食とかをやっていますけれども、川場の日給食とか。川場にも名産物があって、おきりこみ汁とかあるわけですよ。非常においしい特産物とかがあるわけで、こういったものをひとつ給食の中に――そうだ、ここが僕たちの行った川場だ、僕たちが行く川場だということがわかるような給食のよさというのが必要だと思いますので、ぜひ検討していただきたいと思うんですが、一言だけ。 ◎若林 教育次長 お話しのように、栄養士ですとか学校とこれから連携、強化、あるいは私ども所管としての指導ですとかをきちんとやっていきながら、おいしい質の高い給食づくりに取り組みたいと思います。  また、川場産のお話もありましたけれども、現在世田谷区の学校給食では、かなりの割合で国内産の農産物を含めた食材を活用しております。中国産というものあるいは冷凍食品は基本的に使っていない現状があります。そういう中で、ご提起の点も含めて、質の高い給食づくりに取り組んでいきたいと考えております。 ◆高橋昭彦 委員 私からは終わります。 ◆諸星養一 委員 引き続き質問させていただきますけれども、最初に教育長にお尋ねしたいんですけれども、どうも一つのことにこだわると、それを答弁いただかないと進めないというたちなものですから、ごめんなさい。  先ほども高橋委員の質問にお答えになって、要するに教育ビジョンの前文、大切なものを変えない勇気、大切なことを大胆に提言する勇気という言葉、非常に私も胸を打たれるというか、何となく共感しちゃうんですね。何となくなので、これを実際に教育長はどう思っているのかなと。例えば、こういうことについては変えないんだと、こういうことは大胆に提言するんだということを、ちょっと具体的に、象徴的な事例でいいですから、お答えいただければなと思います。 ◎若井田 教育長 それぞれ一つずつ例示を出しながらお話ししたいと思いますが、やはり地域の宝である子どもたちを、地域と一緒に、地域とともに学校が子どもたちを育てていくということは変えてはいけない大切なことであろうと思っております。  それから、今新しい学習指導要領の案が出されまして、言語活動の充実というのが出ておりますけれども、平成十五年から美しい日本語を世田谷の学校からと、また、平成十九年から教科「日本語」を始めておりますが、やはり美しい日本語を世田谷の学校からという中途半端な取り組みの名称にしましたのも、世田谷の学校から全国を変えていきたいという強い思いがあったわけでございまして、そういうようなことにつきましては大胆に発信していきたいと。一つずつの例で申しわけありません。 ◆諸星養一 委員 教育長、たくさん言いたいことがあると思うんですけれども、特に地域とともに、選択制をとらないということも、私はその一つのあらわれでないのかなと。これはやっぱりさまざま意見はあると思います。ただ、世田谷がこれで行くんだということを教育長みずから決意され、それを発信されることが何より大事になってくるのかなと私も感じておりますので、この問題については、改めてまた教育長のお考えを都度聞かせていただければなと思っております。  きょうは、私のほうからは、まず九年教育についてお尋ねをさせていただきます。  小中一貫教育、我々――我々というか、議会でも最初、小中一貫教育ということをぜひ実現しろという話をさせていただいておりますし、品川区が日野学園という小中一体型の施設、教育をおやりになって、四、三、二ですか、そうしたことを始められたということについては、その試みというか独創性を評価はするものですけれども、ただ、その品川区のあり方が、結局その後どうなっているかということは、私もなかなか追跡できませんけれども、そうしたハード面を含んだ一体型というのは、その中に財政的な問題もあるし、また、本当にどうしても私立中学校に行くという子どもさんも中には結局いるわけですね。そうした中において、ハードで固めちゃうという問題がいいのかなということは私自身も考えざるを得ないのかなと。  そこで、今回世田谷として九年教育ということで、カリキュラム、教材、学校運営の開発と、そうした視点から、ソフト面での一貫教育というか九年教育をぜひ取り組んでいこうということに対して高く評価するものです。ただ、現実、二十三年度小学校から進めていくということですし、また、いわゆるそうした結びつきですね。九年教育を今世田谷がやろうとしている教育に関して、結びつきの希薄さというか弱さということはちょっと否めないのかなということも実は心配するものですから、その点について、世田谷が目指していく九年教育とは何ぞやということをまず確認させていただきたいと思います。 ◎若井田 教育長 世田谷区が目指す小中一貫教育、それを世田谷九年教育と名称をつけさせていただきましたが、施設一体型ではなくて、小学校、中学校の教育をそれぞれ尊重しながら、例えば小学校の六年生といいますと、最上級生として下級生を導く経験をすると。そして、卒業して中学に入ると、今までは自分が一番上で学校の中でリーダーとして活躍していたのに、実はすばらしいお兄さん、お姉さんがたくさんいて、自分はこれからだなと思うと、そういう節目なども大切にしたいと思っております。  やはり、世田谷区の保護者、児童生徒の学校教育への強い期待、それにこたえるために、より質の高い教育を提供したいと思っておりますが、大きく三点あろうかと思うんです。  一つは教育内容、一つは学校運営体制、もう一つは教員の力量の向上、これをどういうふうにしていくかということを今後検討していきたいと思っておりますが、やはり小中学校の教員の十分な連携というものを前提にした教育内容、カリキュラム、それから小中学校を囲む地域の教育力を生かして、地域運営学校を基本として目指していくような学校運営体制と。それから、今教員の兼任発令をしておりまして、中学校の教員も小学校の辞令を受けて、自分は小学校の教員でもあるという意識を高めておりますが、そういうことを実現するための教員の力量の向上、そのための研修のあり方をどうしたらいいかと。そういう三点を主に検討しながら、結びつきの強い、小中学校が非常に交流をしていくと、そういう九年教育をしていきたいと思っております。 ◆諸星養一 委員 今、教育長が三点にわたって課題を挙げておられましたけれども、カリキュラム、教材の内容等はこれから検討される。それぞれ三つともこれから検討されるんですけれども、私としては、地域の中で地域がどう支えていくかということにおいて、要するに学校運営のあり方ということも研究をされると。そこで、いわゆる地域運営学校、これが今世田谷で取り組みをされているところ。  九年教育、例えば一つの中学校を考えれば、一つの中学校に対して二つの小学校が一つ単位として挙げられるわけですね。そうすると、地域運営学校というのは、それぞれの中学校、小学校に十人以内で学校運営委員会を設置して、そこで一定の権限、例えば学校運営の方針に対してご意見を言うとか、人事に対しても意見を述べるとか、そうした委員会の仕組みがあるわけですけれども、その三つ、中学校一つ、小学校二つですから、三つの学校運営委員会がそこに、今回の九年教育に携わるわけですね。そこの三つの委員会が有機的にというか、機能的にしっかり役割を果たせるかというところについても若干危惧するところがあるわけですね。それぞれがお互いを尊重して九年教育に携わっていただければいいんでしょうけれども、そうしたことを今後検討されると思いますけれども、その点について、現状における考え方をお答えいただければと思います。 ◎古閑 生涯学習・地域・学校連携課長 世田谷九年教育につきましては、パイロット校を指定して、今から実現に向けていく予定となっておりますけれども、その中で、地域運営学校の学校運営委員会は、世田谷九年教育のパイロット校では小中三校で何らかの形で、合同というか連帯させるというか、そういうことを予定しておりますので、学校運営に対する小中学校の共通理解を築き、また地域の教育力を結集するなど、世田谷九年教育の推進に大きな一つの役割を発揮するものと期待しているところでございます。  そこで、来年度計画しております学校運営委員会の制度の見直し、または検証に当たりまして、世田谷九年教育を検討する検討委員会ともしっかりと連携しまして、関係する小中学校間での学校運営委員会の運営のあり方等につきましても検討して、質の高い学校教育が実現できるようにしていきたいと考えているところでございます。 ◆諸星養一 委員 いずれにしても、地域の協力なしにはこうした取り組みはできないことですので、さまざま理解をいただきながら進めていっていただければなと思います。  あわせて、人事制度についても、人の問題、教員の問題ということをお話しされていましたけれども、先ほど小島課長は人事権の移譲の問題を取り上げておられましたけれども、この取り組みについても、新たな人事制度を視野に入れた検討を行うとうたっているわけですけれども、これは恐らく人事権の移譲とはまた別の角度における新しい人事制度じゃないのかなと感じておりますけれども、その点についてもし具体的な検討があればお答えいただきたいと思います。 ◎小島 教育指導課長 教育ビジョン第二期行動計画には、委員ご指摘のとおり、学校における新たな指導体制の検討を位置づけ、世田谷区独自の教員配置を含めた学校における指導体制の強化策を検討すると示させていただきました。  区教育委員会では、今回の学習指導要領の改訂を機に、世田谷九年教育を推進しておりますけれども、この九年教育検討委員会での検討やパイロット校での試行をもとに、どのような教科あるいはどのような領域で、どのような指導体制が必要なのかということについて、独自の配置ということについて課題を整理して検討し、進めてまいりたいと考えてございます。 ◆諸星養一 委員 そうした取り組みの中で九年教育が、まさにこれからですよね。実際的には、やっぱり全校試行までさまざまな具体的なことを詰めながら進められていくと思うんですけれども、ただ、私としては、先ほどの教育長がおっしゃられた日本語特区もそうなんですけれども、この九年教育というのは、世田谷の公教育に対する、先ほど高橋委員も言っておられましたけれども、この公立離れというものにどう歯どめをかけられるのか、その公教育への復権、これはやっぱり教育長、教育委員会というのは、ある意味では大変重たい課題であるし、ぜひそれを乗り越えていかなくてはいけないという課題であるかなと思っているわけですね。  私は、この九年教育が取り組まれることによって、もうこの公立離れというものに歯どめをかけると、そういった思いというのは、私は教育委員会にあってしかるべし。これは教育委員会だけの問題ではないと。区長が、教育はすべての根本であるとおっしゃっている以上、これは世田谷区としての大きな課題である、その壁であると。この九年教育でそれを乗り越えることができるんだということをやっぱりぜひお示しいただきたいと思っておりますけれども、それに対してどなたか、やっぱり教育長かな。 ◎若井田 教育長 世田谷九年教育につきましては、新しい学習指導要領の完全実施に合わせて試行すると考えておりますが、先ほども申しましたが、世田谷九年教育が世田谷区の保護者、児童生徒、そして地域の方々の区立学校への強い期待にこたえ、信頼を高めるものとなるよう、その実現に向けて全力で取り組み、そして将来、世田谷という地域を支える世田谷育ちの子どもたちを育成していきたいと、そういうふうに考えてございます。 ◆諸星養一 委員 私は、去年の予算委員会でも数値目標、要するに小学校から中学校へ行く、公立に行く子どもたちのことを考えたら、私は数値目標をぜひ持っていただきたいなと思うわけですよ。  現実に、小学校卒業生の進路状況を見ると、平成十三年度については、公立中学校への進学が四千六百三十三名中三千百六十九名、割合が六八・四%、十八年度、五年後ですね、十八年度を見ると、五千百二十三名中三千三百五十四名、割合として六五%、わずかながら減少しているわけですね。それだけ公立中学校を希望しない生徒さんがふえていると。  さらに言えば、実は小学校に上がる時点で八百名から九百名の児童の方が区立に来ていないという現実があるわけですね。そうしますと、小中学校を通して、最終的には半数近くの方は公立に来ないという、ある意味では冷厳な事実がそこにあると私は思っています。  ただし、私は、今教育長もおっしゃったように悲観していません。教育ビジョン、そしてそれに基づいての具体的な九年教育なり日本語特区なりのそうした取り組みが、必ずやそうした子どもたちも区立に来ていただけると私としては願っている、また期待をしているし、確信もしている。そういう意味で、教育長として、今言ったようなことは現実にある、事実としてあるけれども、それを乗り越えていくために、私たちはこう取り組むんだということをもう一度改めて決意をお伺いしたいなと思います。 ◎若井田 教育長 委員お話しの数値目標につきましては、この区教育委員会と校長会の大きな課題として受けとめさせていただきたいと思っております。  何よりも、区立学校が保護者や地域の方々、子どもたちにとってより魅力のある学校となるよう取り組みを進めていきたいと思っております。 ◆諸星養一 委員 次に、ちょっと時間の限りになってしまいますけれども、特別支援教育を質問させていただきます。  まず、その基本的な方向性ということで、これはもう現場を統括する伊佐課長にお尋ねしたいんですけれども、その特別教育支援への取り組みほどその自治体の力量が問われることはないと私は思っています。まさに、世田谷が世田谷としてあり得べく教育の姿というものがこの特別支援教育を通して見えてくるだろうと私は思っています。ですから、とりわけこの特別支援教育について、やっぱりこれから世田谷はどう取り組んでいくんだということを、現場を統括する課長として伊佐さんにお尋ねをしたいと思います。 ◎伊佐 教育相談・特別支援教育課長 特別支援教育を推進していくことに関しましては、私は、配慮を要する子どもだけではなくて、やはり子どもたち全体にメリットがある取り組みだと思っているところでございます。  教育ビジョンの第二期行動計画にも整理させていただいておりますけれども、今後の取り組みにつきましては、引き続き小学校等における指導体制や校外から学校を支援する体制の充実とともに、個別の教育支援計画等の充実、学校への人的支援の強化、特別支援学級の整備などに努めてまいりたいと考えているところでございます。  また、今年度から取り組んでおりますけれども、就学相談と教育相談の連携した相談体制の確保等々、それから幼児期から学校卒業までの継続した支援体制の構築に取り組んで、児童生徒への支援を充実していきたいと、そのように考えているところでございます。 ◆諸星養一 委員 議員の皆さん方も当然出席されたと思いますけれども、おととい十九日、中学校の卒業式、私も地元の弦巻中学に行きました。やっぱり毎年のことながら、感動を抑えることのできない、そうした卒業式でしたけれども、とりわけ特別支援学級に通われている生徒さんのお一人が代表として壇上でお話をされている光景、そしてまた、クラスの皆さんが整然としてその式に参加している光景を見て、世田谷の目指している点がすごく感じられて、私は大変うれしく思いました。  その意気込みに比べて、現実の予算の体制がどこまでそれに見合った形で出ているのかと。これは財政課長がいるから財政課長に聞きたいんだけれども、時間がないからきょうは聞きません。だから、伊佐さんにお聞きしますけれども、まず二十年度予算として、通常学級に対する支援に関しては、一万時間とか一万八千六百時間、その前も三千、四千弱でしたね。本当に非常に大幅に拡充されている、伸びていることについては大変評価をいたしますけれども、それでも現状として、来年度の予算の一万八千六百時間というものが足りているのかどうかということについて、現場からも、その親御さんからもさまざま心配の声を聞いているわけですよ。それに対して教育委員会として、もちろん学校現場との調整もあると思いますけれども、やっぱり教育委員会として、先ほど申しましたように、まさにこれは自治体の力量と私は思っておりますけれども、この二十年度予算に関して課長としてどういうお考えなのか、まずお尋ねします。 ◎伊佐 教育相談・特別支援教育課長 特別支援教育に関します二十年度の予算に関しましては、私どもは、児童生徒の実態を踏まえまして、可能な限り財政当局にも状況を説明させていただいて、取り組みをさせていただいているところでございます。  お話にございました、例えば学習支援、教科補充の非常勤講師につきましても、十八年度から行ってきているわけでございますけれども、かなりの時間数を伸ばしていただいているところがあります。  具体的に、配置に当たって各学校からの個別の要望については、なかなかこたえ切れない現実はまだ正直なところございますけれども、さまざまな工夫をさせていただいて、子どもたちの支援に努めてまいりたいと考えているところでございます。 ◆諸星養一 委員 特別支援学級についても、学校単位でどう整備していくか、それも計画として載っています。ただ、通常学級の中で配慮を要する児童生徒に対してどこまで支援できるかということが、まさに私は、何回も申しますけれども、世田谷の目指すべき特別支援教育のあり方をそれが示しているんではないかなと思う次第です。  幾つかまだ質問がありましたけれども、時間になりましたので、これで公明党の質疑を終了いたします。 ○小畑敏雄 委員長 以上で公明党の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後二時五十一分休憩    ――――――――――――――――――     午後三時二十五分開議 ○小畑敏雄 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  民主党・無所属連合、どうぞ。 ◆藤井まな 委員 私は、文化財についてまず一つ目に質問をしていきたいと思っています。  特に、文化財の保護ということについて質問をしていきたいと思っているんですけれども、文化財の敵というのが二つあると思うんですね。  まず一つ目は火災だと思います。今まで歴史上ですごく数多くの重要な文化財が焼失してしまったということは皆さんご存じだと思いますし、韓国の南大門がついこの間焼失してしまったというのは、本当にどこのテレビ局でもやっていて、多分皆様も一度は焼失してしまった現場を見たことがあると思うんですね。  この文化財が火災に対してすごく弱い存在であるということが一つ、もう一つが地震に対しても文化財はとても弱い存在であると思います。  例えば、とても大変まずい例が、新潟の中越沖地震というのがあったと思うんですけれども、あの中で何名かの方が亡くなっているんですけれども、そんなに亡くなった方は多くなかったんですけれども、多分その中の一人の方が、石の灯籠が倒れてきて下敷きになって亡くなったという方が一人いらっしゃったんですけれども、これも文化財が地震に弱いということの一つのあらわれで、しかも人を巻き込んでしまったという一番危険な例だと思います。  関東大震災のときには、上野の寛永寺の灯籠が全部倒れて、その後すぐ直したんだけれども、もう一回地震が来たらまた全部倒れちゃったという話もありましたし、文化財が地震に弱い。大きな地震が来なくなってからもう数十年たつわけですから、いつ来てもおかしくないし、そこで地震があって、火災があって、それが焼失してしまうということは、世田谷の文化にとっても大変損ですし、区民にとっても大変損であると私は思っています。  そのことに対して世田谷区というのは、そういった文化財が倒れてきて大変危険だなとか、例えばもちろん避難場所に選ばれているわけじゃないですけれども、昔から寺社仏閣に地震が起こって人が行くということは、集まるということは文化としてありましたので、十分考えられることだと思うんですけれども、そういったことに対して世田谷区では安全対策というものをとっているんでしょうか、質問します。 ◎古閑 生涯学習・地域・学校連携課長 文化財の保護につきまして、防火防災の面からご質問いただきました。  まず、防火の面でございますけれども、消防法の施行令では、国の重要文化財を防火対象物と位置づけて、自動火災報知機や屋外の消火栓などの設置について所有者に義務づけております。  ただ、それ以外の区指定文化財等につきましては、その消防法施行令の対象外でございますので、設置の義務というところは所有者にないのが実情でございます。
     そういうところも踏まえまして、教育委員会では、この法令の趣旨等を踏まえまして、機会あるごとに所有者に防火対策の必要性を説明しているところでございます。  また、防火の面で言いますと、毎年一月二十六日が文化財防火デーと定められておりまして、区内の消防署の指導のもとに、区内の各所で文化財の防災訓練、また防災防火指導、こういうことが行われているところでございます。  次に、耐震対策でございます。これにつきましては、国では阪神・淡路大震災による重要文化財の被災状況を踏まえまして、平成十一年に文化財の建造物に関する耐震診断の指針を策定しております。  しかし、この耐震診断や耐震補強工事は、文化財の所有者が実施する仕組みとなっておりますし、また、耐震の補強工事の実施に関しては、専門的な知識とか高い技術が必要とされております。そういうところから、所有者の経済的な負担も大きくなることもありますが、教育委員会では所有者との話し合いによってこの耐震対策についても理解を深めているところでございます。 ◆藤井まな 委員 所有者がいるということで、義務ではないということだったんですけれども、例えば東南海地震に対して愛知県や三重県ではとても敏感になっていまして、それも地震が起きてから随分時間がたっているということで、それで文化財とかをそのままの形で残すんだけれども、地震が起きたときに倒れないようにするだとか、壊れないようにするというので、本来木で全部つくってあるところに鉄で補強をするということ、本来の文化財の形を失わないことを大前提にそういうことをやったりして、結構対策を立てているという地域があります。  世田谷区も、先ほど言った石の灯籠が倒れてきたりとかいうこともあり得る可能性もあるので、どこが危険であるかということをもう一回徹底して調査するということがもちろん第一と、やっぱり所有者がいて義務ではないのはもちろんよくわかりますけれども、その所有者の方たちにどれだけの危険性があるか。  例えば、新潟県中越沖地震でこういうことがあったよだとか、関東大震災ではこれぐらいの寺社仏閣が倒れてなくなってしまったんだよとか、焼失してしまったんだよということをしっかりと提示して説いていくことが、やはり文化財を守る方たちのそれこそ義務であると僕は思っておりますので、ぜひともそこら辺のことを徹底して文化財保護に当たっていただきたいと思います。  もう一つ文化財に関して質問したいと思うんですけれども、区民生活の領域でも発言させていただいたんですけれども、観光施策の中に、やっぱり文化財というものもしっかり組み込んでいかなければいけないと僕は思っています。文化財を守るということと、文化財にどういった役割があるかということを区民が理解することというのは、やっぱり文化の両輪だと思うんですね。だれか一人、ある一定の文化を知っている人の持ち物になってもいけないし、それだけのために文化というものは区民だけのものであってももちろんならないと思うんです。それはあくまでも両輪であると思うので、それをしっかりとPRしていくことも重要だと思うんですね。  ただ、先ほども所有者がいるというお話が出たことも僕も十分わかっているので、そういった所有者の方が、例えばこの文化財というのは歴史的に重要なものだし、区民の人によくわかってもらいたい、見てもらいたいという方もいらっしゃるでしょうし、いや、この文化財は、例えばお寺の本尊だからそう簡単には出せないよという方もいらっしゃると思うんですね。それはよくわかるので、逆にそれを選定するような作業、これはもうどんどん来てもいいよ、これは余り、そんなに来てほしくないよという選定作業とかを進めていってみてはいかがかなと思うんですけれども、そこら辺に対してどうでしょうか。 ◎古閑 生涯学習・地域・学校連携課長 文化財の選定、またそれを踏まえた広報の充実というようなご質問をいただいております。  教育委員会ではこれまで、例えばの話ですけれども、指定文化財を解説した冊子「せたがやの文化財」とか、また、これは観光地図としての活用も考慮してつくっておりますけれども、「世田谷区歴史・文化財マップ」などを発行しまして、区内の文化財を広く知っていただくよう努めているところでございます。  しかし、委員のお話にもありましたように、例えば文化財がその寺院の本尊であるとか、または文化財そのものの特性とか所有者のご事情等から通常公開が難しいものなど、制約があることも事実でございます。  そこで、日ごろ区民に公開していない文化財に関しましては、毎年十一月の文化財保護強調週間等の機会に、所有者のご協力をいただきまして、一般公開の機会をつくってきているところでございます。  また、今後につきましても、この文化財の普及啓発を進める上で、区民の方が活用しやすい、利用しやすいような広報活動を充実させることは、本当にますます重要と考えております。  そこで、観光とか、また風景とか、そういう関係も視野に入れて、ホームページの充実を初め、情報の内容、提供手段等を工夫していきたいと考えております。 ◆藤井まな 委員 前向きにぜひやってもらって、僕は区民生活の領域でも言ったんですけれども、それぞれの所管だけがPRしていってもだめだと思うんですね。もちろんこれは、教育委員会の所管で音頭をとってやることができないというのはわかっていますので、ただ、そういった今みたいな選別をしておいて、後で、例えば文化財団の持っている施設のマップがあって、その上から重ねていく、さらには「世田谷みやげ」だってその中に重ねちゃっていいと思うんです。だから、世田谷区の風景資産も百景もすべて、この間控室に配られていましたけれども、桜の名所みたいなものも全部まとめて一つにする形でオープンにしていって、つなげていけたらなと思っています。  僕も今回この質問をつくるに当たっていろいろ調べていたら、郷土資料館には北条幻庵の書があるというのを僕は初めて知りまして、これは歴史が大好きな人にとってはすごいものだなと思ったもの、そういうものがまだまだ世田谷区にたくさんあると思うので、ぜひともそういったアピールをしていっていただきたいと思います。  次に、メディアリテラシーに関して質問をさせていただきます。  前回の一般質問でもこのメディアリテラシーということには触れまして、そこで僕がどういった意思でメディアリテラシーというものを言っているかというのはちょっと触れさせていただいたんですけれども、ちょっと繰り返しになってしまうんですけれども、僕が言うメディアリテラシーというのは、もちろん今までの、旧来の言っている意味でのメディアリテラシーとは少し違って、先ほど高橋委員が多分インフォメーションリテラシーについて触れられていたんですけれども、そのインフォメーションリテラシーもそうだし、メディアリテラシーというのもそうだし、旧来の言っている意味でのメディアリテラシーというのもすべて含めた形の新しいリテラシー教育という意味でメディアリテラシーという言葉を使っています。  その中で、本当に先ほどの高橋委員と質問がちょっとかぶってしまうんですけれども、どうしても小学生とかに伝えていかなければいけない中で、やっぱり携帯電話の使い方ってすごい重要だと思うんですね。  例えば、ここに一本の鉛筆があるんですけれども、僕はこれをさっきナイフで削ってきました。昔は多分、皆さんナイフで削られていたと思うんですね。それは、皆さん教わっているはずなんですよ。彫刻刀で削るということ、どうやって鉛筆を削るのか。それは、親も教えるし、学校の先生も教えるしということが当たり前になっているからこそ、ナイフを使ってけがをしないように鉛筆を削るということがわかっているから子どもたちは鉛筆を削ることができるんですね。これは当たり前の話ですけれども、あえて例で出しました。じゃ、携帯電話をこの鉛筆の削り方と同じように当たり前のように教えているかといったら、絶対教えていないんですね。  僕が携帯電話を持ったのも高校三年生のときです。多分この座っている中の人で高校時代から携帯を使っていた人というのはなかなかいないと思うんですね。親の世代だって同じで、携帯電話を使ってからそんなに時間がたっていないわけで、今子どもたちのほうが詳しいとちょっと言っていましたけれども、でも、子どもたちのほうがたとえ携帯電話の使い方が詳しかったとしても、善悪の判断がつくかどうかというのはまた別問題だと思うんですね。  例えば、携帯電話からだれか知らない人のメールが入ってきて、それを善悪、よしあしを判断するのは、僕らだったら、こんな変なメールが入ってきたら信じないよと当たり前のごとく思いますけれども、それが小さいころから携帯を持って(「誘惑に弱いから」と呼ぶ者あり)そうやって誘惑が来たときに、じゃ、善悪の判断をつけられるかといったら、そう簡単じゃないですね。  しかも、例えば夜、親も寝静まって、携帯なんか夜使うのやめなさいと言っても、そんなの知らねえよと言ってドアを閉めて部屋の中で携帯をいじっていたら、もうだれもとめられないというのが現状だと思うんですね。  だから、やっぱり携帯電話の使い方とか情報というものをしっかりと読み解いていく力というのはとても重要だと思うんですね。だから今回、リテラシー教育、インフォメーションリテラシーというものを学校教育に取り入れていかなければいけないということを僕は言っているんですけれども、それに関していかがでしょうか。そのインフォメーションリテラシーを取り入れていくことに関していかがでしょうか。 ◎小島 教育指導課長 委員おっしゃるように、情報社会にあって、多くの情報の中から必要な情報を取捨選択したり、あるいは判断したり、逆に正しい情報を発信したりなどのメディアリテラシーの力量を育成することは大変重要であると認識しております。  区立の中学校では、社会科で情報化の進展など社会生活に与える影響について、技術・家庭科で情報化が社会や生活に及ぼす影響を知り、情報モラルの必要について考えたりする授業が行われております。  区教育委員会では、子どもたちに情報活用能力の育成を位置づけたり、研究校を指定したり、指導方法を研究したり、教員研修を一層充実したりして、子どものメディアリテラシーの育成を図ってまいりたいと考えておりますが、今話の中にありました携帯電話につきましてもう少し加えて申し上げますと、区立の小中学校では、学習に直接関係のない携帯電話を学校に持ってこないように日ごろから児童生徒に生活指導としては行っているところです。  その一方で、携帯電話を所有し、学校以外で携帯電話を使う児童生徒もおり、メールや掲示板への書き込み等によるトラブルも報道されています。区立学校の中には、セーフティー教室において警察と連携して携帯電話を使う際の心構えを指導したり、情報の信頼性や個人情報の保護を初めとする情報モラルにかかわる授業を実施したりしている学校もあります。  区教育委員会といたしましては、児童生徒の携帯電話の適切な取り扱い等について検討する委員会を立ち上げ、すべての区立学校において情報機器の適切な取り扱い方についても考える学習を行っていくように働きかけ、あるいは家庭への啓発も進めていきたいと考えております。 ◆藤井まな 委員 僕も小学校の臨時職員として情報の授業とかを見ていたことがあるんですけれども、パソコンの使い方とかキーボードの打ち方も重要ですけれども、本当に携帯電話のよしあしとかを教えることのほうに時間を割くべきだなと、実際に現場を見ていると思うんですね。  例えば、小学校低学年とかにパソコンの入力方法を教えていると思うんですけれども、平仮名入力でやっているじゃないですか。多分、行く行くはローマ字入力をしていきますよね。それは多分、ローマ字というものを教わっていないから平仮名入力をさせていると思うんですけれども、そういったよくわからない矛盾の情報というものを教えるよりも、携帯電話ということで情報リテラシーをもっとどんどん、小学校低学年とは言わないですけれども、ある程度の小学校中学年ぐらいからは始めなければいけないんじゃないかな。携帯電話を持つ年齢もどんどん低くなっていますし、しっかりとそれをやっていっていただきたいなと思います。  もう一つ言った新しい意味でのリテラシー教育の中で、もう一つの旧来の意味でのメディアリテラシーということ、それもまた進めていかなければいけないと思います。  メディアリテラシーが今世界で一番進んでいると言われている国はどこだかご存じでしょうか。 ◎小島 教育指導課長 さまざまな国によってさまざまな取り組みがあり、リテラシーそのものでどこがということは、申しわけありませんが、存じておりません。 ◆藤井まな 委員 いろいろなメディアリテラシーを研究されている方が結構同じことを言って僕は驚いたんですけれども、カナダが今一番進んでいるんだという話を聞いたんですね。今まさにウィニペグから来ていますけれども、あのカナダです。交流もあるカナダなんですけれども、じゃ、何でカナダなんだろうということをいろんな人に聞いたんですけれども、なぜカナダでメディアリテラシーが進んでいるか。それは、巨大なメディアが近くにあるからだ。その巨大なメディアは何ですかと聞いたら、アメリカ合衆国だと言うんですね。もう既にアメリカ合衆国自体がメディアで、カナダ人というのは、自分たちのアイデンティティーを保つためには、やっぱりきちんとリテラシー教育をしていかなければいけないんだという理論に立って、カナダは結構メディアリテラシーということをかなり授業に取り入れてやっているという話なんですね。  実際僕はカナダに見に行っていないので、その研究者の方が言っていることがすべてどこまで本当かはわからないですけれども、結構多くの人がカナダは進んでいると言うんですね。  この中で、僕はそこの話を聞いたときに、アメリカ合衆国がメディアだといったときに、僕はメディアということがネットだとか、携帯電話だとか、テレビだとか、新聞だとか、ラジオだという旧来の持っているイメージだけではないと思うんですね。そういったものだけをリテラシー教育していくというんじゃなくて、例えば国語という教科もリテラシーはあるんですよ。社会ということもリテラシーはあるんですね。  何でこんなメディアリテラシーでこんなに話を多く広げるかというと、今までメディアリテラシーということを行政区で専門家を呼んで研究しているところは、僕はいろいろなところを探したんですけれども、なかなかなかったんですね。一番いいところが沼津で、「読解」という教科を入れて、特区としてやっているという話を沼津の教育委員会の人、たまたまメディアリテラシーを研究する場に僕が行って、たまたま隣でお会いしていてお話を伺ったらそういうことをやっているという話を聞いて、僕はこれは世田谷でも特区をつくったらどうかな、日本語特区ではなくて、メディアリテラシーに関する特区をつくったらどうかなと思いました。  僕は今回、いろんなところに、十以上のところに取材に行ったんですけれども、メディアリテラシーということに関してすごい興味を持っている現場の方もたくさんいらっしゃいますし、大学の教授の方もすごくたくさんいるんですね。そういった方たちをこの世田谷区にヘッドハンティングして、現場のメディアリテラシーに興味を持った方たち、そして、そういったメディアリテラシーを研究している方たちを集めて、二段構造にして、さらに教育委員会がそこで一緒になってメディアリテラシーを考えていくというような特区構想も、実現がそんなに簡単ではないですけれども、こういった特区構想でもして、メディアリテラシーということに関してどんどん先進的に教育を進めていったらどうかなという考えなんですけれども、それに関していかがでしょうか。 ◎小島 教育指導課長 各区立小中学校におけるメディアリテラシーを含む情報活用能力の育成については、教員の指導力、やっぱり指導者の指導力が極めて重要だと認識しております。  現在、区の教育委員会では、策定を進めております教育の情報化推進計画の基本方針の中で、情報モラル、児童生徒の情報活用能力の育成を位置づけて、指導方法の開発や指導体制の整備をしております。また、区立小中学校では、各一校、二校、情報教育活用研究開発校として指定し、指導方法の開発を行ったり、各学校に教育の情報化推進リーダーを複数配置して、校内の指導体制を強化したりするなどして、メディアリテラシーを含む情報活用能力を育成する教育の一層の推進をしているところでございます。  今、委員からヘッドハントというようなお話もありましたけれども、教員の人事権は区にございませんので、今後の研究課題と受けとめさせていただきたいと思います。 ◎髙山 教育改革担当部長 今、メディアリテラシーにさまざまなご提案をいただきましたけれども、学校で現場の教員あるいは校長が、そういった点について非常に重大な、あるいは認識を持っていることは教育委員会も同じでございますけれども、やはり学校だけでこういった問題は解決すべき問題ではない。今まさに情報の問題、インターネットであり、携帯電話であり、これは社会全体が子どもたちの環境の中でどういうふうにしていくのか、便利なものがどんどん使われるという時代ではありますけれども、これは大人の責任として、当然学校は研究校を含めてさまざまな努力をしていくことは重要でございますが、やはり地域、家庭、学校全体でこの問題を取り上げていただき、かつ、特に保護者の方が関心を持ってしていただくことは一番重要かなと思いますので、ご理解をいただければと思います。 ◆藤井まな 委員 特区構想なんて夢物語だなということを思っていらっしゃる方もいらっしゃるかもしれないですけれども、そういった意見もあるということで、今いろいろ答弁いただきましたので、そのメディアリテラシーに関して進めていっていただきたいなと思います。  次に、これを私の最後の質問にしようと思っていますけれども、スポーツに関する部署が今回移動になったということで、区民生活委員会で質問させていただいたんですけれども、答弁がちょっとよくわからなかったので、まだ所管がこちらにあるということで、どういった引き継ぎをしたのかなということが気になりますので、生活文化部と教育委員会でどういった引き継ぎがあったのかなということをお聞かせいただければ。 ◎小松 スポーツ振興課長 組織改正につきましては、ことしの四月を予定してございまして、具体的にはまだ引き継ぎはされてございません。  なお、内容につきましては、区のスポーツ振興を、今まで教育委員会所管でございましたけれども、区全体で区民の健康増進や体力向上を進めてまいりたい、取り組んでまいりたいという考えでございます。 ◆藤井まな 委員 じゃ、実際二週間後に移るかもしれないということに対して引き継ぎ的なものは全くしていないということですか。 ◎小松 スポーツ振興課長 教育委員会事務局としては、事務局的な打ち合わせはしてございます。先ほども申し上げましたように、教育委員会所管として残る小学校のスポーツ教室とか中学校部活動については教育所管、そのほかのスポーツ事業につきましては、スポーツ振興担当部のスポーツ振興課が賄うということで、その点の事務引き継ぎは進めております。 ◆藤井まな 委員 まだ実際には移っていないということですけれども、財団とスポーツを担当する部署がもう移動になるということで、でも、このスポーツということには、生涯学習とかいう意味も絡んでくるわけですから、前任者の方がしっかりと引き継ぎ作業をしていただかないと、また移ってからどうするのかなというのが見えなかったり、僕は個人的な考えで、今区の状況でなぜ二つあるのかなと、スポーツを担当する部署と財団があって、何かちょっと二重に見えたりすることもあるというふうな個人的な感想を持っているんですけれども、そういったことも区民にはどんどん説明していかなければいけないですし、それはもう生活文化部に移ったから僕らはもう説明しないよじゃなくて、そういったことのわかりやすい説明をこれからしていっていただきたい、区民に対するわかりやすいアピールをしていっていただきたいということを要望して、ひうち委員に交代します。 ◆ひうち優子 委員 私は、まずスクールゾーンにおける安全対策について質問させていただきます。  先日の都市整備領域で、スクールゾーンにおける安全対策についてハード面から質問をさせていただきました。しかし、安全対策はハード面だけではなかなか改善されないと思います。ハード面だけでなく、マナー、ルールの周知、徹底などのソフト面も必要である、そのためには区はもちろんのこと、警察、学校、そして地元の住民の方の協力があって初めて改善されると思います。  そこで、本日は学校の対応、協力という点からお伺いいたします。  先日も申しましたが、簡単に現状を説明させていただきます。環状八号線付近の住民の方から、この付近は環状八号線の抜け道となっており、狭い道にもかかわらず暴走する車が多い。特に、環状八号線が渋滞する朝、夕の時間帯は子どもが通学する時間帯。特に危険。しかも、スクールゾーンの表示が入り口にしかないため、相互通行の道ではスクールゾーンと知らずに反対側から入ってくる車と子どもがぶつかりそうになり、とても危険。  私も実際に現場に足を何度も運びましたが、確かに危険であります。子どもは車が来ないものと思って登校しているので、車が来たときにははっとします。  今回、ハード面では看板、またカラー舗装などで注意喚起を促すなどしてスクールゾーンの周知徹底をしていただけるとのことでしたが、学校の協力、対応というソフト面からお伺いいたします。学校の協力も必要だとは思うのですが、この対応はどのようにされているのでしょうか。 ◎岡本 学校健康推進課長 お尋ねのスクールゾーンですが、これは警察が地域の合意に基づく各小学校からの要請により、通学路の一部に一定時間について車の進入禁止などの交通規制をしている地域であります。道路標識や看板などで規制区域であることを表示しているものです。  スクールゾーンを含む通学路の安全対策として、現在学校では通常二カ所に学校主事の職員を配置して、交通安全の誘導を行っているほかに、民間委託の警備員による通学路の巡回も実施しているところです。  さらに、各小学校単位に、PTAやおやじの会、町会、自治会や商店街、高齢者クラブなど、地域の方々によって組織された子ども安全ボランティアの皆さんが、小学校、警察等と連携し、児童の登下校の時間に合わせ、通学路や地域内を徒歩、自転車等によりパトロールや見守りなどを行い、子どもの安全確保に努めていただいております。  子どもの安全を確保することは、学校の取り組みはもとより、保護者を初め地域の方々が連携協力し、できることを、できるときに、できる範囲で継続的に活動することが肝心と考えております。  区教育委員会といたしましても、子どもの命と安全を守るため、安全対策に努めてまいります。 ◆ひうち優子 委員 学校、地域の方の協力なくしては改善されないと思いますので、よろしくお願いいたします。  次に、図書館のあり方について質問させていただきます。  一般質問でも取り上げさせていただきましたが、引き続き質問をさせていただきます。  図書館は知の宝庫であります。人の知識、教養を高め、心を豊かにする。と同時に、図書館は情報提供の場でもあり、区民の文化力を高める重要な役割を果たします。書籍、視聴覚メディアは安価な娯楽の一つでありますし、世界に誇る日本の代表的文化である漫画、アニメ、ゲーム、食文化などを充実させるための文化発展の拠点としても図書館は重要な役割を果たします。そういった意味でも、図書館の存在は重要なのです。  そこでまず、図書館の今後のあり方についてお伺いいたします。  図書館に限らず、何か物事に取り組むときには、長期的な目標、ビジョンを明確にすることが必要だと思います。目標設定をしっかりと立て、その目標に向かいできるだけ細かい目標を設定する、その達成の積み重ねが大きな目標の達成につながるのです。  平成二十年度からの実施計画、教育ビジョンには、今後の図書館のあり方を検討するとありますので、何点か提案、質問をさせていただきます。  まず、図書館のあり方についてですが、例えば他区の図書館を見てみますと、調布市といえば映画図書館、千代田区といえばコンシェルジュ、またウェブ図書館、文京区といえば出張所図書館というように、専門性が高く、その分野で全国的にも有名な図書館がふえており、新聞でも取り上げられております。  先日私は調布市立図書館を見てまいりましたが、映画に関する資料、また映画、アニメなどの視聴覚メディアがかなり充実しておりました。特に、視聴覚メディアは、ビデオを初めCD、カセットはもちろんのこと、LDやDVDもかなりの数がそろっており、また一般の映画だけでなく、もう今は世の中に出回っていない貴重な映画、またNHKの歴史物など、教育に関するソフトから調布市の地域に密着したもの、また介護に関するソフトなど、かなり充実しておりました。  私は、これからの図書館は専門性の高い図書館が望まれると思います。専門分野に関する書籍が多くそろっているため、区内はもちろんのこと、区外、全国からも人が足を運ぶような専門性の高い個性的な図書館をつくれば、産業、経済も発達し、産業振興にも大きく貢献し、また、区民の文化力への意識も高まると思います。  そこで、世田谷区内の十六の図書館一つ一つがそれぞれの地域に合わせたものを専門テーマとし、それぞれの専門分野が全国的に有名な十六の図書館をつくってみてはいかがでしょうか。  例えば、世田谷区にゆかりのある文学者がかなりいらっしゃいます。徳冨蘆花、中村汀女、井上靖、北原白秋、斎藤茂吉、柳田邦男など。そこで、区内でも特に多くの著名な文学者が住んでいらっしゃった代田地域には文学者図書館をつくる。また、三宿地域には有名なレストラン、環状七号線沿い、世田谷通り沿いには有名なラーメン屋があるのでフード図書館、駒沢・深沢地域は有名なスイーツの店があるのでスイーツ図書館、また、サザエさん、ウルトラマンなどをテーマにしたアニメ図書館、また、みどり予算とあるように、世田谷区は緑が多い砧公園や駒沢公園の大きな公園から小さな公園まで、区内には数多くの公園があることからパーク図書館、また、世田谷区には桜や梅はもちろんのこと、そのほかにもハナミズキ、アジサイ、ツツジ、サギソウなど花の名所がたくさんあるのでフラワー図書館など、ぜひこのような専門性の高い図書館をつくってはいかがかと思うのですが、区の見解をお聞かせください。 ◎畑中 中央図書館長 図書館は区民の皆さんが学ぶことを通してみずからを高め、心豊かな区民生活を実現する地域の学習拠点としての役割を担っています。  今委員のほうから他自治体での特色ある図書館運営のお話やさまざまなご提案をいただきました。このことにつきましては、二十年度からスタートいたします、今委員のお話にもありました実施計画、それから教育ビジョンの第二期行動計画の中で、今後の図書館のありようを示す図書館ビジョンを策定することとしておりますけれども、その中で図書館に地域の個性や特色をどのように入れるかにつきましても検討の課題であるとは認識しております。 ◆ひうち優子 委員 ぜひ、その地域地域に合わせたものをテーマとし、それぞれが全国的に有名になるような専門性の高い図書館をつくっていただきたいと思います。  次に、図書館機能のPRの方法、開館時間、閲覧席について順次伺っていきたいと思います。  今回の質問に当たり、私たちの世代を中心とした多くの方に図書館に対しての意見を聞いたところ、まず図書館に行く目的がない、図書館に行くきっかけ、機会がないのでめったに行かない。どんなサービスがあるのかわからない。働いているので、早く閉まってしまうイメージがある。また、土日に行ったら、席がいっぱいで余りきれいでなかったなどのご意見がありました。  そこで、図書館は主要な新聞がそろっており、何年分かのストックもあるし、探している本が区内外の図書館から取り寄せられる。インターネット利用可のところもある。インターネット予約もできると紹介したところ、結構便利だな、行ってみようかなと言っておりました。  そこでまず、図書館機能のPRの仕方についてお伺いいたします。  どんなにいい図書館をつくっても、よい資料をそろえても、しっかりと区民によさを周知、PRしなければ宝の持ち腐れになってしまうと思います。そうならないように、図書館機能のよさをより多くの人に知っていただく、そのPRが必要です。  先ほどの区民の方のご意見、また私の実体験からも申し上げますと、図書館の利用者をふやすには、図書館に目的を持って行く人もいらっしゃいますが、まず、図書館に行くきっかけをつくることです。図書館に一歩足を踏み入れるだけでもいいのです。建物がきれいだから、また、書類を取りに来たついでに行くなどと、理由は何でもいいのです。ふらっと行ったらこんなにいいものがあった。一日じゅう図書館で過ごしてしまった。また利用しようかなとなると思います。何事もきっかけが重要であると思います。  私も最初は勉強をする目的で行ったのですが、そのうちにいろいろなサービスがあることを知り、勉強を忘れ、ほかのことで一日を過ごしてしまったという経験があります。  そこでお伺いいたします。  まず、現在の広報活動はどのようにされているのでしょうか。例えば、区のトップページの予約のアイコンが小さくてわかりにくいので、もう少し強調する。またホームページについてですが、図書館の情報、サービスが一目で見てわかるようにする。例えば、館内や書籍、視聴覚メディアなどの写真を入れたりしてカラー部分をふやす。また、一つ一つの図書館の個性を出すようなホームページにするなど、工夫をして区民が行きたいと思うようなホームページをつくることも必要だと思うのですが、いかがでしょうか。 ◎畑中 中央図書館長 図書館の生涯学習の拠点としての機能を多くの皆様に知っていただきまして、利用の促進を図るために、従来以上に情報の発信に力を注ぐ必要があると認識しております。  現代の広報活動といたしましては、ホームページ、それから広報紙、ポスター等で、図書館の中におけるサービスあるいは所蔵している資料、それから図書館が実施する事業等を広く紹介させていただいているところでございますけれども、今後とも委員のお話にありました点も参考にいたしまして、ホームページの改善やほかのPR活動もさらに工夫を凝らしまして、多くの皆様に足を運んでいただくように努めてまいりたいと考えております。 ◆ひうち優子 委員 幾らよい図書館をつくっても、それが知られていないのではもったいない、宝の持ち腐れになってしまうので、ホームページ以外でも広報紙などでPRをさらに工夫していただきたいと思います。  次に、開館時間についてお伺いいたします。  先ほどの区民の皆様のご意見にもありましたが、図書館にめったに行かないという人の中には、朝から晩まで働いているので行く時間がない、専門書を見たいが、仕事から帰ったらもう閉まっているという声をいただきました。  平成十八年にできた経堂図書館は、平日は二十一時三十分まで開いており、仕事帰りに寄ることができると好評です。しかし、経堂図書館以外の区内の図書館の開館時間は、平日は十九時までです。  他区を見てみますと、港区、千代田区の図書館はすべて平日二十二時まで、また、豊島区では中央図書館は二十二時まで、目黒区でも中央区でも中央図書館は二十一時まで、目黒区の中目黒駅前の図書館は二十一時四十五分までとなっております。その他の区でも、平日は二十時までの区がほとんどです。  世田谷区でも、開館時間を延長すべき、その地域、場所によってニーズのある場所は開館時間を柔軟に対応すべきと考えますが、いかがでしょうか。 ◎畑中 中央図書館長 平日の日中に仕事や学業などさまざまな理由で図書館のご利用が困難な皆様がいらっしゃるということは承知しております。  今委員のお話にありましたように、平成十八年に開館いたしました経堂図書館につきましては、二十一時三十分まで延長開館しておりまして、大変ご好評をいただいているということでございます。  今後につきましては、立地や地域性等も踏まえた上で、開館時間につきましては図書館ビジョンを策定する中で検討してまいりたいと考えております。 ◆ひうち優子 委員 世田谷区内の経堂図書館以外の他の図書館でも開館時間を延長していただきたいと思います。  次に、資料等の閲覧席についてお伺いいたします。  高校生から、図書館を利用していていつも思うことがあります。学校のレポートを作成する際、専門書で調べたいと思い図書館に行くのですが、閲覧席が少なく、いつも満席のため、なかなか調べられないという実態があります。区民の方にもお聞きしましたところ、資格を取るために法律などの専門書は値が張るので図書館でその場で見たいが、その本を見る場所がない。ひどい人は、朝から場所だけ確保して荷物だけ置いてあるというご意見をいただきました。
     世田谷区内図書館の閲覧席総数は、世田谷区の人口八十四万人に対し、分館も含め二十一図書館で六百三十八席です。他区の状況ですが、大田区では人口六十六万人、十五の図書館で合わせて二千九百九十一席、渋谷区は人口約十九万七千人で七つの図書館、合わせて千百二十席、港区では人口十九万人、六つの図書館で合わせて千二百二十二席となっております。  世田谷区では閲覧席が少ないのが現状だと思います。値段の張る専門書など図書館でしか見られないものもあり、いい資料があっても、閲覧席が少なければ利用者も減ると思います。今後ふやしていく必要があると思いますが、いかがでしょうか。 ◎畑中 中央図書館長 利用者の皆さんが読書や調べ物に集中できる環境をご提供することは図書館にとって重要なことであると認識しております。  区立図書館の閲覧席の現状でございますけれども、休日は満席になるということもございます。限られたスぺースの中で、一方で蔵書の充実による書架の増設などという課題も抱えてございますけれども、可能な限りの対応をしてまいりたいと考えております。 ◆ひうち優子 委員 限られたスペースを活用し、可能な限りふやしていただけるとのことなので、例えば机の幅を少し狭くするなどの工夫をして席をふやし、できるだけ多くの人が館内で閲覧することができるようにしていただきたいと思います。  次に、閲覧室が足りないということに関連して、今回小学生の子どもを持つお母様からこんなご意見をいただきました。家で勉強できる空間をなかなか確保してあげられない。テレビ、インターネット、ゲームと、家ではいろいろと誘惑があり、また、兄弟もいるし。そこで、特に土日や夏休みなどの長期休暇に家の近くの図書館を利用したいが、行っても席が少ないし、老朽化していて暗いイメージがあるので、子どもが行きたがらない。図書館の席をふやしたり、きれいにするなどして、子どもが行きたがるような、そして、親子で一日じゅう過ごせるような場所にしてほしい。それか、土日、夏休みに学校の図書館を子どもたちのために開放していただけないかしらとのご意見をいただきました。  確かに、区内の図書館は老朽化しております。しかし、コストの面もありますし、すぐに全部改築というわけにもいかないと思います。  そこで、学校図書館を子どもたちの勉強の場、学習の場として土日、また夏休みなどの長期休業に開放してはいかがかと思いますが、現在そのような取り組みはされているのでしょうか。また、これからそのような取り組みはされるのでしょうか。方向性もあわせてお聞かせください。 ◎菅井 学務課長 学校図書館の地域開放につきましては、子どもの読書活動を推進するとともに、子育て支援、親子触れ合い活動への支援など、地域コミュニティーの活性化に資することを目的に、土日を開放日として昨年から船橋小学校、ことしから桜丘小学校の二校で実施をしております。  実施に当たりましては、遊び場開放運営委員会の方々が主体となって、地域の方々にもご協力をいただいて開放事業を運営しておりますけれども、施設の安全管理や図書管理に加えまして、定期的な読み聞かせ会といった催しも行っているところであります。  また、学校によっては、主体的な取り組みとして、地域運営学校や総合型地域スポーツクラブ等が運営主体となって実施している学校、あるいは夏季休業期間中の水泳指導日等に、地域の方々のご協力を得て、学校図書館の開放を行っている学校もございます。  利用対象につきましても、地域に開放している学校もあったり、あとは自校の児童に限定して開放している学校もあるなど、開放期間を含めて対応はさまざまでございますけれども、現在、二十四の小中学校が図書館開放を行っているという状況にございます。  平成二十年度は、モデル校の検証期間として引き続き二校による実施としておりますけれども、こうした各学校での主体的な取り組み事例、こういったことも比較検証しながら、検討を進めていきたいと考えております。 ◆ひうち優子 委員 地域のボランティアの方が管理をしてくださるということで、安全面でも、またコスト面でも地域の方とのコミュニケーションという面でも、土日、長期休業の学校図書館の開放は必要だと思います。  特に、土日開放はモデル校二校で実施しているということなので、周知もしっかりしながら、モデル校としてでなく、本格実施に向け積極的に進めていただけることを要望させていただきます。  最後に、一般質問でも取り上げましたが、学校給食選択制について引き続き質問をさせていただきます。  越前市では、中学校給食を、持参のお弁当を含め、幾つかのメニューから選択できる制度をとっております。学校給食を選択する、受動的から能動的な給食にすることにより、食について関心を持ち、食育にもつながる。また、アレルギー対応、働く親のニーズに対応できるという利点があることは、先日一般質問で述べさせていただきました。  そのほかにも、給食の予約から学習まで一連の学習活動としてITを活用しており、ITの情報管理能力、コミュニケーション能力を活用することで、楽しいIT学習につながります。  そこでお伺いいたします。  このような給食を使った楽しいIT学習のように、親しみやすく楽しいIT学習、子どもたちが興味を持ち、すんなりと入っていけるような学習が大切だと思います。  そこで、世田谷区では、教育の情報化推進計画が策定されましたが、その中で楽しくIT学習ができるような取り組みについてどのように考えているのでしょうか。現在の状況、今後の取り組みについて区の見解をお聞かせください。 ◎小島 教育指導課長 学校教育活動でICTを効果的に活用した取り組みは、子ども一人一人の学習の意欲を高め、理解を深める上で有効であると認識しております。  ICTを活用した授業の例としましては、小学校の体育のマット運動において、ビデオを活用して自分の演技を録画再生し、わざの状態を確認しながら練習する事例があります。子どもは友達の助言だけではなくて、自分の演技を見ることができるので、熱心に取り組んでおりました。  また、ある小学校の家庭科の例では、実物投影機とプロジェクターを使い、教師が手元を黒板に大きく映しながら、糸の端を玉結びしながら説明するということで、手元がよく見えるということで子どもたちは楽しく学習に取り組んだというような事例もございます。  区教育委員会といたしましては、現在策定を進めております教育の情報化推進計画の基本方針の中にICTを活用した児童生徒の学力向上を位置づけ、各学校にパソコン、実物投影機、プロジェクター等の機器を配置しておりますけれども、それを効果的に活用して、楽しく、意欲を持って取り組めるということを大切にして進めたいと考えております。 ◆ひうち優子 委員 ICT化学習は、受動的でやらされているというのではなく、子どもたちの中に自然に入っていく能動的になることが大切なのです。  学校給食選択制を使った例などを参考にし、楽しいICT化学習を考えていただきたいと思います。  以上で私の質問を終わらせていただきます。 ◆風間ゆたか 委員 質問をさせていただきますが、予算特別委員会ということですので、まずは我々会派から提出しております予算要望書、各項目に関して教育委員会がどのようにとらえて、どのように取り入れていくのかというのが、ちょっと予算書を見ていてもわからないところが多いので、一つ一つ確認させていただきたく思います。  まず一つ目ですが、学校評価制度における内部評価の充実ということを要望として出させていただいております。これは、決算特別委員会でも私が質問させていただきましたけれども、地域とか保護者とかの一方的な評価ということではなく、教師自身の自己評価と照らし合わせてというようなことが必要だということを主張させていただきましたけれども、これに関して二十年度はどのように取り組んでいくのか、お聞かせください。 ◎小島 教育指導課長 区教育委員会では、平成十七年度からすべての区立小中学校で学校外部評価委員会を設置して、学校外部評価を実施しております。  学校教育法並びに学校教育法施行規則の改正に伴って、保護者や地域の方々による評価に加えて、学校の自己評価についても、外部評価委員会が評価することなどが法令にも位置づけられ、その流れが文部科学省の新たな学校評価ガイドラインにも示されました。  区教育委員会といたしましては、今回の法令改正等も踏まえ、学校評価ガイドラインを参考にし、世田谷区立学校の学校評価の一層の充実や改善を目指して、学校評価システムのあり方について現在検討しているところでございます。 ◆風間ゆたか 委員 ということは、その教員自身の自己評価ということは二十年度は行われるという理解でよろしいんでしょうか。 ◎小島 教育指導課長 学校の教員の内部評価と、それを情報提供した外部評価、それが二十年度は実施していくということでございます。 ◆風間ゆたか 委員 決算でも申し上げましたけれども、ギャップサーベイがすごく重要だと思っていて、先生自身もギャップに気づくということと、先生と地域の方々、保護者の方々がともに学校をよくしていくという意味で、この外部評価というのは生かしていかなければならないと思いますので、ぜひともこういったギャップサーベイの観点を取り入れていってもらえればと思います。  続きまして二点目、道育の導入と記してありますけれども、国としても道徳教育に関して力を入れていくべしという方針が打ち出されてきたかと思います。我々の会派としましても、私自身のこれまでの経験からしましても、こういった道徳的なものというのは、押しつけ的に教科書でこれを覚えろというものではなく、やはり体感して学んでいくものだと考えております。  そういった意味で、例えば武道だとか日本古来の茶道だとか華道だとかという道のつくものを実体験しながら道徳というものを学んでいく必要があるということで予算要望にも掲げさせていただきましたが、区の教育委員会のとらえ方、二十年度どのようにしていくのかということをお聞かせください。 ◎小島 教育指導課長 小学校五年生の教科「日本語」では、「日本の伝統・文化にふれよう」という学習の中で、道という言葉のつく伝統的な文化について調べるという学習を位置づけております。  例えば、船橋小学校では、この活動の一環として、地域の方を招いて茶道の作法を学んだり、実際に茶道の体験をしたりしております。  区立中学校では、来年度、平成二十年度から実施する教科「日本語」の日本文化領域の中で、学習内容の中に道の文化を位置づけ、茶道や華道を体験することや、道という言葉がつく伝統的な文化を選び、その文化が求める心のあり方について調べるなどの活動を予定しております。  このほか、区立小中学校では、例えば希望丘小学校の華道の体験や喜多見中学校での茶道の体験など、地域の方々などの協力を得て、特色ある教育活動の一環として茶道、華道に取り組んでいる学校もございます。 ◆風間ゆたか 委員 今のお話ですと、華道とか茶道という事例も実際にあるということでしたが、男の子の場合は武道、柔道とか剣道とかいうことを通じて学べる部分もあるかと思いますし、もともと道に関心があったりとか自分で選んだりとかいうことをしている子どもたちもたくさんいると思いますけれども、先進的な取り組みをしている、私の知っている人が経営している私立学校では、道徳を研究していった結果、やはりそういった日本古来のいろんな道を体感させることで、自分なりに見出していくべきだということで取り入れている事例も実際にあったりしましたので、ぜひともこういった武道なども含めた道育の導入ということには引き続き研究していただければと思います。  続きまして、民間人管理職の登用ということで、これも再三私のほうで提言させていただきましたけれども、一番有名な杉並区の和田中も有名な校長先生が今期で引退されると。引き続きその後輩の方が民間人校長として登用されるというような報道も出ておりましたけれども、世田谷区としてこのあたりはどのように考えられているのかをお聞かせください。 ◎小島 教育指導課長 学校における民間人管理職につきましては、全国の例を見ますと、さまざまな事例がございまして、また、課題もあると認識をしております。  世田谷区といたしましては、現在のところ、民間人管理職を登用する予定はございませんが、今後、他自治体における民間人管理職の活用状況などを十分注視してまいりたいと考えてございます。 ◆風間ゆたか 委員 続いて、実社会教育の導入という項目になりますけれども、キャリア教育だとか社会保障教育、税務教育など、民間の専門家を活用した実社会に必要な教育を全校で導入すべきだということを提言させていただいております。  他会派からも同様の質問が多少あったかと思いますけれども、これに関しては二十年度どんな予定でしょうか。 ◎小島 教育指導課長 すべての区立中学校では、区内外の事業所等の協力を得て、平成十八年度から三日間の職場体験を行っております。職場体験において大切なことは、生徒自身が実社会での体験を通して働くことの喜びや厳しさを味わい、充実感を実感することがあると考えますが、生徒からは礼儀や社会の厳しさを学んだとか、働くことの大切さや責任感を実感したというような声が聞かれております。  また、民間の専門家を招いて教育活動を行っている学校もあり、例えば山崎中学校ではキャリア教育の一環として、働く人からお話を伺おうという活動を位置づけ、今年度は弁護士や行政書士、テレビ局の関係者などから生徒がお話を伺い、将来の夢や希望を考えるなどしております。  このほか、税務署の協力のもと、税の専門家を招いて租税教育を実施するなど、地域の方々の協力を得て、将来社会を担う生徒に社会の諸問題を自分の問題として考えさせる活動を行っている学校もございます。  区教育委員会といたしましては、今後も地域の人材を活用するなど、キャリア教育の推進を通して生徒が将来社会人として自立していくことができる力をはぐくんでいくという考えでございます。 ◆風間ゆたか 委員 キャリア教育に関しては、既に職場体験を中心に進んでいるのだなということは確認できましたが、世田谷区内においても、我々の会派の藤井委員からも個店をという話がありましたが、個店の方々は、人手の問題もあって、三日間受け入れというのはなかなか厳しい部分もあるかと思います。  さまざまな職業を体験するということで、また、その体験した内容をクラスの中で発表し合うということで、いろんな職業があるんだということを子どもたちが共有し合うことが一つの大きなねらいだとも思いますので、例えば世田谷区においては、区役所の庁舎のほうに職場体験に来るような事例というのはどれぐらいあるんでしょうか。 ◎古閑 生涯学習・地域・学校連携課長 職場体験の受け入れの平成十九年度の今までの実績でございますけれども、区役所関係では、区立図書館とか保育園、児童館が大半を占めております。ただ、その他に総合支所とか出張所、それから教育委員会事務局等でも受け入れの実績がございます。また、受け入れの意向はあったものの、実際に中学校からの生徒の派遣がなかったというような受け入れにつながらなかった事例も幾つかあります。  教育委員会では、今後も区役所での職場体験の受け入れの充実に向けて関係の所管と協力を働きかけていきたいとは思っております。 ◆風間ゆたか 委員 もし公務員行政職の魅力がなくて集まらなかったということであるならば、とても残念なことだと思いますので、そういったアピールもしていただければと思いますが、一方で、若い人たちに人気のある下北沢の個店といいますか、ショップといいますか、そういったファッションに興味があるような子たちなど、そういったところへの実績とか働きかけというのはあるんでしょうか。 ◎古閑 生涯学習・地域・学校連携課長 今、その下北沢等の若者に人気のお店等に関しての具体的な実績は持ち合わせておりませんけれども、ただ、産業界と連携しておりますので、地元の中学校を通して具体的に近辺のお店等に働きかけているところもいっぱいございます。そういう面では実績としてはあるものと思っております。 ◆風間ゆたか 委員 今、中学生にもなりますと、私なんかよりもよっぽどパソコンが強い子なんかもいますし、プログラムを組めるなんていう子たちもいると聞いております。そう考えると、小さな企業でもIT企業などに関心を持つような子どももいるかと思いますし、また、世田谷にはものづくり学校などもありますので、そういった世田谷らしい特徴といいますか、そういった企業にもどんどんとその魅力を伝えるようなことを含めて、キャリア教育に関しては広げていっていただければなと思いますので、これは要望として申し上げておきます。  また、講師が学校の中に来て生徒たちに話すというようなお話がありましたけれども、私も経験上、なかなか大人の難しい言葉が子どもに伝わらないというような課題があるということは認識しておりますけれども、外部の方が学校現場で教壇に立つといったときに、例えば研修だったりとか、事前のファシリティー能力のチェックだったりとか、そういうようなことはされているんでしょうか。 ◎小島 教育指導課長 事前の打ち合わせ等、教師が連絡をとってするというようなことはしておりますけれども、区として特別に研修会等はまだ実施しておりません。 ◆風間ゆたか 委員 これも今後民間人の活用ですとか地域の方々に協力をお願いしていくということになると、その方が子どもたちにわかりやすい言葉でしゃべれるのかどうかというのはやはり課題になってくると思います。また、そういった事前の準備を先生方がキャリア教育としてやるということも大変重要なことだと思いますので、そういった先生方の研修だとか、そんなことも今後検討していただければと思います。  引き続き項目を変えまして、指定校変更制度の見直しといったところで質問させていただきます。  既に指定校変更に関しては、基準を今回厳しくしたというような話を聞いておりますけれども、具体的にどう見直したんでしょうか。 ◎菅井 学務課長 指定校変更ですけれども、ことしの四月から新入学になる方々へ対応するということで、基本的には従前徒歩が原則だというような部分については抜けておりましたので、そういった部分については原則をきちっと明記させていただいたというようなところ、あとは身体的な理由の部分についても、どういったことが身体的な理由になるのか、そういったところについても明記させていただいたというところ、それと、通学の安全安心という部分については、この辺は個別に懸念される理由によりというような形で、直接私どもが現場に行って確認をさせていただくような形にさせていただいたと。  いま一つ、友人関係ですけれども、これまでは保育園、幼稚園、小学校等友人関係で指定校を希望する場合というような規定になっておりましたけれども、その辺については、特に配慮を要する場合というような形で整理をさせていただいたというところでございます。 ◆風間ゆたか 委員 その結果として、具体的に指定校変更を認めた子どもの割合というか数自体は随分変わったんでしょうか。 ◎菅井 学務課長 まだ正式には数字が出ておりませんけれども、十九年度における新一年生の小学校の指定校変更許可件数ですけれども、これが八百四十七件、中学校が五百四十件、こういうふうな状況になっております。  これに比べまして、本年度につきましては、小中ともに今の段階では減少しているという状況にございます。 ◆風間ゆたか 委員 その結果として、私が決算特別委員会でも問題視させていただいた、一クラスしかない学校というものの増減変化とかはあったんでしょうか。 ◎菅井 学務課長 新一年生の在籍者数が四十人以下の単学級となる学校、二月現在の見込みでございますけれども、小学校が十校、中学校が二校ということでございます。十九年度と比較しますと、小学校が一校減少しているという状況でございます。 ◆風間ゆたか 委員 決算のときにも課題として指摘させていただきましたけれども、やはり一クラスのまま六年間過ごしていくということに関しては大いに課題があると私は思っていますので、特に環七以東の学校数、小学校の数と、環八以西の小学校の数が一緒というのは、どう考えても不自然というか課題だと思いますので、この適正配置に関してはその後どのように検討が進んでいるんでしょうか。 ◎霜村 教育総務課長 学校の適正規模化適正配置につきましては、できる限り早い時期に取り組みの基本的な方向性を明らかにする必要があると考えております。  現在、児童生徒数の推移や施設の現況など、個別のデータを踏まえながら検討を進めております。検討に当たりましては、庁内に教育環境等検討委員会という組織を設けまして、教育委員会だけではなくて、全庁的な視点から議論を重ねておりまして、三月中をめどといたしましてまとめてまいろうと考えております。  学校の大規模化、小規模化、さらには施設の老朽化や学区域など検討すべき項目は多岐にわたっております。これらの課題を整理し、取りまとめたものを今後どのように議会や区民の皆様にお示ししていくかについては、現在熟慮を重ねておりますので、今しばらくお時間をいただき、検討させていただきたいと存じます。 ◆風間ゆたか 委員 先ほど他会派からも中里小学校の話が出ていましたが、私も近くを毎日通っているような状態です。本当に校庭も狭いですし、なおかつ学年ほとんどが一クラスというふうに考えますと、果たして本当にその存在意義といいますか、当然たくさんの卒業生がいるので、なかなか統廃合ということにならないのは重々承知しておりますけれども、やはり今の子どもたちの教育環境ということを最大限考慮した上で前に進めていっていただければなと、これは要望しておきます。  続きまして、関連なんですけれども、余裕教室の有効活用ということについて、これまた当会派から何度か質問もさせていただいておりますけれども、二十年度において余裕教室を新たにほかの形で有効活用するというようなケースがあれば教えてください。 ◎霜村 教育総務課長 余裕教室の活用につきましては、児童生徒数が全体としては増加傾向にあったり、あるいは特別支援教育をする部屋が必要になってきたり、少人数教育等の部屋も必要になってくるという全般的な状況がございまして、二十年度新たに今委員おっしゃられたように他へ転用するという事例は今のところ想定しておりません。 ◆風間ゆたか 委員 私の長男も中学校の中にある分園の保育園に入っております。お兄さんたちに声をかけられたりということで、非常に付加価値のある保育園だなということを実感しているところでありますけれども、確かに子どもの数がふえていて、小中学校において今後余裕とは言い切れないということがあるかと思いますけれども、統廃合のこと等含めて、余裕教室の有効活用ということは引き続き検討していただければと思います。(「しっかりやんなきゃだめだよ、有効活用は」「時代に合ったニーズに転用してくんだよ、もっと」と呼ぶ者あり)はい、お願いします。  続きまして、区立幼稚園での預かり保育、これは当会派でもすがや委員より、もう聞きませんよというような話も含めてさせていただいておりますけれども、やはりこの保育園待機児の問題というのは、全庁挙げて取り組んでいただかなければならないものだと思いますので、その進捗状況をぜひともお聞かせください。 ◎菅井 学務課長 このたび文部科学省から示された幼稚園教育要領案では、いわゆる預かり保育の具体的な留意事項について明記されております。その中で、お話の預かり保育につきましては、幼稚園における教育課程終了後などに引き続いて園児を預かることとして、活動に際して配慮すべき事項ですとか、実施に当たっての日数・時間等、弾力的な運用や指導体制の整備が必要とされております。  こうしたことを踏まえまして、現在、教育委員会内部におきまして、それら具体的な課題を取り上げて、保護者ニーズの調査方法も含めて検討しているという状況であります。  こうした課題の整理をもとに、今後の区立幼稚園での預かり保育の取り組みについて検討するということで考えております。 ◆風間ゆたか 委員 保育課の方々ともお話しさせていただいて、なかなか待機児解消というところまで図が見えていない、絵が見えていないというような状況だと思います。  そこで、この区立保育園の預かり保育というのは、大幅に数を削減できる可能性を秘めていると思いますので、ぜひとも前に進めていってもらえればと思います。  続いて、予算要望書の最後の項目になりますけれども、国際交流に関して、私もバンバリーに行かせていただきまして、子どもたちが現地で非常にさまざまな経験を受けて、刺激を受けている様子を目の当たりにしてきました。ぜひとも少しでも多くの子どもたちに体験してほしいと思うようなことでありますけれども、決算特別委員会で中村委員から質問がありましたが、現在のところだと、その学校において二年に一回しか可能性が回ってこないということで、全くチャンスすらない学年があるわけですね。それを倍増するというだけで、全部の学校から毎年一人ずつということが実現できるのではないかと思いますけれども、これに関してはどのように検討していただいたのか、お聞かせください。 ◎小島 教育指導課長 現在、区教育委員会では、小学生のオーストラリア及びオーストリアへの海外派遣事業を実施しております。また、生活文化部が実施している中学生のカナダ親善教育交流も連携して取り組んでおります。  今委員おっしゃった海外派遣事業並びに親善教育交流の拡充につきましては、今後の研究課題とさせていただきたいということで、よろしくお願いいたします。 ◆風間ゆたか 委員 続いて、二十年度の予算でこの資料を見させていただきまして、新たな取り組みとして家庭教育の支援という項目を見ました。恐らくは、国の方の方針を受けてのことだと思うんですけれども、世田谷は既に子ども部が先進的にさまざまな事例に取り組んでいるかと思います。このすみ分けはどのように行っていくのか、お聞かせください。 ◎古閑 生涯学習・地域・学校連携課長 区では、家庭教育支援を平成二十年度重点事業と位置づけております。全庁的に事業を推進していくために、家庭教育に関する庁内の関係所管との連絡会を設置しまして、家庭教育支援についての協力体制を考えていきたいと思っております。  特に、子ども部との連携は重要と考えております。既に子ども部では入学前のお子さんがいる家庭に対しましては、子育て交流事業や情報誌「こそだてコンパス」を作成するなど、家庭への支援策を行っているところでございます。  教育委員会におきましては、PTAや学校と連携し、家庭教育学級の開催など家庭教育への支援に努めております。  今後、家庭教育関連所管とも連携し、子どもの発達段階に応じた家庭教育支援につながるような施策の充実を図ってまいりたいと考えているところです。 ◆風間ゆたか 委員 もともとこの家庭教育の支援というのが国で方針が決められたときには、かなり押しつけ的な項目なんかも出ていたりしたので、小さい子を持つ親としては、こういった押しつけ的に家庭教育はこうあるべきとされるのではないかというような懸念もありますし、世田谷区の教育委員会がこれまでやってきたやり方と少しかぶる部分があるなと私は感じたりしたんですけれども、この家庭教育支援に関しては、そういったスタンスではないと確認させていただいてよろしいでしょうか。 ◎古閑 生涯学習・地域・学校連携課長 家庭教育につきましては、学校だけじゃなくて、家庭だけではなくて、学校とか、また地域の方も挙げて一緒になって支援していくというような取り組みが大事かと考えております。  したがいまして、今、計画では地域のいろんな方々と一緒になりまして、家庭教育支援を地域を挙げて取り組めるような区民会議等も設置を考えて進めていきたいと考えているところでございます。 ◆風間ゆたか 委員 午前中に田中委員から出された提案というのは、これから小学校に入れる親の立場からすると、本当にぜひやってもらいたいと思うことでありますし、そういう形で本当に区民のニーズに沿った形でやっていただければと思います。なかなか家庭教育支援の取り組みということをやったとしても、関心のある人しか集まらないということでは、根本的な問題解決にはならないかと思います。  今、例えば例としては、家庭教育とかにそんなに関心はないんだけれども、こういった著名人がいるのであれば話を聞いてみようみたいなことであれば、我々の世代というのは足を運ぶ可能性というものもあるのではないかと思います。  早寝早起き朝ご飯の国民運動なんかも、なかなかそういったことがなされていないような感じがあります。私も先日その集会にちょっと顔を出してきましたけれども。一方で、俳優の浅野忠信さんとか安藤忠雄さんとか古田敦也さんがキッズ・セーバーというプロジェクトを今月末に始めて、子どもたちにどんどんメッセージを投げかけていこうなんていうボランティア的に活動していくなんていう動きがあったり、家庭教育の講演では、第一人者でもある長田百合子さんがNPOを立ち上げて、家庭教育支援機構という形でボランタリーに各地域で親と子を応援していこうというような動きがあると私も聞いております。 ○小畑敏雄 委員長 以上で民主党・無所属連合の質疑は終わりました。
     ここでしばらく休憩いたします。     午後四時四十六分休憩    ――――――――――――――――――     午後五時開議 ○小畑敏雄 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  日本共産党、どうぞ。 ◆里吉ゆみ 委員 では、私からはまず初めに、学校図書館に専任の図書館司書を置くことを求めて質問をいたします。  学校図書館は、学校の学習情報センターであり、読書センターとも言われています。また、子どもの読書活動の推進に関する法律によれば、子どもの読書活動は、言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、創造力を豊かなものにし、人生をより深く生きる力を身につけていく上で欠くことのできないものであると定義されています。  現在、世田谷区の学校図書館には、学校図書館事務の臨時職員が全校に配置されていると伺っております。また、十二学級以上の学校にはすべて司書教諭と呼ばれる先生が配置されていると伺っております。  まず初めに、これら臨時職員の方と司書教諭の方それぞれどのような役割を持っているのか、どのような仕事をしているのか伺います。 ◎小島 教育指導課長 学校図書館の臨時職員は、平成八年度から学校に配置しまして、当初は年間六十日でしたが、現在は百日と、そして一日五ないし六時間ですが、三時間とすれば年間二百日まで配置できます。  図書館司書につきましては、図書館司書教諭の資格を有する者あるいはそれに準ずる者で、学校長が適任と認める者を採用しております。  学校の図書館司書教諭が学校の子どもたちの読書計画や読書推進、学校内全体の推進をするのに対して、臨時職員につきましては、事務的な補助を中心に、図書室の環境整備、本の貸し出しや返却に関すること、書架の点検整備に関すること、簡単な本の修理に関することなどを実施しております。 ◆里吉ゆみ 委員 今お話がありましたけれども、世田谷区の学校図書館は、九五年に臨時職員を配置したときにはまだ先進的な事例であったと聞いております。今から十五年前、そのときには年間二十五日勤務で始まったそうですけれども、学校図書館に臨時職員が配置されて、その後翌年には年間六十日になり、さらにその翌年には中学校のみ年間七十日に拡大され、そして今から八年前の二〇〇〇年には年間百日臨時職員の方が学校図書館に来るようになりました。  今、世田谷区でも世田谷区子ども読書活動推進計画の第二期行動計画案が策定準備されていますけれども、この中でも、子どもの読書の問題について触れられています。  まず、この行動計画の目的をお伺いします。それから、この計画の中で学校図書館とはどのように位置づけられているのか、また、改めて教育委員会には現在の学校図書館をどのようなものとしてとらえているのか、学校図書館の果たすべき役割をどのように考えているのかお伺いします。 ◎畑中 中央図書館長 それでは、行動計画の目的をまず申し上げます。  これは、先ほどの委員のお話にありました子どもの読書活動の推進に関する法律、この法律をもとにいたしまして、子どもが自主的に読書活動を行うことのできるような環境整備を計画的に推進するという目的で制定したものでございます。  次に、学校図書館の計画内での位置づけでございますけれども、委員のお話にもありましたとおり、学校図書館は児童生徒の読書活動を支える読書センター、あるいは調べ物学習の活動を支える学習情報センターとしての位置づけを持つ場所という形で位置づけております。 ◎小島 教育指導課長 ただいまのご質問の後半部分の教育委員会の部分についてお答えを申し上げます。  学校図書館の果たすべき役割ということでございましたが、学校図書館は児童生徒の自由な読書活動や読書指導の場として、さらには、創造力を培い、学習に対する興味関心等を呼び起こし、豊かな心をはぐくむ読書センターとしての機能と、児童生徒の自発的、自主的な学習活動を支援する教育活動の中核的な役割、そのようなものが期待されており、世田谷区の目指しているものもそのようなものでございます。 ◆里吉ゆみ 委員 児童生徒が読書をする際に一番触れる機会のあるのが学校図書館だと思うんですね。一日の大半を過ごす学校、その中にある学校図書館の役割は、すべての子どもたちが読書習慣を身につけるという目標に立っても大変重要な役割を担っていると思います。  また、国も今後五年間で司書教諭の配置をさらに十一学級以下の学校にも広げるという計画を決定しているということも伺いました。学校図書館への位置づけが強まっているのではないかと思うんですね。  私は、この学校図書館に今臨時の職員の方が年間百日行っているんですけれども、これを専任の職員としてきちんと置いていただきたい、勤務時間、勤務日数をもっとふやしていただきたいということを今回申し上げたいんです。  この八年間、臨時職員の勤務時間はふえていないんですけれども、本来図書館というところは、レファレンスの機能など専門の司書がいて初めて成り立つところなんですね。司書教諭と、それから学校図書館司書という専門家、どちらも専門家の人がいて初めて学校図書館の運営が成り立つと思うんです。  今、百日間の時間で働いていますが、これはそこまでは毎年のように日数がふえていた。この百日でぴたっととまってしまっているんですけれども、私、いろいろ調べましたら、年間百日間というのが臨時職員では限界なんですね。勤務日数や時間をふやすには、臨時職員という勤務形態を変更する必要があるわけです。  しかも、この働き方は連続して働けないんです。私が話を聞いた方は、一つの学校に図書館司書として入っているんですけれども、四月、六月、九月、十一月、一月、三月の月に学校の図書館に行っているということでした。  この勤務形態を、例えば非常勤に変更するなどしてもう少し学校の図書室に学校司書の人が行けるように勤務時間、勤務日数をふやすべきではないかと思うんですけれども、区の見解をお伺いします。 ◎小島 教育指導課長 世田谷区の臨時職員取扱要綱によりますと、勤務日数は一カ月に二十日以内、同一人物を二カ月以上続けて雇用することはできないとなっております。ですから、雇用期間につきましても、年間で六カ月以内と。  各学校におきましては、今後とも読書活動充実のためにかかわる学校図書館司書教諭、そして司書教諭でなくても、学校図書館担当の教諭、それから学校図書館の事務臨時職員、そして、学校図書館に係るボランティア等、それぞれの力が一層発揮されるように協力連携して取り組むということで進めてまいりたいと考えてございます。 ◆里吉ゆみ 委員 今お話ししましたように、隔月ごとにしか学校の図書館に司書さんがいないわけですね。今、司書教諭という話がありましたけれども、司書教諭の方は授業を持っています。クラスを持っていますから、図書室にずっといるわけにはいきません。  実際に、以前世田谷区の図書館がどうだったか。人がいなければ、せっかくの図書館も、ただの書庫のようになってしまうんですね。私、お話を聞きましたけれども、かつて世田谷区の学校図書館も本はほこりをかぶり、通常はかぎがかかっていて、何かあるときだけかぎをあけて入ると、こういう状況だったそうです。そこから、嘱託の先生や事務の方に手伝ってもらったりして、少しずつ図書館を整理整頓して開館時間を延ばすと、こういう努力をする中で、臨時の職員の方を入れようという話になって、今から十五年前に臨時職員の方を入れたと聞いているんですね。  そういう経過をたどってきているわけですが、今さらにこの学校図書館がどういうふうになっているか。私、狛江に行って話を聞いてきたんですね。今全国の学校図書館というのは、司書教諭と学校司書の共同で読書活動がどんどん進んでいるんです。お隣の狛江市の学校図書館の取り組みを見てきたんですけれども、狛江市では、二〇〇〇年に全小中学校の学校図書館に司書の職員の方、学校司書を配置したそうです。  学校司書の仕事の中で、いろいろ勉強になったんですけれども、例えば先生と連携をとって調べ学習の取り組みなどもやっていました。例えば、何年生が何月に多摩川のことについて勉強する。一言で多摩川といっても、例えばそこに住んでいる生物を調べるのか、地形のことを調べるのか、その時々いろいろ内容も異なります。学校司書の方は、先生からどういう授業をするのか、どういう資料が必要なのかを聞いたり、先生と相談して資料や本を用意する。足りない場合は、市の図書館や、それからほかの学校からも借りる。こういったネットワークもできていて、学校司書の方が他の図書館と連絡をとって必要な本をそろえる。さらに、この学校司書の方は、調べ学習で必要だけれども、なかなか本では手に入りにくいもの、民間の会社や工場、清掃工場などのパンフレット、こういったものを取り寄せてすべてファイリングしてありました。ここの狛江の小学校の図書室にはそれが置いてありました。  世田谷区の臨時職員の方は、年間百日の勤務ですし、通年で一人の人が一年通じて勤務できませんから、こうした年間の授業の計画に対応した仕事はなかなか難しいと率直に思いました。  それだけじゃないんですね。狛江市の研究発表会の資料もいただいてきたんですけれども、その中に、情報活用指導分科会というものの発表がありまして、報告書を読みますと、学校司書が配置されていたにもかかわらず、授業への資料提供と読書指導への支援が中心だったけれども、それでは不十分だということで、学校図書館を学校教育の中心に据えて、学校図書館情報を活用した学習活動が展開されることを目指すと。つまり、学校図書館を子どもたちみずからが学習資料センターとして活用できるようにカリキュラム、そういうものをつくったんです。これは、小学校低学年、中学年、高学年、そして中学生と段階を追って学校図書館の情報を活用するために、この年代には何が必要か、こういうことも研究して、実践授業も繰り返して、その指導の手引書まで作成されていました。  学校における中核的な機能として学校図書館はその教育的な機能を発揮しなければならないと、これは学校図書館の活動されている中では有名な話なんですけれども、学校図書館憲章というのがあるんですけれども、そこにこういう文章が書かれているんですが、まさにその方向で実践が行われていると思ったんですね。こういう活動が、本当に自覚的に学びをするという子どもたちの学びを応援する上で、ぜひ世田谷区でもやっていっていただきたいなと思うんですけれども、こうした活動をお隣の狛江市で今やっているんですが、こうした活動についてぜひご感想をお伺いしたいんですが、いかがでしょうか。 ◎小島 教育指導課長 世田谷区におきましても、司書教諭を中心として委員会活動とか、あるいは中央図書館の団体貸し出し等を活用して図書館機能の充実に努めているところでございます。他の例も参考にしたいと考えました。 ◆里吉ゆみ 委員 実は、世田谷区でもすぐれた例はたくさんあるんですね。ただ、それは臨時職員という中で、ここに決められている日数だけではできないことなんです。ほかの区では非常勤で雇ったり、それから嘱託で雇ったり、いろいろな働き方で、ほぼ学校があいている時間、通って学校図書館に行けるように、いつか世田谷区もなるであろうと、図書館司書の資格を持っている方がその当時から世田谷区の学校に来てくれていて、そして仕事をしてくれているんですね。この方たちが、図書館司書の資格を持っている方がほとんどボランティアでやっている状態なんです。  私がなぜ狛江に行ったかといいますと、世田谷区でずっと長い間働いていた方が、世田谷区にいてはずっとこの状況が変わらないということで、狛江市が先進的な活動をされているということで、狛江市に移ってしまったんですね。最初は世田谷区が先進区だったんですけれども、後から始まった、たまたまそれは狛江なんですけれども、狛江に行ってしまったということで、そういう意味では、大事な世田谷区の財産をどぶに捨てているようなもので、大変もったいないなと思うわけです。せっかく世田谷で始めたこういう取り組みが何でできないのか。  ちょっとお伺いしたいんですけれども、今、司書教諭の方、頑張ってボランティアの方も使って、アルバイトの方もそれなりに力を使ってもらって進めると言っていましたけれども、どうして臨時職員の方の勤務日数をもう少しふやすだとか、柔軟な対応をするということは検討できないんでしょうか。それをまずお伺いしたいんですけれども。 ◎小島 教育指導課長 現在、世田谷区では、区立中学校は全校で、また区立の小学校も多くの学校では朝読書に取り組んでおります。子どもたちに読書力をつけるというのは、学校全体の取り組み、教師の取り組みが極めて重要だと考えております。  そして、今は百日というお話もありましたけれども、それを三時間として日数をふやしていけば二百日ということで、さまざまな活用方法がございます。現状といたしましては、教師の役割、そして司書教諭の役割、それから臨時職員の役割、そして大変力をいただいていますボランティアの役割等、できるだけその力量を生かして、子どもたちの図書館の活用がスムーズに進むというようなことを目指してまいりたいと考えてございます。 ◆里吉ゆみ 委員 なぜふやせないのかというのは、その必要性がないからということでしょうか。お伺いします。 ◎小島 教育指導課長 子どもたちを取り巻くさまざまな教育環境を充実していくのは教育委員会の大変重要な仕事と考えておりますけれども、現在の進めている中で、より読書指導の場としての読書センターとしての機能、そして学習を支援する学校教育の支援的な役割を現在の状況でもまだまだ伸ばせると考えてございます。 ◆里吉ゆみ 委員 私、学校図書館の活用という研究主題で行われました深沢中学校の研究発表も見てきたんですね。これは大変立派な研究をされていたんですけれども、ここでは、放課後三十分ぐらいしか今の状態だと図書館があけておけないということで、STEPを活用して、STEPを図書というふうにして図書館をあけるということを使って学校図書館の活用の研究というか、みんなが図書館に行ってもらえるような環境づくりをやったそうなんですね。それで、すごく効果もあったと言っていました。  しかし、STEPというのは、何をやっても、別に図書館だけではなくて、ほかのこともいろいろ使えますよね。これは深沢中学校ですけれども、本来、放課後もっと図書館が長く開いていて、そして子どもたちが読みたい本がきちんと整理されているという環境があれば、もっともっと本を読む環境が整備されていれば、読書活動は進むと思うんですね。こういう使い方をしなければ図書館をあけられないという今の世田谷区の学校図書館というのは、もう少し改善の余地があるのではないかと私は思います。  それから、もう一つ申し上げますと、ボランティアの方に来ていただいて図書館をあけていただくということをやっている学校もあるかもしれません。しかし、先ほどほかの会派の話でもありましたけれども、図書館というのはただの本貸しの場所ではないんです。よくご存じの方に言うのもなんですけれども。ですから、専門家の方がいて、レファレンス機能などあって、初めて図書館として生きるわけですから、そこには、せっかく世田谷区図書館司書の資格を持った方も今まだ働いてくれていますけれども、そういう方をふやす、そして、今臨時職員で働いている方の中にも、図書館にすごく関心があるという方もいますから、そういう方にもぜひ資格を取ってもらう、もしくは研修をする、そういうことで全体の質も高めていく必要があると思いますし、せめて年間百日を二百日にするためには一日三時間、二百日続けて働けないので二人で分けて働くということですから、同じ人が一年間を通じてコンスタントに毎月学校の図書館にいられないという状況を何とか変える必要があるのではないかと思うんですが、検討するおつもりはないでしょうか。 ◎小島 教育指導課長 子どもたちが読書に親しみ、その読書の中からさまざまなものを受け取るというのは大変重要なことと考えております。読書というのは、時間を越えて、あるいは空間を越えて先人との対話という側面もございます。図書室で読む、教室で読む、家庭に帰って読む、その中でさまざまな読書習慣をつけていくことは極めて重要と考えておりまして、現在学校図書館にかかわる司書教諭だけではなくて、管理職含めて、すべての教員が読書の重要さを考え、学校体制を組んでいくことも極めて重要だと考えております。  その中で、現在働いていただいている臨時職員の中には、委員おっしゃるように司書資格を持っている方もいらっしゃいまして、現在の臨時職員がいてくれて大変ありがたいという声も聞こえております。より一層有効に活用してまいりたいと考えております。 ◆里吉ゆみ 委員 私は一カ月ごとに仕事をしている方からお話を聞いたんですけれども、四月、六月、九月、十一月、一月、三月という仕事の仕方なので、子どもたちに夏休みの本を紹介するのに、本の選定は六月にしなければできないと。十二月、冬休みにこれを読んだらいいんじゃないかなという本の紹介は十一月じゃないとできないと。これは小学校なんですけれども、そういうふうに言っていました。  学校の先生、確かに司書教諭の先生が配置されているんですけれども、皆さん担任を持っていらっしゃいますので、そこまでどうしても手が回らないんですね。それから、新しい本を買うための予算が教育委員会からついて、それは大変ありがたいことなんだけれども、図書館の本というのは大体いっぱいになっていますので、古い本だとか現在使わない本を廃棄しなければいけないんですね。この仕事がすごく大変なんです。どの本を廃棄処分に回すのか、その仕事をやっているのもこの学校司書の方たちなんですね。学校の先生はそういう時間がなかなかとれなくて捨てられないので、新しい本が来ても段ボールの中に入ったまま本棚の上に積んである。一カ月置きに行った人がそれを見て、本の廃棄をして、そして新しい本を入れる。今世田谷の学校図書館はこういう状況がまだまだ残されていると思うんですね。これは、もうきょうはこれで終わりにしますけれども、こういう状況を何とか改善する必要があると思うんですが、いかがでしょうか。 ◎髙山 教育改革担当部長 今、委員のほうから学校図書館に対してさまざまなお話がございました。今教育指導課長からお話をしてございますように、学校図書館の役割、それから学校の中の今後の重要性については教育委員会も学校も十分認識しておりますし、そのために学校図書館ボランティア等あるいは臨時職員と、さまざまな形で区教委も努力をしてきたことがございます。  ただ、今委員お話しの学校職員の臨時職員、アルバイトのお話につきましては、これは区全体の一般職でございますので、臨時職員の取扱要綱、この枠を区教育委員会が一方的に超えることはできません。ですから、私ども、ほぼ全校に学校図書館の司書教諭を配置してございますし、担当教員もおります。それから、地域の方のさまざまなボランティアの大きな力もいただいてございます。  今現在、私どもはこの条件の中で、今さまざまな課題はご提起をいただきましたけれども、現状の中で学校図書館をよりよくしていくために、校長以下学校で努力してございますので、そういった中で、臨時職員の方の処遇だけの問題を取り上げる問題と、それから学校図書館の今後のあり方というのは、少し観点が違うと思いますので、このあたりは十分ご理解をいただければと思います。 ◆里吉ゆみ 委員 最後に、私が見てまいりました深沢中学校のこの報告の文書の最後に、今後の課題というところに書いてあることだけ読ませていただいて、この問題を終わりたいと思うんですが、学校図書館の運営については、司書教諭の配置はもとより、司書教諭と連携しながら日常的に学校図書館の業務に携わることのできる学校図書館司書の存在が大変重要であると考える。司書教諭が授業、学級担任などに責任を持ちながら、学校図書館の運営をも担うことは非常に困難であり、今後の課題であると考える。これも一つの今後の課題だと私も思います。  コーディネーターとしての学校図書館司書との連携のあり方が学校図書館の運営を円滑にし、生徒の読書活動を活発にし、生徒の深く考える力と豊かに表現する力を育成し、発展させるものであると確信している。このように今後の課題というところでまとめています。  ですから、そういう意味では、もちろん学校図書館は専門家の図書館司書だけで成り立っているわけではありませんし、成功したところの例が、いろいろとこの学校図書館というところに、司書教諭と学校司書の連携というところに載って、幾つもの学校の経験が載っているんですけれども、どれを読んでも、司書教諭と学校司書と、それからそれ以外の先生たち、学校全体で取り組んでいる、そしてボランティアの方たちが地域から参加してくださっている。こういう全部の力が集まって、学校の図書館が本当に生き生きとみんなのものになっているということを私は学びました。それは、私はまだ狛江にしか行っていませんけれども、そこでも学んできました。ぜひ学校図書館がそういうものになるようにご検討いただきたいと思います。  では、次の問題に移ります。  次は、ことし改定を迎える教育ビジョンを少しお伺いしたいと思います。  教育ビジョン、いろいろと私も見させていただきましたけれども、まず第一期が終わって、今度第二期が始まるわけですけれども、第一期の三年間の検証、これがどのように行われたのか、それをまずお伺いしたいと思います。 ◎霜村 教育総務課長 教育ビジョン、平成十七年三月に決めて、三年間取り組みを進めてまいりましたけれども、委員もごらんいただいたとおり、ビジョンの中には六十ほどの行動計画を定めまして、年次計画を区切って取り組みを進めてまいりました。  この行動計画を進めるに当たりましては、一つ一つの行動計画、その内容に応じまして、担当の者が、あるいは担当課が、現場となる学校や地域とともに考え、意見を交わしながら進めてきているものでございます。  教育委員会は、このビジョンを策定して以来、継続してその各事業の進捗状況を把握し、進行管理を行ってまいりました。こうして現場とともに進めてきております事業一つ一つの取りまとめを行いまして、まずはこの三年間の評価と申しますか、取りまとめとしてこの第二期の行動計画を検討していく際の一つの資料といいますか、考え方のベースとしたものでございます。 ◆里吉ゆみ 委員 今のご答弁の中にも多少入っていたと思うんですけれども、この検証を行うときに、子どもの声や現場の先生方の声、保護者の声などはどういう形で聞いているのか、それからどのように反映させているのか、その点についてお伺いします。 ◎霜村 教育総務課長 今少しお話をさせていただきましたけれども、ビジョンを進めるに当たりましては、現場と一緒になって進めてきたものでございます。  それで、このたびの第二期の行動計画は、こうした積み重ねの上に立って全体を取りまとめておりますので、事業の内容によりますけれども、学校であったり、あるいは地域であったり、それぞれ保護者、区民あるいは学校の教職員の皆さんと意見交換をしながら進めてきております。  こうして取りまとめたものを素案として全体のものを示しまして、もちろん学校とも意見交換をいたしましたし、保護者の皆様にも説明をいたしましたし、また、個別に出前懇談会という形で各学校を回りまして、直接地域の皆様にもご説明をし、声を伺ってまいりました。さらに、これをパブリックコメントといった形で正式に声をいただくプロセスといいますか、ステップを踏みまして検討を進めてきたものでございます。 ◆里吉ゆみ 委員 今回、私、世田谷区の教育ビジョンを改めてもう一回読ませていただいたんですね。読みました。それから、第二期計画も読みました。これを読み比べてみてどこが違うのかというのは、違うところはあるんです。法律が改正されたことも受けて、九年教育など新たに加わった項目もありますし、消えていった項目もありました。ですから、それはあるんですけれども、三年間やってみてどうだったのかということが余りよくわからないんですよね。それ以外はそのまま検証なしに継続されているように見えたんですよね。  特に、この教育ビジョンでは、施策の第一に地域とともに子どもを育てる、こういう教育を掲げています。私も、地域で子どもを育てるという考え方はいいと思いますし、否定するつもりは全くありません。私が住んでいる烏山地域でも、子どもまつりとか木工まつりとか、そういうお祭りがありますし、本当に地域と学校がもう何十年来一緒にいろんなことをやっているという話も聞いております。ですから、今地域コミュニティーがいろいろなかなか難しいと言われているもとでこういう行事をやったり、地域で子どもを育てるということでいろいろ動いているのはすごくいいことだと思うんですけれども、第二期計画案を見ますと、地域とともに子どもを育てる教育というところに、地域教育基盤、学校支援コーディネーター、地域運営学校、学校協議会、そして学校関係者評価、これは今まで学校外部評価と呼んでいたものだそうですが、こういった項目が並んでいます。  私、過去の議事録もちょっと読み返してみたんですけれども、教育ビジョンが始まる前から、それからこの教育ビジョンが行われている三年間の間にも、各学校が積極的に進めようというふうになっているのか、トップダウンで行われているという印象があるとか、現場の教師は忙し過ぎるのにこのようなことができるのかとか、こういった声が各会派から出されていました。  地域の実態はその学校によってかなり違いがありますし、状況を踏まえて事を進めようと思えば、例えば地域運営学校など数の目標が書いてありますけれども、これは教育委員会としてはそういう計画を立てるということにどうしてなったのか私はわからないんですけれども、やりたいというところがあったら積極的にやってもらうというのが地域とともに子どもを育てる上で大事だと思うんですね。その点では、こういうものについては、数だけの追求にはならないというふうにしていただきたいんですけれども、その点はいかがでしょうか。 ◎霜村 教育総務課長 先ほどもちょっと触れさせていただきましたけれども、地域とともに子どもを育てる教育を進める上でも、例えば私もこの三年間、学校協議会が合同学校協議会という形に発展させてほしいというお願いを、所管としては生涯学習・地域・学校連携課になりますけれども、働きかけをさせていただいて、数多くの学校協議会あるいは合同学校協議会の現場に足を運んでみますと、ネットワークのようなものがどんどんでき上がっていって、もともとあった地域との連携も非常によくとれていたし、その地域の教育力も大変強いものがあったものが、さらに前に進んでいくというのを目の当たりに見てきた感じがしております。  こうした積み重ねに立って次に進もうというようなことを、この第二期行動計画の考え方にしておりますし、また、今お話にちょっと出ましたけれども、地域運営学校についても、当初五校でスタートいたしましたが、現在では毎年うちも地域運営学校になりたいという学校が教育委員会の想定以上に希望があるという状況でございます。地域とともにということの意義が、学校現場にも非常に浸透したといいますか、従前以上に強く意識されることになって、改善されている効果や、あるいはその充実感があるからこそ、先生方も地域も子どもたちも前向きに取り組んでいるものと解釈しておりますので、ご理解いただきたいと存じます。 ◆里吉ゆみ 委員 全体の合意のもとで進められているのであれば、その意義がわかって進めているのであれば、それはまだいいと思うんですけれども、私、学校の先生が本当に忙しくて、トップダウンでいろんな――さっきここを読みましたけれども、いろんなメニューがあって、本当に大変なんじゃないかという声を先生からも聞きましたし、父兄の方からも聞いているんですね。本当に先生が忙しそうだと。先ほど他会派の質問でもありましたけれども。  それで、現場で教育に当たっている先生たちの声はどのようにして上がってきているのかちょっと確認したいんですね。  といいますのは、先日新聞を読んでおりましたら、職員会議のやり方についてまで東京都の教育委員会のほうでは大分厳しく指導と言うんでしょうか、介入していて、何か話し合いをすることがいけないかのように私は読み取ったんですけれども、そういうことがされていたので、現場でやっている先生の声をきちんと校長先生が聞けないと、現場でやっている声が教育委員会には届かない、仕組み上職員会議で聞くしかないのではないかと思うので、ちょっとその点についてだけ確認させていただきたいんですが。 ◎小島 教育指導課長 職員会議についてですけれども、学校教育法施行規則については、四十八条に、小学校、これは中学校も同じですけれども、「設置者の定めるところにより、校長の職務の円滑な執行に資するため、職員会議を置くことができる」、「職員会議は校長が主宰する」となっております。  世田谷区では、職員会議は三つの目的を持っておりまして、校長が小中学校の管理運営に関する方針等を周知すること、二つ目に、校長が校務に関する決定等を行うに当たって所属職員等の意見を聞くこと、三つ目に、校長が所属職員相互の連絡を図ることとなっております。  区内の各小中学校においては、それを各校長が適切に運営しているものと考えてございます。 ◆里吉ゆみ 委員 実際どうなっているのかというのは、中に入ってみないともちろんわからないことだと思うんですけれども、昨年、教科「日本語」が始まったときにも、先生たちの声がなかなか教育委員会には届いていないのではないかと思いました。今回いろいろ聞いてみましたけれども、本当に地域と学校と一緒に子どもを育てるんだという答弁がずっと繰り返されたんですけれども、本当にそうかなと思わざるを得ないんですね。本当に学校の先生が大変で、これをやる意義があるのかもわからないまま、でも、ほかの学校でやっていて、ここの学校でやらないわけにはいかないという中でやらされているという声を聞いていますので、ぜひそういうトップダウンではなくて、下からの思いでできるものをやる、そういうふうにしていただきたいと最後に要望しておきます。  最後、就学援助について一点だけお伺いします。  総括質疑でも、この就学援助の問題はやりました。実際に就学援助を受けていても、必要な学用品、この分が支払われていないケースがあると。金額を引き上げるなり実費払いするべきという質問をしました。  学校給食については実費払いで払っているので、学用品も同じように対応することが可能ではないかと思うんですが、いかがでしょうか。 ◎菅井 学務課長 保護者にご負担いただいている経費については、今お話しのように給食費のように実費による援助を行っているもの、学用品などの各学校によりその種類や金額が異なるために標準的な単価を定めて定額による援助としているものがあるということでございます。  これについては、国、都の比較検討ですとか、実態を踏まえて、二十三区の状況なども参考に定めているところでございます。 ◆里吉ゆみ 委員 義務教育は無償のはずが、実際にはお金がかかって、低所得の家庭では児童生徒がそのお金の心配をしないと学校に通えないと。これは解決するのは行政の責任だと思うんですね。ですから、これは二十三区とか国とかを見るのではなくて、その困っているご家庭の子どものことを考えていただきたいと思います。 ○小畑敏雄 委員長 以上で日本共産党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○小畑敏雄 委員長 引き続きまして、生活者ネットワーク、どうぞ。 ◆桜井純子 委員 生活者ネットワークの文教分野の質問を始めます。  まず初めに、不登校対策について質問いたします。  今回出されました教育ビジョン第二期計画、これには新たな不登校対策の検討というものが示されました。生活者ネットワークは、これまでも学校復帰の策に偏らない子どもの立場に立った不登校施策ということ、そしてフリースクールなどへの支援というものも求めてまいりました。この検討には大変注目をしています。  そこで、検討に当たってということでお聞きしたいんですが、検討に当たっては行政のメンバー、また学校関係者、カウンセラーなど以外に、不登校を経験した当事者や保護者、そしてフリースクールなど民間団体の方々もメンバーとして入れて、しっかりと地に足のついた検討をしていくべきだと思いますけれども、この点についてはどのようなお考えを持っていらっしゃるんでしょうか。 ◎伊佐 教育相談・特別支援教育課長 委員お話しのとおり、新たに策定いたします教育ビジョンの第二期行動計画の中で、不登校問題への取り組みを掲げておりまして、子どもたち、保護者からの要望にこたえられるよう不登校対策の充実に向けて今後検討していく予定でございます。  検討に当たりましては、不登校の子どもたちの現状の把握や現行施策の課題の整理とともに、不登校対策の先進事例等の調査を行いながら検討を進めてまいりたいと考えています。  さまざまな状況にございます不登校の子どもたちの状況を十分に把握していくためにも、お話にもございましたけれども、さまざまな方々からのヒアリングなども検討していきたいと、かように考えております。 ◆桜井純子 委員 先例について検討もしていきたいということでしたけれども、例えば先例ということでいえば、特区をとって不登校対策をしているところというのは、視察にも教育長とも行きましたけれども、京都市の洛風中学や、また今年度から開校いたしました葛飾区の東京シューレ葛飾中学というところもあります。また、教育の情報化ということが先ほどからいろいろと議論もありましたけれども、京都市では今年度からインターネットでの学習ということを始めています。これは「はーとあくせす」というものです。  そして、もう一つ先例として注目をしていきたいのが、子どもの権利条例をもとにした議論の後に、子どもの最善の利益に立って、学校以外でも多様に育って学ぶ選択肢をつくり上げることが大切だということで開設された、川崎市の公設民営で開設されているフリースペース「えん」というものもあります。こういった例をしっかりと検証いたしまして、この世田谷区にも子どもたちの最善の利益を中心に据えた、そういったものをつくっていただきたいと思います。  また、検討メンバーについてなんですが、ヒアリングをしていくということでしたけれども、ヒアリングといったことでお茶を濁すのではなくて、しっかりとメンバーとして位置づけをして、検討の当初から一緒にやっていけるような、そういったことをもう一度前向きに検討していただきたいと思います。
     また、課題の整理をしていくということでしたけれども、その課題の整理の中には、私は世田谷区にあるほっとスクールというのも一つ課題をいろいろと検証していくべきところがあるのではないかと思っています。ほっとスクールに通って、また学校に戻っていくという子もいますし、また、そこから高校に進学する子なんかもいることは承知しておりますけれども、一方では、登録しながら通っていない子もいたりとか、また、見学に行ったものの登録に至らなかったという子もいます。そういった子たちも含めて、このほっとスクールのあり方というのをしっかりと検証していくことがまた大事なことだと思いますので、これをやっていただきたいと思います。この点に関してはいかがでしょうか。 ◎伊佐 教育相談・特別支援教育課長 近年、ほっとスクールへのお問い合わせだとか相談件数が増加してきております。こうした相談事例の中でございますけれども、ほっとスクールへの入所を希望される保護者だけでなくて、さまざまな状況の子どもたちを持つ保護者からの相談もございます。また、現在、年十八回実施しております「不登校 保護者のつどい」に参加されている方々からも、さまざまなお子さんの状況を伺う機会というのも多く持っているところでございます。  お話にございましたほっとスクールに通室できなかった子どもたち等々の状況把握も含めまして、ほっとスクールのあり方、今の状況がよろしいのかどうかも含めて検討をさせていただきたいと思っているところでございます。 ◆桜井純子 委員 今回の検証、検討というものの中で心しなければならないと思うのが、不登校を選んでいる子どもたちに対する考え方です。この検討に当たって、大人の不安を解消するためだったり、また、大人の価値観を守るためのような、そういった策になっていくような流れでは、全く子どもの利益にはなっていかないと思います。子どもの最善の利益を中心に据えた検討ということを先ほども言いましたけれども、そういったものにしていかなくてはいけないし、そのものにしていくためには、教育委員会全体の子どもたちに対するまなざしというのが問われてくると思います。こういったものに関してどのような考えを持って検討していくのか、ぜひ教育長のお考えをお聞きしたいと思います。 ◎若井田 教育長 不登校対策について検討していく、その手法等はこれからのことでございますけれども、私も二年間子どもたちと向き合ったり、保護者と向き合ったりするカウンセラーを経験いたしましたが、やはり不登校のお子さん、それから保護者には、人には言えないような悲しみとかつらさとか苦しみとかがあるわけですね。ですから、そういうものに向き合いながら、大切にしながら検討していけるようにしていきたいと思っています。 ◆桜井純子 委員 ぜひそういう考え方に基づいて検討というのを進めていただきたいと思います。  一つ、一九九〇年代から始まったアメリカの教育方針の一つなんですけれども、ゼロトレランスという方式がありまして、これは日本語で言えば不寛容という方式、毅然とした態度で対応するということなんですが、こういったことの方式をとると、今回少年法の改正でありましたけれども、すべて厳罰に処してしまうというようなことが起きてしまいます。教育ビジョンにも子ども像が掲げられておりますけれども、あるべき姿に近づけるために、それだけに走っていってしまうと、やはり子どもたちの利益ということから遠くなってしまうので、大人の求めるものではなく、子どもの求めるものにしていくべきだと思っています。  繰り返し申し上げますけれども、不登校の施策に対して求められるのは、多様な学習の場の確保だと思っています。その保障のためには、学校だけが教育を受ける場であるということ、また学習の場は学校しかないといった硬直した考え方というのからは、私たち大人は脱却しなくてはいけないと思っています。この考え方に立って検討を進めていただきたいと思います。  私からは以上です。 ◆吉田恵子 委員 私からはまず、学校給食について質問します。  今年度も民間委託が進められ、三月の委員会では五校の指定の報告がありました。学校給食の調理業務委託の目的は、多様なニーズに対応し、給食の内容の充実を図るとともに、柔軟で効率的な運営体制を確保するためだということでした。  民間委託による費用対効果は、一校当たり約一千万円から一千五百万円の経費節約になり、その分を質の向上、給食の充実に使うことができ、特にすぐにできることとして、デザートまで手づくりできるなど、メニューの充実と食器の改善が挙げられていました。  生活者ネットワークでは、これまでも機会あるごとに食器の切りかえを提案してきましたが、なかなか進められていないのが現状です。確かにメニューは工夫され、手づくりデザートは子どもたちにも評判がよいのですが、食器の改善については、今のメラミン製のものから強化磁器食器へと切りかえるために、給食室内にある保管庫の大きさが問題となり、その制限から困難を来しているという答弁を何度かいただいている気がします。  しかし、学校現場をよく見てみますと、地域によっては、児童生徒数の急激な減少により学級数の減少やクラス内人数の減少があります。ということは、全体の食器数も減少するのですから、保管庫の大きさを変えずとも余裕が出てくるのではないでしょうか。細かな点検をすることで切りかえていくことができると思いますが、区の見解を伺います。 ◎岡本 学校健康推進課長 お話にありましたように、調理業務委託の効果として、給食の質の向上を掲げており、その一環として、家庭での食事に近い食環境づくりや丁寧な食器の扱い、食事マナーを身につけることを目的とした強化磁器食器の導入を進めてまいっているところです。  しかし、お話がありましたように、強化磁器食器の導入は、給食施設の改築や改修時の食器保管庫の増設などにあわせて実施しております。太子堂調理場の配食校を含めると、今年度末には五十五校まで導入が進む予定です。  そういった中でも工夫というところでは、平成十九年度は既存の給食室を使用している学校において、学校と調整し、食器保管庫の収納方法の工夫などにより、三校で新たに強化磁器食器を導入することとなりました。  今後も、施設設備の整備にあわせた導入を進めるとともに、学校の協力のもと、工夫をしながらできるだけ早い導入を図ってまいりたいと考えております。 ◆吉田恵子 委員 工夫で三校導入されるということで、とてもいい答弁をいただきました。施設整備にあわせているという言葉がまた後半にありましたが、この施設整備にあわせていては遅いということを再度申し上げておきます。  また、栄養バランスの面から今注目を浴びている「まごわやさしい」に照らし、学校給食の充実を考えてみました。この「まごわやさしい」は、栄養満点の食材の頭文字を並べて表現しているものです。「ま」は豆類、豆腐、大豆、納豆などを含みます。たんぱく質、ビタミン、食物繊維が豊富。「ご」はゴマ、木の実の類です。たんぱく質、食物繊維、カルシウム、ミネラル。また、「わ」はワカメなど海藻類、たんぱく質、ミネラル、食物繊維。そして、「や」は野菜、ビタミン、ミネラル。「さ」は魚、カルシウム、たんぱく質。「し」はシイタケなどのキノコ類、ビタミン、食物繊維。そして、「い」は芋類、炭水化物、ビタミンC、食物繊維が豊富な食材です。  つまり、すべての栄養素を満遍なくとり、なおかつ過剰にエネルギーを摂取しないで済むようにするには、もっと米飯の回数をふやし、おかずを和食にすることで容易にとりやすくなると考えます。  現場では、食器の関係からどんぶり物やピラフのようなものにしていると聞きました。バランスのよい栄養摂取のためには、白い御飯、汁物、おかずにすることが求められます。それには、御飯わんと汁わんの二つが必要になってきます。子どもたちの食生活改善のためにも検討を求めますが、区の見解を伺います。 ◎岡本 学校健康推進課長 今お話しいただきました米飯というところでは、区教育委員会としても積極的に進めていくと考えております。  その中で、メラミン食器の学校につきましては、大皿、小皿、おわんという三食器となっており、大皿とおわんを御飯や汁物に使い分けるということで米飯給食を多く取り入れるよう献立の工夫をしているところでございます。そういった中で、どんぶり物であるとかピラフというようなものが出ていると聞いております。  目的に応じた食器を使用することは、食事マナーの面や食育を推進する上でも重要であると考えており、強化磁器食器の導入にあわせて、御飯茶わん、汁わん、大皿、小皿の四つの食器をふやしていくということで進めているところです。  食器数をふやすことにつきましては、先ほどありましたように改築改修、それから工夫をしていく中で進めていきたいと考えております。 ◆吉田恵子 委員 あらゆる角度から早期に磁器強化食器に切りかえないと、さまざまな支障が出ているということがわかりました。さまざまに絡み合ってくる、保管庫の大きさの問題、また献立のメニューでの工夫、こういうものを、一日でも早い改善策を講じていただくことを要望します。  続けて、給食の質の向上の面から質問します。  委託された学校の給食に対する評判を聞いてみますと、年度当初、一学期の間は味がいま一つで、残菜が多く、子どもたちからも不満の声が聞かれていたが、二学期に入ってから少しずつ改善され、おいしくなり、残菜も減少し、一安心したということでした。  現場を預かる栄養職員の努力とともに、調理従事者の方々の日々の実践の効果だとは思いますが、保護者の立場からすると、切りかえた直後から味は安定していてほしいし、子どもたちが楽しみにしている手づくりデザートも登場頻度を上げてほしいと思っているはずです。何らかの工夫が必要と思いますが、区の考えを聞きます。 ◎岡本 学校健康推進課長 調理業務を早期に安定させ、安全でおいしい給食を日々提供していくためには、何よりもまず栄養職員を初めとする学校関係者と委託業者のコミュニケーションを綿密にした上で、児童生徒の反応や保護者の意見を広く集め、給食の内容に反映していくことが重要だと考えております。  区教育委員会では、これまで給食時間中に栄養職員が各クラスを巡回し、児童生徒と会話を交わしながら、喫食状況や残菜を確認したり、保護者の参加による試食会を開催し、広く意見を集めたり、委託当初に調理従事者を一時的に増員したり、本社の指導員が現場の責任者とともに給食室内の作業動線を検討し、安全で効率的な作業方法について研究を重ねる等の方法により、業務の早期安定化に努めてまいりました。  今後も、安全でおいしい給食の実現に向けて引き続き学校と連携を図りながら、委託業者に対して適切な協力関係を築くとともに、指導監督を続けてまいります。 ◆吉田恵子 委員 栄養職員の方がとても大変な仕事をなさっていると思います。保護者として、毎月給食だよりをいただいております。献立表の裏側を利用して、さまざまな栄養素の分析やお魚を使ったメニューの提案、とっても工夫されている学校と、ごめんなさい、まだまだそこまでというところがあります。ぜひ中での連絡会などを工夫して、みんなでボトムアップしていく、そんな取り組みにしていただけたらと思います。  また、栄養職員の方々の待遇というんでしょうか、東京都のほうではなかなか方針が決まりませんが、栄養教諭へとの位置づけ、やはりこれも現場から声を上げていくということも一つあるのではないかと思います。ぜひこの点についても検討をお願いいたします。  学校給食の最後に、世田谷産の食材を使った地産地消の確立、今後検討されている学校給食法改正案に盛り込まれるであろう郷土食への考えを聞きます。  区の西部や北部地域では、都市農地が学校敷地に隣接していたり、農業生産者が身近で、顔の見える関係性が既に構築されたりしていて、季節ごとにさまざまな野菜や果物が納入されているのは承知しています。区の東部地域や全く農地がない地域でも、「せたがやそだち」が納入され、毎日の給食で提供できるのも一つの郷土食と考えられるものではないでしょうか。  特産品というか、世田谷特有の野菜としては一番に大蔵大根、そして下山白菜が挙げられ、詳しく見ていきますと、世田谷産のブドウも高品質で有名なものです。産業振興では、再三都市農業の振興が語られ、区内の流通システムの構築の話が出ていますが、安定した消費が見込まれる学校給食への納入を一番に考えていくべきです。区の見解を伺います。 ◎岡本 学校健康推進課長 世田谷産の食材につきましては、現在、太子堂調理場において、タマネギ、ジャガイモ、コマツナ、リンゴ等をJAのご協力をいただきながら使用しております。各学校においても、地域の農家や商店からの購入に心がけており、今後とも使用を継続してまいりたいと考えております。  また、現在策定中の世田谷区産業ビジョンでは、区内商店街の店舗で区内産の農産物を購入できる流通システムの構築が計画されており、将来的にはこのシステムを活用しての購入も進めてまいりたいと考えております。  学校給食で地場産物を使用することは、教育的意義や食育の観点からも大変有意義であり、こうした農産物を、例えば七夕給食であるとか、ひな祭り等の行事食や、毎月十九日の食育の日の献立の中で使用し、その由来や生産者の紹介をすることなどで、食に対しての興味、それから関心、それからお話にありました、世田谷という郷土に対する理解を深める教材としてまいりたいと思っております。 ◆吉田恵子 委員 先日読んだ本でも、今治市では、この顔の見える関係性、何々さん家のお年寄りがつくられたという紹介が給食時の校内放送で行われたそうです。そのことにより残菜ゼロの日が出てきたという話を読みました。  ぜひ世田谷でも、こういった工夫をすることで残菜をなくし、子どもたちにこの食と農のつながり、また農業への感謝の気持ち、さまざまな教育の材料になります学校給食に活用していただきたいと思います。  次に、学校外部評価システムについて質問します。  平成十七年度から全国一斉に始まった制度で、秋口に行うアンケートから、児童生徒や保護者と地域の声を拾い上げ、改善策に生かすものだと思います。  ですが、アンケートの中身や目的等がなかなか理解しがたく、ゆえに記入するのに悩み、回収率の伸び悩みにつながってはいないでしょうか。保護者一人一人の学校とのかかわりは、その頻度や程度にかなりの差があり、すんなり記入できる人と、記入できずにやめてしまう人もいると思います。思う、思わない、わからないなどという五段階評価になっているのですが、苦労しながら記入しても、どう使われるのかが分からず、担任教諭や校長先生への影響を考え、提出しそびれてしまう人もいるようです。  まず、この学校外部評価のねらいについて確認させてください。 ◎小島 教育指導課長 地域とともに子どもを育てる教育を推進し、地域に信頼される学校づくりを進める世田谷区においては、すべての区立小中学校が児童生徒、保護者、地域の方々から愛され、高い信頼を獲得することが大事だと考えています。  そこで、子どもたちや保護者、地域の方々が思いを表明するシステムと、学校がそれらを真摯に受けとめ、責任を持って学校改善を推進するシステムを構築し、保護者や地域の方々に学校改善への一層の参画意識を持っていただき、真の地域の学校として、より質の高い学校教育を実現することをねらいとして世田谷区では学校外部評価を実施しております。 ◆吉田恵子 委員 質の高い学校教育の実現と、理想はとても高いものですね。先ほども言いましたが、保護者の皆様へのこの制度の浸透がまだまだ不十分ではないかと考えています。現状をどのように把握されているのでしょうか。  そして、この点について対策を考え、既に何か手を打っているのか、するおつもりはあるのか、伺います。 ◎小島 教育指導課長 学校外部評価を学校の改善につなげるためには、委員がおっしゃるように、保護者や地域の方々に学校の経営方針とともに、学校外部評価のねらいや方法をわかりやすく説明する必要があります。  区教育委員会では、平成十八年度にすべての保護者に学校外部評価についてのリーフレットを配付しておりますが、こうした資料を活用するなどして、各学校が繰り返し学校外部評価の趣旨について説明していくことが大切であると考えております。  今後、校長や副校長が学校外部評価の趣旨を保護者会やPTA関係の会合など、さまざまな機会を活用して説明することによって、保護者や地域の方々に学校改善への参画意識をより一層持っていただけるように努力してまいります。 ◆吉田恵子 委員 保護者会への参加は、実は低学年では八割以上だったものが、高学年では固定化し、なおかつ少人数だったり、クラスごとにとても偏りがあるという現実をお伝えしておきます。保護者会での説明だけでは不十分です。  何校かのホームページから外部評価の結果を見ました。各学校により載せ方が異なり、この制度への理解が我が子の通う学校からだけでは進まないのも仕方ない気がしました。共通項目と学校独自項目があることや、小学校では五、六年生がアンケートにかかわっていること、地域の方は学校協議会関係者であることが多く、学校により数がさまざまでした。少ないところでは十二、三名というアンケートでした。そして、このアンケートをだれが集計をし、コメントをつけたり、改善策を考えたり、それを学校の中でどのように生かしていくのか、この点もはっきりと読み取れませんでした。  この点についての説明と今後への取り組みに対する区の考えを伺います。 ◎小島 教育指導課長 保護者や地域の方から成る学校外部評価委員には、さまざまな機会に積極的に来校して、学校の教育活動や児童生徒、教職員の様子を初め、学校運営全般について直接観察していただくようにしています。また、校長を初め必要な教職員にヒアリングも行っています。  そして、調査用紙の評価結果と授業観察、ヒアリングなどをもとに、総合的な評価を行い、学校外部評価委員の方々が報告書としてまとめて校長に手渡していただいております。  この学校外部評価委員が作成した報告書は、学校は改善に向けた具体策を決めるために校長を中心として話し合い、その結果、学校は学校外部評価委員会の報告書や調査の集計結果、学校改善の方針などについてホームページに掲載するとともに、保護者会などで説明し、学校の改善を進めております。  一層わかりやすい伝え方になるように努力してまいりたいと考えてございます。 ◆吉田恵子 委員 ぜひより一層の工夫を要望いたします。  この学校外部評価という名称自体に語弊があるように感じていましたが、今年度からは学校関係者評価という名称に変えるとのことでした。よりよいものをつくっていってほしいと思います。  次に、地域運営学校について質問します。  地域運営学校の指定による効果が指定された学校の保護者からもわからないという声を聞きます。地域運営学校の指定によってすぐに何かが変わり、保護者の目に見えるような効果があらわれるものではないと思いますが、目的や期待できる効果が保護者初め地域に確実に浸透していく取り組みを進めていくべきと考えますが、教育委員会の見解や取り組みに対する考えを伺います。 ◎古閑 生涯学習・地域・学校連携課長 地域運営学校は、保護者、地域等の代表で構成されます学校運営委員会を通じまして、これまで学校の教職員以外に関与がなかった学校の予算編成を初めとした学校運営の基本方針等の策定等に運営の当事者として参画するものでございます。したがいまして、学校運営委員会の活動は、委員に学校の管理運営や教育活動全体について理解していただくところから始まりますので、活動が軌道に乗り、具体的な成果とあらわれるまでには時間がかかる面もございます。  指定された学校では、保護者、地域の意見が多く取り入れられるようになった。また、学校の教職員と地域との結びつきが強くなった等の声も届いておりますが、一方では、委員指摘のように成果がわかりにくいというようなご意見もあることも承知しているところでございます。  教育委員会では、これまで地域運営学校の設置のねらいや効果を広くご理解いただくために、世田谷区教育フォーラムや学校協議会フォーラム、あるいは広報紙「せたがやの教育」等で地域運営学校の取り組み等を紹介してきました。  今後もさまざまな機会をとらえまして、地域運営学校の仕組みや成果等を丁寧にわかりやすく説明していくよう工夫していきたいと思います。 ◆吉田恵子 委員 地域運営学校の仕組みや成果等を丁寧にわかりやすく説明していくとの答弁ですが、保護者等への理解を深めるためには、一方的な情報提供や説明だけでは不十分です。学校運営委員会も、保護者等と一緒になって課題を共有し、その解決のために方策を考え、一体となって行動するような基本的な活動の方向性を同一にすることが重要だと考えます。  そのためには、例えば学校運営委員会委員と保護者との意見交換会の機会をつくることなど、一層の工夫が必要と思いますが、考えを伺います。 ◎古閑 生涯学習・地域・学校連携課長 学校運営委員会は、保護者、地域の代表で構成されていることから、保護者、地域に情報を発信し、活動について説明する責任を負っております。  現在、指定されている十七校では、学校運営委員会で話し合われた内容を保護者や地域の方々にご理解いただくために、学校運営委員会だよりや学校のホームページで公開しているところでございます。  学校運営委員会が保護者や地域の意見や要望を学校運営に反映していくためには、学校運営委員が日ごろから教職員、または児童生徒、保護者や地域の方々とコミュニケーションをとっていくことが重要かと考えます。  今後は、さらに児童生徒、保護者や地域の方々の声を反映させた学校づくりを進め、学校運営の充実に向け、校内のコミュニケーションが豊かに形成されるよう努めてまいりたいと考えております。 ◆吉田恵子 委員 コミュニケーションは、こういった委員と保護者、地域の方たちとはつくりやすいとは思うんですが、話された中身とか経営方針だとかさまざまなことを真剣に一緒に考え、話し合う場というのは、やはり特別につくらなければできないと思います。この点についてもぜひ今後の検討の中に入れていただきたいと思います。  平成二十年度は現行制度の検証、見直しを行うことから、指定に当たっては必要最低限度にとどめながらも、小学校四校、中学校一校を指定されると聞きました。地域的な均衡を考慮してや、また小規模校のモデル校として指定するということですが、以前から申し上げてきましたが、地域運営学校の指定に当たっては、何よりも地域と学校の連携協力等の関係性がしっかりと構築されていることが重要です。教育委員会側の考えを重視した指定ではなく、学校運営委員会の自発的な活動を土台とするものでなくては実効性が伴わなくなってしまうのではないでしょうか。地域運営学校に対する地域、保護者の理解が構築された上で、丁寧に指定を進めるべきと考えますが、見解を伺います。 ◎古閑 生涯学習・地域・学校連携課長 地域運営学校は、学校協議会等を通して取り組んできました地域と学校のネットワーク等を土台に教育ビジョンの施策の柱である地域とともに子どもを育てる教育を推進する重要な施策と考えております。  したがいまして、地域運営学校の指定に当たりましては、学校と地域のこういう意思を尊重し、地域の特性や事情等も考慮しながら、慎重に、また丁寧に行っているところでございます。  今後も、区立小中学校の保護者、地域の信頼関係を基盤に、地域の協力を生かした学校運営が実現できるように計画的に指定してまいりたいと考えております。 ◆吉田恵子 委員 慎重にかつ丁寧にという答弁の最後に、計画的に指定していくということがありました。これでは何一つ変わっていません。再考を求めます。  生活者ネットワークの質問をこれで終わります。 ○小畑敏雄 委員長 以上で生活者ネットワークの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○小畑敏雄 委員長 以上をもちまして本日の質疑はすべて終了いたしました。  本日の委員会はこれにて散会いたします。     午後六時十四分散会...